なんか堅苦しい響きです。
・家のどこに使われているかと言えば、この中にあるあれの事です。
そう、暖炉の後ろにある壁の事。
これがあると暖炉がそれっぽく見えるからとか、昔のなごりとか適当な壁ではありません。
字のごとく熱から守る為の大切な壁です。
そして、更に重要な事にこの壁はただ熱に対して強そうな材料を壁にぺたぺたと張っている訳でもありません。
一度は聞いた事があると思いますが、低温炭化火災に対して注意が必要です。
暖炉における低温炭化火災は耐熱壁を柱にぴったりとくっつけて施工した場合に起こりえます。
本来、木は400℃~470℃で着火しますが、耐熱壁の熱が長期間に渡ってじわじわと柱に伝わると、いずれ発火する恐れがあるのです。そして、そのじわじわ伝わる温度はおよそ100℃から280℃位。
全然着火温度に達していないのに、じわじわ伝わると燃えてしまう可能性があります。
ですからこちらの画像や最初の画像の様に低温炭化火災が起きない様な対策を施さなければいけないのです。
と言ってもぱっと見、分かりませんね。
対策は耐熱壁と柱の間に通気層を設ける事。
通気層を設ける事で耐熱壁の熱は柱に触れず、通気層を通って逃げる事ができます。
方法は様々ですが、私の場合は耐熱壁の下と上の全面にスリットを設け、空気が下から上に抜ける様になっています。
機能的にはこれで一安心ですが、スリットの大きさについて検討すると更に設計士らしくなります。
見た目に目立たない事と、掃除がしやすい事。
火事にならない事は当たり前の条件で、住み手にとっては見た目と手入れのしやすさの方が大切ですからね。
色々な所に理由が隠されています。
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