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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-11(lab)】しつらえ-新潟の小さい家-

2020-08-28 21:26:58 | ministock-11(lab)
ミニストックはワンルームを基本とした設計のご提案です。
しかも、それが床下から小屋裏まで全部がワンルームっていうんだから、ワンの重みがすごいっていうワンルームです。

その中で見えにくい場所を作るのが私の中でルール化されています。
見えにくい場所を作る理由は、生活の緊張感を和らげるため。
ここは、多少片付けなくてもいいんだ、ここに何でも置いちゃえば他がきれいに片付くんだっていう場所があれば、心に余裕ができるかなって。

ただ、中々そうも行かなくて、追い詰められた結果生まれたのが、片付けなくていい物干し竿
一番上の画像を見ても、「え、どこ」としかならないかもですが、手前から奥にスーッと伸びてるグレーの棒が物干し竿。
建物の端から端まで5m30cmあります。
わざわざこのお住まいのために作った特注品です。

どんな量でも干せるし、
ハンガーの移動も楽、
シーツも余裕で掛けられちゃう。

見せたくないものを見せていいものに変化さえちゃう設計。

用事が足りていればOKではなく、「しつらえ」が住まいには必要です。

似たようなことがもう一つ。

見学会でも何気に評判が良かったスペースです。

単なるクローゼットなんですけど、すごく整っているって感想をいただきました。
理由は「照明のバランスがとてもいい」って。

クロゼットを含めた収納場所は、用事が足りていればOKとなりがちなところですが、このお住まいで一番天井が高いお部屋でもあるので、ちょっとしつらえたくなっちゃったんですよね。

右の壁には、ハンガーパイプが3段になっています。

一番上はどうやって使うんですか聞かれましたが、季節ものの入れ替えに脚立でもいいし、日常使いであれば西松屋方式(勝手に命名)でもいいし、使わなくても「あそこにまだ掛けられる」という心のゆとりを持たせるだけでもいいし。

飾り付けるという意味の「しつらえ」もあれば、使いやすくするための「しつらえ」もありますし、気持ちのゆとりのための「しつらえ」もあります。
ネイティブディメンションズのデザインのベースは、この三つの「しつらえ」にあります。


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