~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

生島治郎さんの冒険小説「黄土の奔流」

2012-04-09 07:26:53 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。

今日は生島治郎さんの冒険小説「黄土の奔流」を紹介します。


「黄土の奔流」は日本の冒険小説として最初に書かれたものです。

私が本好きになったきっかけは冒険小説で、まずジュール・ヴェルヌさんやコナン・ドイルさんらの作品にハマりました。

当然、冒険小説は海外のものばかりだったのですが、ある時、生島治郎さんの冒険小説「黄土の奔流」が面白いよと紹介されました。


最初読んだ時、それまでと違ってかなり現実に近い場面設定で少しびっくりしました。

先日「大地の歌」で紹介した中国が舞台となっています。

第一次世界大戦後の上海から、破産して無一文になった主人公”紅真吾”が重慶に豚の白毛を求めて揚子江を遡る冒険物語です。

何で豚の毛なんだろう。。もっと格好いい設定の方がいいのでは。。と思いながらも途中から面白くて夢中に。。

商売が上手くいって大金持ちになるかと思いきや。。
この小説の結末も(「甘いな・・・」という言葉が効いています)なかなかいいです。




そして何回か読んだあとに”面白いから読んでみなよ”と家内に勧めました。
でも、家内はそれほど面白味を感じなかったようです。

冒険小説に胸躍ったり感動したりするのは男のロマンなのでしょう。。

 
それからこの本を読んでいると、会社に入ってすぐに行った中国出張(私の初めての海外)を思い出します。

日中国交正常化の後で、まだ熱烈歓迎ムードいっぱいの時期でした。

この小説の目的地”重慶”より少し奥になる”成都”に出張したのです。

そして休日の度に出張先の会社の人たちに色々な観光地に連れていってもらいました。
中でも思い出すのが成都の動物園に行ったときのことです。

パンダの檻の前に来た時、そこにいた見物客をどけて一番前列で見せてくれたのです。
それどころか、ちょうどパンダの昼寝時だったのに、なんと動物園の係りの人が寝ていたパンダを起こしてくれたのです。
パンダには何とも迷惑で可哀相なことをしたのですが、それほどの待遇をしてくれたのです。

今ではいい思い出になっています。。

 
話を戻します。
生島治郎さんの「黄土の奔流」は、とてもおもしろい冒険小説です。
もう何回読み返したことか。。

続編も出ていて、それらも楽しい冒険小説です。

お奨めです。特に男子には!