ナンシー・Chang!のおいし~生活

湘南(住まい)&東京(勤務地)で見つけた、あんなこと、こんなこと。

花組ヌーベル@下北沢

2009-07-21 02:00:42 | おでかけ
*身共を鬼には、おのれら二人が致したぞよ

6/5(金)、会社帰りに下北沢の駅前劇場へ。
花組芝居の実験公演「花組ヌーベル」第2弾、『盟三五大切』を観劇するため、うん年ぶり(最後がいつだったかも覚えていない)に演劇の街を訪れました。
あ~、ひょっとしたらこの前も花組芝居だったかも!
それにしても駅前劇場どこだかわかんないし(本多劇場の人に聞いた・汗)、入口もヘンだし(ビルの3F)、、、
なんだかんだで席に着いたのは開演時間19時ギリギリでした。

花組ヌーベル 第2回公演「盟三五大切」

〓あらすじ〓
忠臣蔵の義士として仇討ちの機会をねらう不破数右衛門(ふわかずえもん)は、今は源五兵衛(げんごべえ)と名を変えて日々を送っている。
彼が入揚げている芸者の小万は、実は三五郎という船頭の妻だった。
二人に騙されて百両の御用金を失った源五兵衛は、冷徹な殺人鬼と化す・・・。
(公式HPより)

かみかけてさんごたいせつ
と読みます。
『四谷怪談』と同様に、裏忠臣蔵の1/47モノですね。
原典は四世鶴屋南北の名作で、歌舞伎の演目としても有名です。
しかし、なんたって実験芝居なので、歌舞伎と同じようにはいくわけもなく…。
座長・加納幸和氏が作り上げた『盟三五大切』は、脚本も演出も見る者の意表をつく、実に奇抜なものでありました。

開演前から読経が流れ、ステージにはお葬式の祭壇と精進落としの座卓。
各方面からのお祝いのお花もしっかり小道具として使われていました。
経帷子を着けた「死体役」の磯村智彦さんが現われ、前説?をするとお布団の中へ(死体役は日替わりゲストとのことです)。

ここからお芝居スタート。
喪服スーツの人たちが集ってきて、お線香を上げた後、ビール飲んだりご飯を食べたり…。
どうやら誰かのお通夜のよう、と思っていると、いきなり船頭が舞台の端から船を漕ぎながら登場、女房役の役者が女言葉で台詞を―。
現代のお通夜の風景から、黒のスーツのまま一気に歌舞伎の世界にタイムスリップしてしまうところがスゴイ。

描かれるのは、因果応報の血みどろの世界。
自分を騙してさんざん貢がせた芸者への復讐心から破滅していく47士の1人の男の姿です。
何人もの人たちを斬り殺す源五兵衛の姿は、白塗りや着物で演じれば伝統芸能の1つの型として映るだけだけど、スーツ姿の役者が演じると俄然現実味を帯び、とてつもなく猟奇的に見えてくる。
源五兵衛が殺した小万の首を切り落として家に持ち帰り、お茶漬けを食べながら語りかける件は歌舞伎でもおなじみのシーン。
花組版では源五兵衛がサトウのごはん(玄関開けたら2分でご飯)を電子レンジでチンした後、スーパーのレジ袋から生首を取り出すという演出になっています。
これはなかなか衝撃的なシーンでした。
てか、普通にありそうでしょ、今のご時世じゃ。
源五兵衛の北沢洋さんの芝居もリアルで、かなり気持ち悪かった。

      

歌舞伎で半日かかる演目をこれだけコンパクトに纏め、かつ根底にあるブラックなユーモアを殺すことなく(てか、少々出過ぎた感もあるけど)、観る者を楽しませるって、ハンパじゃないと思います。
登場人物がほとんど死んでしまうw陰惨な話がきちんとエンターテインメントとして成立していたし。
休憩なしの2時間弱が「あっという間」でした。

演出も素晴らしいけれど、役者さんたちが上手くなった証拠だと感動しました。
あ、でも、冒頭のお通夜のあの死体は誰だったんだろ?

「花組ヌーベル」は、もともと加納さんが本公演では不可能な実験的試みを楽しむ?ためのヲタ企画で、第1弾の『恐怖時代』@谷崎潤一郎は出演者全員が浴衣を着て芝居しました。
衣装を統一すると、ごまかしがきかないだけに、役者の力がどれほどのものか一目瞭然。
みんな芝居がメチャクチャ本気でw、舞台にはピリピリと緊張感が溢れていました。
今回の黒スーツはさらに個性を消してしまう上、1人で何役かこなす役者もいて、より演技力が試されるシビアな演目だったと思います。
小万を演じた小林大介さんは、葬式スーツにヒゲを生やしたままのスッピンで見事女に化けていた。すごいっ!
しかし私の感動ポイントは、なんたって加納さん。
なんと小万の旦那、三五郎役だったのです。
たしかにこんな時でもなけりゃ加納さんの男役にはお目にかかれない。
さすがに華があるし、色悪もなかなかハマってる~
背が高いからスーツ姿がカコイイ

忠臣蔵が背景にあり、義士の1人にスポットを当てた物語ということでは、花組芝居の代表作『いろは四谷怪談』とカブる部分もありました。
何度も再演されているこの演目には、鶴屋南北の葬式シーンから始まるバージョンもあったはず。
そいや伊衛門役の役者は代々黒スーツ姿だった。
初演の時のハコは、この駅前劇場とどっこいくらいのキャパだったと記憶しています。
ちなみに私の初花組芝居は20年前の『いろは四谷怪談』初演でした。
渋谷のPARCO Part3だったっけ(お岩は篠井英介さん)。

これからもずっとついていきますとも!

ハナオフ 四獣「ワンダーガーデン」

次回観劇予定は中堅4人組“花組四獣”による『ワンダーガーデン』。
久々の植本潤ちゃん
8/21が待ち切れない~!

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