9月17日からアラビア語コース新年度が始まります
ちっとも進歩しないけど 面白いんです
以前にも書きましたが、コースを主催しているのはシリア出身の国連職員で、難民キャンプに子供のための学習・医療施設を立ち上げたり、短編集を執筆したり、スーパーウーマンなのです。
彼女の2冊目の短編集
収録されている短編のタイトルをとって「前方への逃避」
本のタイトルとなっている短編は、女囚用の監獄の話です。「私」の入っている監獄に、汚れて獣のような女囚が連れてこられます。同室の女性たちが、何とか洗ってやり、少し人間らしくなります。その数日後、所長がやって来て「明日は国際赤十字の視察団が来るから、新しい服を支給する。質問があったら、この国や大統領を愛していることを話なさい。政治的な質問には絶対答えてはいけない」と指示(命令)します。翌日、赤十字の視察が終わり一段落すると、例の女囚はすっかり落ち着き、「私」に打ち明けます。「私の監獄では何人も死んだわ。私も正常なままなら死んでいたわ。」
どういう監獄かは語られていませんが、政治犯と察せられます。筆者が実際体験したことか、あるいは国連の関係で、体験者から聞いたのかは知りません。多分後者だと思いますが、彼女も結構危ない橋を渡ってきたようです。
裏表紙
「前方への逃避」から所長の訓示の部分が紹介されています。
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