パリで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は現地時間の25日、諮問機関が世界遺産への登録を勧告していた「平泉の文化遺産」(岩手県平泉町)について、仏国土(浄土)の世界を現世に表現した文化的価値を認め、世界文化遺産への登録を決定した。
日本が推薦した遺跡で世界文化遺産に登録されたのは2007年の「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)以来で、12件目。自然遺産を含めると、24日の小笠原諸島(東京都)に次ぎ16件目となる。
遺跡は、国宝で金色堂がある中尊寺など寺院や寺院跡地、庭園など5遺跡で構成。寺院はいずれも12世紀に東北地方で4代にわたり栄華を誇った奥州藤原一族が造営に関わった。
政府は前回、9遺跡を文化的景観として推薦したが、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は08年、浄土思想の観点で資産の範囲について再検討が必要と「登録延期」を勧告した。
仏教の浄土思想を空間的に表現したものとして、浄土世界を統一的な概念に改め、6遺跡で構成し直し再推薦。イコモスは先月、藤原氏の住居で政務の場でもあった柳之御所遺跡を除き、「仏国土を表す資産として、顕著な普遍的価値」を認め、世界遺産リストへ記載するよう勧告していた。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110626-00000003-jij-soci)
おめでとうございます。
日本にとって、被災地にとって、とってもいいニュース!
これで減っている観光客が戻ればいいんだけれども。
文化遺産
1 法隆寺地域の仏教建造物(1993年12月)
2 姫路城(1993年12月)
3 古都京都の文化財(1994年12月)
4 白川郷・五箇山の合掌造り集落(1995年12月)
5 原爆ドーム(1996年12月)
6 厳島神社(1996年12月)
7 古都奈良の文化財(1998年12月)
8 日光の社寺(1999年12月)
9 琉球王国のグスク及び関連遺産群(2000年12月)
10 紀伊山地の霊場と参詣道(2004年7月)
11 石見銀山遺跡とその文化的景観(2007年6月)
12 平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(2011年6月)
自然遺産
1 屋久島(1993年12月)
2 白神山地(1993年12月)
3 知床(2005年7月)
4 小笠原諸島(2011年6月)
○現在の日本の暫定リスト
古都鎌倉の寺院・神社ほか(神奈川県、1992年)
彦根城(滋賀県、1992年)
富士山(山梨、静岡県、2007年)
富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県、2007年)
飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群(奈良県、2007年)
長崎の教会群とキリスト教関連遺産(長崎県、2007年)
国立西洋美術館本館(東京都、2007年)
北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森、岩手、秋田各県、2008年)
九州・山口の近代化産業遺産群(福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口県、2008年)
宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県、2008年)
ユネスコー世界遺産活動 参照
(http://www.unesco.jp/contents/isan/jlist.html)
「平泉の文化遺産」は2001年に暫定リスト入り、10年越しにやっと念願が叶ったってところ。
ちなみに「小笠原諸島」は2007年にリスト入りだから登録は早かった。
久々に明るいニュースって感じ。
本当によかった。
1580号