梨の水キムチの作り方 「キキの料理教室第５０回」 付録：城東町４丁目臨時ニュース

＜とにかく暑いんです。
前橋の最高気温は7月31日に35℃を越えて35.2℃の猛烈な暑さになりました。以後、３6.6℃（8月1日）、36.1℃（2日）、36.3℃（3日）、35.8℃（4日）、38.8℃(5日）、38.0℃（6日）、１週間ずっと３５℃を越える日が続いているんです。おかしくなりそう…
近所の上毛電鉄の線路も高温で心配、猛暑の中を保線係のおじさんが点検に歩いているんです。＞

 

 

＜お部屋には冷房入ってるんだけど、涼しげな場所選んでさ、場所代えて、一日ごろごろ、これっきゃないよね。
今ゴロついてるのはさ、おヒゲのプリンターの上、電源切ってると冷やっこいのね…＞

 

 

＜おヒゲはさ、日曜日に藤岡の人が梨を届けてくれたんで、冷たい漬物を仕込んでいるの、『梨の水キムチ』、しば漬けと同じ植物乳酸菌の贈り物、乳酸発酵食品だから暑い日にいちばんなんですって。
キキ、涼みながら見てたから、作り方教えてあげるね＞

 

 

＜これがね、『梨の水キムチ』、漬け液ごといただくんです。
韓国の漬物なんだけど、特別な材料がいらないし、３日ほどで出来上がるから、誰にでも漬けられるんですって、乳酸発酵でちょっぴり酸味があって、爽やかな漬物だそうですよ＞

 

 

＜まずは材料です。今回の梨は少し小さめなので１個使います。大根２００g、万能ネギ１/２束、塩大さじ１杯、それと香辛料はニンニク１片、根ショウガ１片、輪切り唐辛子少々、それとあればでいいってんだけど糸唐辛子少々。
香辛料の量は、写真を見て、大体このぐらいって感じです。
あとは、上新粉大さじ１杯です＞

 

 

＜①上新粉大さじ１杯を５倍ぐらいの水に溶かします。泡立て器でしっかり混ぜて溶かすのね。それを、沸かせた水５００mlに加えて混ぜながら６～７分煮て、薄い重湯を作ります。吹きこぼれやすいから気をつけてねだって。
上新粉のない人は、大さじ２杯ぐらいのご飯を煮溶かしてください。少し時間かかるけどしっかり煮溶かして重湯にしてね。
できた重湯は、常温になるまで冷まします。＞

 

 

＜②大根２００gを皮をむいて短冊に切ってボールに入れます。そこへ、塩大さじ１杯を加えて下漬けします。
水キムチ全体で使う塩は、この大さじ１杯の塩だけです。シッカリ量ってくださいって…＞

 

 

＜おヒゲはさ、漬けもん作るとき、ていねいに野菜の重さを量って、それで塩の量を決めてます。いい加減てのはだめなんですってさ。
今度は、お部屋に置いてもらってるダンボール箱の中でゴロゴロなのね。ここはさ、冷房入れてしばらくすると冷気が溜まる場所なんだ…＞

 

 

＜③ニンニクと根ショウガを薄切りにして、輪切り唐辛子と一緒にガーゼで包みます。風呂敷包みみたいにしばるんです。
水キムチはね、漬け液ごといただく漬物だから、香辛料を取り除きやすくしておく方がいいんですって＞

 

 

＜④梨はくし形に切って芯を取り除き皮剥いてから適当な薄切りに、万能ねぎは３cmぐらいの長さに切ります。下ごしらえはここまで、あとは、重湯が常温に冷めれば漬け込めます＞

 

 

＜⑤漬け込みは、ポリ袋を使います。
下漬けした大根は塩で出た水分も一緒にポリ袋に入れます。梨、ネギ、香辛料の包み、糸唐辛子を加えたら、冷めた重湯を入れて、空気を追い出して、ゴムバンドでしっかり封をします。
これで漬け込み完了です。おヒゲは万一を考えて、封をしたポリ袋をさらにポリ袋に入れて、２重にしています。万一てのはさ、発酵の過程で炭酸ガスが発生するんです。そいで、袋が破れることもまずないんだけど、万一なのね…＞

 

 

＜漬け込みをしたら、あとは植物乳酸菌さんにお任せなんです。
袋の中で繁殖した植物乳酸菌さんは、重湯に溶けている米の成分を栄養に繁殖していくんですって。そいでね、他の雑菌やカビ菌もみんな食べちゃって、それから乳酸発酵を引き起こすんだそうです。すごぴんですね＞

 

 

＜だからね、⑥材料を詰めたポリ袋は、丸１日日の当たらない部屋の中で室温で管理します。冷房してたって大丈夫、どうせこの暑さ、２５℃以上ですからね。もし、炭酸ガスで袋が膨らんだら、口を開けてガス抜きしましょう。
⑦室温で１日管理したら、冷蔵庫に移します。乳酸菌の働きを抑えて、味を馴らすためです。１～２日経てばおいしくなります＞

 

 

＜キキのお気に入りの寝床はね、冷房の風がほどよく当たるところに置いてもらっているんです。あっちこっちでゴロゴロした後は、やっぱここでお昼寝です。
おヒゲの水キムチの仕込みも終わったみたいだから。
金曜日か土曜日には、『ひろ子』へ、きっと届けると思うよ…＞

 

 

＜水キムチは冷たくしていただく漬物です。漬け液がおいしいんです。さわやかな酸味に仕上がっていれば大成功なんですって。
韓国の家庭では、水キムチを冷麺の汁に使うそうです。夏のおいしい漬物だとおヒゲは申してます＞

 

 

＜これはね、水キムチに冷やしたそうめんを入れて、梅干しの果肉をトッピングしています。こういう食べ方もできるんです。
麺食いのおヒゲの大好きな１品なんです。
皆さんも、水キムチ、ぜひお試しくださいな…＞

 

 

 

[城東町4丁目臨時ニュース]

　　　

＜俺はさ、城東町４丁目で暮らしてる猫なんだけどさ、臨時ニュースやるから聞けよな。
納涼祭の前の晩なんだけどさ、うちの母ちゃんが迷子の子猫を保護したんさね。そいで、飯食わせたり、水やったり、身体吹いてやったりしてさ…＞

 

 

＜そいで、納涼祭の日の朝さ、近所のヒゲおじさんに頼んで、ポスターを２０枚ほど貼りだしてもらったんさ。
一緒に暮らしてた人が探しているかもしんないじゃない、もしかすりゃ納涼祭に遊びに来てさ、気が付くんじゃねえかってさ…＞

 

 

＜ところがさ、空振りだったってことさ。誰もうちの猫だって言ってこなかったんさ。
でもな、いい人がいてさ、一緒に暮らすって、連れてってくれたんだ。かわいい顔してるしさ、とても人懐っこいうから、すぐに仲良くなれそうさな…＞

 

 

＜母ちゃんも俺も、心配してたんだけど、良かったいね、安心したいね。
優しい人間もいらいね。うちの父ちゃんと母ちゃんもそうだけどさ。
捨てたもんじゃあねえやな。あんじゃあないんさね
これで、城東町４丁目の臨時ニュース、おしまいだいね＞

 

 

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