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猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

第76回美登利会と三代目吉駒襲名リサイタルが開催されました。お運びいただいた皆さまに心より御礼申し上げます

2019-04-08 07:04:23 | あんじゃあない毎日

昨日は、第76回美登利会と、三代目吉駒襲名リサイタルが開かれました。
写真は、糸駒改め三代目吉駒の清元「鳥刺し」の舞台です。

 リサイタルは、伝統芸能解説者の葛西聖司さんのお話で始まりました。葛西さんと二代目はとても仲が良かったんです。それで、初代と二代目の思い出話しから始まって、三代目が務める演目の解説まで、お客さまから笑い声が湧きあがる楽しいお話をしていただきました。

 

三代目吉駒は、まずは清元「卯の花」を舞いました。この踊りは、一昨年の秋、二代目が他界する直前に、あらためて手ほどきを受けた踊りです。二代目に納得してもらうことができたのかどうかは分かりませんけれど、三代目吉駒にとっては、この先ずっと大切にして行かなくてはならない演目の一つになったのだと感じています。

三代目吉駒が舞台に登場すると、お客さまから「待ってました!」って声がかかりました。ありがたいことです。観ていただくお客さんがいて、喜んでいただくことができる芸があって、舞踊は成り立っているんだなと、つくづく思いました。

 

そして、特別出演の三代目花柳寿楽さんに、「青海波」を舞っていただきました。さすがです。素敵な舞姿でした。

  清元は、唄は清元志寿雄太夫さん他、三味線は清元志寿朗さん他につとめていただきました。囃子は、堅田新十郎さん他、笛は鳳声晴久さんでした。

 

そして、三代目の二つ目の演目は、清元「鳥刺し」でした。
この演目は、初代吉駒も、二代目吉駒も、ともに得意とした演目です。竿の先に付けたトリモチで小鳥を採る江戸時代の不思議な職業を舞踊化したものです。三代目が手にする竹竿は、初代と二代目が舞台で使ってきた竿なんです。三代目は、初代と二代目の背中を追い続けています。

 

   リサイタルに先立って開かれた美登利会は、1937年(昭和12年)に、三代目吉駒の祖母、初代吉駒が稽古場に通ってきている子どもたちにも発表の機会をと始めた舞踊会です。第一回は、小柳町(現住吉町二丁目)の愛宕神社の境内にあった「柳座」という芝居小屋で開かれました。
「今だとさ、なんてったっけ、そうそう健全育成事業だったのよ…」と初代吉駒は言ってました。

82年経った今年も、小学生以下の子どもたちが9人、高校生が2人、お稽古の成果を披露してくれました。写真は、「紅葉の橋」の山田幸花さん、「宝船」の佐藤真綾さん、「菊づくし」の遠山はるなさんと松永桃佳さんです。

「雨の五郎」を演じたのは、小野里琥珀朗さんと碧千花さんの兄妹です。二人とも、大きな演目に取り組むのは初めてでした。でも、しっかりお稽古して、お客さまから喝さいを浴びていました。

 美登利会のトリを務めたのは百吾さんです。二代目吉駒がまだ吉吾を名乗っていた時からのお弟子さんです。長唄「梅の栄」を舞いました。

そして、フィナーレは、「赤城山から風が吹き出して 風で蝶々が飛ばされる…」ではじまる野口雨情作詞、中山新平作曲の「上州小唄」です。今回は、三代目吉駒が新しい振りをつけて、出演者全員で踊りました。

 フィナーレのあと、美登利会後援会長の茂木勝彦さんと、三代目襲名を後押ししてくれた上毛新聞社社長の内山充さんからご挨拶をいただきました。内山さんの隣りは、前橋商工会議所副会頭を務めるカネコ種苗社長の金子昌彦さんです。

たくさんの皆さんのご支援のおかげで、80年を越えて続いてきた美登利会は、これからも続けられそうです。

 そうそう、こんな光景も目にしました。リサイタルの開演前、舞台裏で三代目吉駒と葛西聖司さんが身振りを交えて、しきりと話をしていました。話の中身は分かりませんでしたけど、たぶん舞の振りのことで、葛西さんの助言をいただいていたんだと思います。これからも、精進に明け暮れる三代目です。

今回の美登利会は、ずっと会場にいることができませんでしたので、限られた演目の写真だけになりました。お許しください。

 

  三代目は会の打ち上げに出ていましたんで、私は家に戻っていろいろと手伝ってくれたレイ子さんと夕食してました。ニンジンのスープ、カブとトマトと新タマネギのサラダ、緑色はルッコラの花と刻んだセリです。

  それと、ベーコンとカキ菜のソテー、ジャガイモのガレットです。食べてる途中で三代目吉駒が戻ってきました。「お腹空いたよ〜」だって。急いで、三代目吉駒の分も作りました。 

 

 直派若柳流の三代目若柳吉駒でございます。
本日、二代目吉駒の三回忌追善と三代目吉駒襲名披露を兼ねて第76回美登利会を開催いたしましたところ、たくさんの皆さまにお運びいただき、大変ありがたく、心より御礼申し上げます。
また、三代目襲名リサイタルに特別出演していただいた三代目花柳寿楽様、葛西聖司様をはじめ、美登利会の開催に一方ならぬご支援をいただいた皆さま方に伏して御礼申し上げます。これからも、初代、二代目同様に、お引き立て頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
来春も、4月12日開催予定で第77回美登利会の開催準備を進める段取りを決めました。 これからも、
二代目吉駒の遺志と教えをしっかり守って、一生懸命つとめてまいりますので、よろしくお引き立てくださいませ。

第75回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれます。
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

 

 「おばあちゃんのほっこりごはん 野村たかあき展」は1月26日(土)から前橋文学館の3階オープンギャラリーで開催されてきましたが、昨日4月7日をもちまして閉展いたしました。多くの皆さんにお越しいただき、野村たかあきさんもたいそうごきげんでいます。ありがとうございました。野村さんに変わりまして、御礼申し上げます。

 


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4 コメント

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Unknown (のりやのおかみ)
2019-04-08 09:02:01
この度は華々しくリサイタルが無事に終了ました事を心よりお疲れ様でしたと申し上げます。
毎年、足を運んでおりますと、子供達の成長に目を見開く思いがいたします。
これも好きこそ物の上手なれのお手本ですね。

葛西さんの解説は凄く為になりました。
ユーモアの中に目の付けどころを指摘して頂だきありがたかったです。

そして吉駒さん!
なんて素晴らしい立ち姿と舞い❗
凛とした中にほんのり色気も感じられて、他の追随を許しませんね。
普段からの精進の賜物と影の支え(もちろん旦那様)があるからこそ立派な舞台が大成功に終われたと確信しました。
サクラの満開の中、本当におめでとうございました。
来年も楽しみにしてます。
お体に気を付けて、日本文化継承のリーダーをお務めくださいますようお祈りしてます。
返信する
ありがとうございます (ヒゲクマ)
2019-04-08 11:17:39
のりやのおかみさん
ありがとうございました。
伝統芸能というものはややこしいもので、江戸で成立した鳥刺しという奇妙な職業の姿を、京都の幇間が一力茶屋で演じてみせるという、ややこしい設定の上に、「鳥さし」という舞踊は成り立っています。葛西さんのようなお話しを聞かないと、なかなかその辺のことがうまく呑み込めないですよね。
このまちで生まれ、このまちに育ててもらった舞踊です。もうしばらくはお楽しみいただけますよう、三代目も精進に努めることと思います。よろしくお見守り下さい。
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Unknown (有砂)
2019-04-08 13:33:33
昨日は美登利会及び吉駒襲名リサイタルの成功おめでとうございました!大変お疲れ様でした!
お弟子さんの舞台は、余裕がなくて あまり拝見できなかったのですが、襲名リサイタルの方は、花道の奥の隙間から鑑賞させていただき、三代目の素晴らしい舞台に感動いたしました。
幼き頃より意識高く邁進なさった結果が人の心を揺さぶるんですね… また、葛西さんの解説で、その演目や衣装、小道具などの背景を知り、拝見しながら胸が熱くなりました。
歴史的瞬間にお手伝いさせていただき感謝です。
ヒゲクマさんも いろいろと大変な中、ご苦労もあったことと思いますが、改めて素敵なご夫婦だな…と思います。
お二人の今後ますますのご活躍をお祈りいたします。
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ありがとうございます (ヒゲクマ)
2019-04-08 14:49:58
有砂さん
いろいろありがとうございました。おかげさまで、なんとか無事に乗り切ったようです。
ユキ子も「踊はしませんからと言っていたんです。そいで、群大医学部の研究精したり、玉川大学の通信課程で幼児教育を学んだり、いろいろしてたんです。
でも、40歳のころからかな、変化が見られるようになりまして、城東町の稽古場を開くころには、プログラムの神崎先生のお話のような具合となっていたみたいです。
いずれにせよ踏み出した道です。志を高く精進してほしいです。私はもう隠居覚悟でおりますんで、三代目吉駒の一人旅、ぜひ応援してやってください。
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