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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説:李大統領に馬鹿にされた野田政権

2012年08月12日 | 5大紙社説

10日、李明博韓国大統領は竹島に上陸した。 5大紙は、11~12日の社説で「無分別(朝日)」、「暴挙(産経・読売)」、「愚(日経)」、「理解に苦しむ(毎日)」と、李大統領を非難する論評を掲げ、李大統領の愚行の動機は内政の手詰まり打開との一致した見方を伝えた。 韓国内の反応は概ね拍手喝采のようであり、ロンドン五輪ではサッカー選手が銅メダルを賭けた日韓戦後に「独島は我が国の領土」とのプラカードを掲げて問題になっている。

韓流ドラマを観ると面接で「どこを手術した?」「うちに入社しようとするなら目の手術だけでは合格できない」というようなシーンがあるほど、韓国は整形大国であり、「韓国人は民族の顔を捨てた」と言う者もいる。 更に李大統領や前述のサッカー選手などは「民族の誇りを捨てた」と言わざるを得ない。 韓国の民族の誇りとは「侵略はされたが、侵略したことがない誇り高き国」ではなかったか?

李大統領を急激に狂わせた日本側の要因は、外国人に参政権を与えるというような甘いことを含みに政権交代選挙に臨んだことと、歴代民主党政権の弱体と外交無知である。 北方領土のロシア、尖閣諸島を巡る中国の動きも、それが原因だ。

民主党政権は2年前、当時ロシア大統領だったメドベージェフ氏の国後島上陸を防げなかった。 更に野田佳彦首相は同氏の2回目となる7月の上陸も見逃した。 李大統領が日本政府を馬鹿にするのは当たり前の話だ。 政局は衆院の解散時期で揉めているが、一刻も早く総選挙に臨み、民主党政権を終わらせるべきだ。

尚、事実上「召還」した武藤正敏駐韓大使の非力も原因であるから、幸いにして韓国に大使を送れるようになった場合の人選を考慮すべきである。 そもそも、武藤大使は丹羽宇一郎在中国大使よりも早く交代させる案もあったではないか。 

以下、11~12日付5大紙社説の抄録である。

■朝日(11日付):竹島への訪問―大統領の分別なき行い

内政が手づまりの時、為政者が国民の目を外にそらそうとすることは歴史に何度も見られた。 ナショナリズムをかきたてる領土問題は、格好の材料だ。 だが、そうした紛争のもとを絶つことこそ、指導者の最大の責務である。李大統領は、あるべき姿から正反対に動いたと言わざるをえない。

近隣諸国との懸案を一向に解決できない日本政治の弱さも、放っておけない。 どの政党も、これを政局の材料にすることなく、冷静にこの問題にあたるべきである。

■産経(11日付):李大統領竹島入り 暴挙許さぬ対抗措置とれ

日本の領土主権をあからさまに踏みにじる外国元首の行動に対して、より強い対抗措置をとる必要がある。 国内の政局に揺れる野田政権が、領土主権で断固たる姿勢を示さなければ、韓国による竹島の不法支配はますます強化されることになる。

任期があと半年の李大統領は、実兄の前国会議員や側近が金銭スキャンダルで逮捕されるなどで政権の求心力を失っている。 日本による統治からの解放を祝う15日の「光復節」を前に、人気回復を狙って日韓の友好関係を犠牲にしたのなら恥ずべき行為だ。

野田政権には李大統領の暴挙を国際社会に訴え、日本への支持を取り付ける毅然(きぜん)とした措置を求めたい。同時に韓国側が日本の反発は大したものではないだろうと判断した可能性も考えるべきだ。

李大統領の行動は、日韓関係を破綻させ、日米韓の結束の基礎を崩すものだ。それを喜ぶのは核実験やミサイル発射をちらつかせている北朝鮮の3代目独裁者であることを忘れてはならない。

■日経(12日付):韓国大統領の竹島訪問の愚

李大統領の竹島訪問は、たとえ政権の求心力回復をねらう切り札だったとしても、日韓関係にとって得るものは何もない。 互いの国民感情を著しく損ね、将来の関係修復を一層難しくしただけだ。 日韓関係への外交的な配慮があまりになさ過ぎたのではないか。

李大統領はかねて、実利優先の立場から日韓の未来志向の関係づくりを唱えてきた。 歴史問題には深入りしない姿勢をとってきただけに、極めて残念だ。

日本の政権が弱体化し、韓国に限らずロシアや中国など周辺国から足元を見透かされていることも見過ごせない。 領土問題は国益に直結する懸案だ。超党派で真剣に議論していくべきだろう。

■毎日(12日付):竹島問題 深いトゲをどう抜く

なぜ今、大統領が先頭に立って日韓関係に無用な波風を立てるのか。理解に苦しむ。 国家元首である歴代大統領は、これまで竹島上陸を避けてきた。 深刻な外交摩擦を生じさせないため、一定の配慮が働いていたともいえる。 それだけに、今回の上陸は竹島をめぐる日韓の対立構図を一変させる、新たな挑発的行為と受け取られても仕方がない。

日本政府が、武藤正敏駐韓大使の一時帰国などの対抗措置をとったのは当然だ。 日韓関係は当分、冷却期間が続くことになろう。

領土問題は国民感情を刺激する。それを注意深く制御することが、政治指導者の重い責任だ。大統領の竹島上陸は、その責任を放棄する行動ではないのか。 日米韓の安全保障協調にも悪影響が出れば、中国や北朝鮮を利する結果になる。

今回の事態を招いたことは、日本外交の反省点にすべきだ。 韓国に日本の立場や譲れない一線を理解してもらい、竹島問題での対立が日韓関係全体を悪化させないよう、十分に取り組んできたとは言いがたい。

■読売(12日付):大統領竹島入り 日韓関係を悪化させる暴挙だ

係争中の領土を一方の国家元首が踏めば、相手国を度外視した暴挙と言える。 日韓関係も、これまで築いてきた信頼は損なわれ、冷却化は避けられない。

韓国が「独島」と呼ぶ竹島は、韓国人にとっては独立・愛国の象徴的な存在だ。 だが、歴代大統領は、反日的な発言が目立った盧武鉉前大統領ですら、訪問は控えてきた。 日本との関係悪化を避けるための配慮があったからだ。 その一線を李大統領は越えた。

今回の事態を招いた遠因は、日本側にもある。民主党政権の対ロシア外交にみられる北方領土問題への対応の甘さだ。


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