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黛信彦の時事ブログ

二人の天皇 二人の首相

2009年12月18日 | 政治・政局
天皇陛下と中国の習近平国家副主席との特例会見問題は、『民主党の小沢一郎幹事長が、実は鳩山由紀夫首相に直接、罵声を浴びせながら会見実現を要求していたことが16日、分かった』という。

まさに、小沢氏は首相気取り、天皇気取りだ。
一ケ月前ルールは別として民主党は『国事行為だ』と主張するが『公的行事だ』とする政治利用反対派の異論の声は高く、世論調査による鳩山政権支持率急降下の主たる要因になっている。

ところで、今回の民主党の政治利用は「小沢大訪中団が胡錦涛主席と握手をする条件だった」という見方がもっぱらだが、その、次期国家主席となる大切なお客様(習副主席)が、実は「胡派と江派の権力争いで失脚寸前だったが、天皇陛下との会見実現で息を吹き返した」との衝撃情報を、米情報当局者の話として18日発行の夕刊フジが伝えている。(末尾に全文転載)

いずれにしても、日本国内での政治利用問題の喧騒とは別に、中国は銭其シン・元副首相が回顧録「外交十記」に、『92年の天皇訪中は、天安門事件以来の「西側の対中制裁を打破するのに積極的な役割を果たした」と書いたように、2回目の天皇陛下政治利用を果たした。

■以下、18日発行夕刊フジ『中国・習副主席は失脚寸前だった(ジャーナリスト加藤昭)』
~・~・~ 天皇陛下との特例会見が政治、社会問題となった中国の習近平国家副主席が「次期主席レースから失脚寸前だった」という衝撃情報が飛び込んできた。胡錦涛国家主席派と江沢民前国家主席派の暗闘が引き起こした、陛下の政治利用。大宅賞ジャーナリスト、加藤昭氏が北京在住の米情報当局者を直撃した。

 これまで、習氏の訪日目的は「次期主席候補として外交経験を積み、日本の各界に世代を超えたパイプを築く」(中国外交部)とされ、国際舞台へのお披露目と受け取られてきた。だが、米情報当局者は全く違った分析をする。

 「いま、中国・中南海では『ポスト胡錦涛』をめぐる熾烈な権力闘争が展開されている。これまで習氏は最有力候補とされてきたが、ここに来て、立場が危うくなっている。今年9月の第17期中央委員会第4回総会で、当然選任されると思われていた党中央軍事委員会副主席のポストに就けなかった。習氏にとってショッキングな出来事だった。背後には、胡錦涛派と江沢民派との激しい主導権争いがある」

 両派の反目は有名だが、習氏はどんな立場なのか。

 「福建省出身の習氏はバリバリの江沢民派。江氏の影響力によって、前職の上海市党書記から政治局員を飛び越し、一気に『二階級特進』を果たし、政治局常務委員に抜擢された。一方、胡氏の意中の人物は直系である中国共産主義青年団(共青団)出身の李克強副首相。李氏は同じ常務委員だが、党序列は習氏より1つ格下の第7位。このため、胡氏は土壇場で、習氏の党中央軍事委員会副主席への就任を阻止したようだ。習氏を除き、常務委員会はすべて胡錦涛派で固められた。われわれは、習氏の失脚もあり得るとみている」

 中国の権力闘争の凄まじさは聞きしに勝る。習氏はこの『危機』をどう切り抜けるつもりか。

 「習氏は生き残りのため、江沢民派の総力を挙げて反転攻勢を仕掛けた。その1つが、各国元首との会談で箔(はく)をつけることであり、最初に選ばれたのが日本の天皇陛下なのだ」

 この話が事実ならば、中国側は最初から「天皇陛下の政治利用」をもくろんでいたことになる。

 習氏ら江沢民派は、政府や党、工作機関に散らばる自派の人間を総動員して、外交ルートだけでなく、民主党の小沢一郎幹事長や、自民党の中曽根康弘元首相などにも接触し、「1カ月ルール」でいったんは拒否された天皇陛下との会見をゴリ押ししたとされる。

 「12月上旬には、小沢氏率いる約600人の大訪中団が予定されていた。その直前のタイミングならば『必ず押し切れる』と読んでいただろう。恫喝まがいの圧力もあったと聞いている。それだけ、習氏らは追い詰められていたのだ」

 中国の権力闘争に振り回された日本の皇室と政界。

 果たして、鳩山政権は、こうした中国側の内部情報を正確につかんだうえで対応したのか。でなければ、日本の国体はさらに危機にさらされることになる。~・~・~

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1 コメント

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ナカソネ (Unknown)
2009-12-19 18:56:54
中曽根氏に1カ月ルール説明=官邸が外務省に指示-天皇会見問題
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009121600939


こういう話もありました。
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