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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(100) 皆さん、アジアに来てください(ジム・ロジャーズ)

2010年08月06日 | 浜矩子語録
7月31日、NHK-BSのプロジェクトWISDOM「暴走するマネー」では、第一部で≪世界を揺るがすギリシャ危機≫が語られ、妖艶なエコノミスト浜矩子が、中継出演した世界各国の論客をリードした。
また第二部では≪危機に立つ国家の信用≫が、投資家ジム・ロジャーズを中心に議論された。
本欄は浜矩子語録であるが、招待者語録として二回目となるJim Rogers語録を収めた。
番組は野村正育アナウンサーがぼくとつに司会進行し、滝川クリステルがあの斜め45度でアシスタントを務めた。通訳は佐藤雅子だった。

以下は、そのジム・ロジャーズ語録である。
●危機に立つ “国家の信用”
Q~・~ 米国の破綻、金融が原因か、国が問題か?(野村正育)
A~・~ 先生(ジェームス・ガルブレイス:テキサス大学教授)は、ファニー・メイやフレディ・マックのような、準政府系機関の事をよくご存じないのではないでしょうか。
これらの機関が膨大な詐欺的論を提供したのです。赤字を生み出した原因です。更にウォール街や銀行の赤字に加担しました。
アメリカでは年金基金や地方自治体が異常な支出を行ったのです。こうしてアメリカは世界最大の債務国になったのです。
こうした赤字が様々な問題を引き起こしているのです。

●財政赤字 “緊縮”か“出動”か?
A~・~ 財政は、削減か?出動か?(野村正育)
Q~・~ まず、私は財政の削減に賛成です。借金による財政出動が上手くいっていないことは明らかです。
ワシントンは財政出動に積極的で、国民はお金を受け取ったと思っていますが、それは、国の借金か税金かインフレを招き、事態は悪化するばかりで、問題を先送りしているだけで不況は続きます。
国の財政赤字は泥沼に陥るばかりです。
より多く借金して、より多く消費することで問題を解決しようとしているからです。

●どうする 日本の財政赤字
A~・~ 日本の財政赤字はGDPの190%を超えています(滝川クリステル)
Q~・~ 日本に出来ることは、歳出を削減して財政赤字を減らすことです。
国の財政赤字がGDP比で80~90%になると、余りにも負担が大きすぎて経済成長ができないと言われています。
いくらお金を稼いでも、借金が増えて行けば経済は成長しません。
日本は、(財政赤字を)劇的に減らさなければならなかったのに、過去20年、それが出来なかったのです。

日本と逆な事をした国、90年代の北欧、韓国、ロシア、メキシコは緊縮政策をとり、一旦人々は破綻しましたが政府による救済はなかったのです。
しかし、2~3年の厳しい時期を経て、これらの国々は再び成長を始め、10年以上の好景気を保ちました。
これが日本の解決策です。

●暴走するマネー 金融規制は?
Q~・~ 金融規制は必要か?(野村正育)
A~・~ アメリカにもヨーロッパにも規制はあります。ですが、
今回の危機を引き起こしたのは規制されている業種、銀行や住宅ローン会社や保険会社だったのです。そこで問題が起き、破綻したのです。
問題は、アメリカやイギリスの規制されていない業種で起きたのではないのです。
だから、規制を強化しても事態が好転するわけではありません。悪化するだけです。

規制する当局も無能です(無能でした)。
FRBはグリーンスパン(アラン・グリーンスパン::第13代、米国中央銀行議長)の下、マーケットの機能を壊してしまいました。
グリーンスパンの友人が困っていると、彼はお金をばら撒いたのです。
問題はマーケットではなく、規制する当局にあるのです。破綻すべき者でも、グリーンスパンに電話すると助けてもらえたのです。
規制を強めれば強めるほど、アメリカからマーケットの機能が失われてゆくのです。

●マネー資本主義の行方
A~・~ ジムロジャーズさんは、どうお考えか?(滝川クリステル)
Q~・~ アメリカやヨーロッパで資本主義は衰退しています。
21世紀はアジアの世紀です。
世界の債権は中国、韓国、日本、台湾、シンガポールに集まっています。
資産はアジアにあるのです。
最大の債務国はどこかご存知ですね、アメリカです。
皆さん、アジアに来てください。(了)

浜矩子語録目次Ⅲ

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