橋下徹大阪市長の従軍慰安婦問題発言、米軍普天間基地司令官に「風俗営業活用」を進言したことなどが国際的物議を醸している。 また、外国為替レートで円安が進み、対ドルで50円から離れていく、長期金利が急上昇している。
こうなるとTBS・時事放談は、同志社大学大学院教授・浜矩子(浜)を呼んで意見を求めざるを得ないが、19日放送がそれだった。 共演ゲスト:元総務大臣・増田寛也(増)、司会:御厨貴(御)、アシスタントアナ:岡村仁美(岡)で、以下は、その浜矩子中心語録のである。
安倍晋三首相の祖父岸信介は、総理大臣を退任して以降「昭和の妖怪」と言われれるほど大きな影響力を発揮したが、浜矩子はそれを念頭に置いたように、予算成立後の国会論戦では民主党に期待し、「しっかりせよ、目を覚ますべし!」そして、目を覚まして何をするのかと言えば『打倒・妖怪アベノミクス』と持論を語った。
(御)一等1億円の当選確率が最高だとされるドリームジャンボ宝くじの発売が始まったが、浜さんはお買いになりますか?
(浜)私は、買ったことがないです。 やはりどうも、そういうことに手を染めると、エコノミストたる者の目が狂うのではないかと!?
(岡)今朝は、食材の宝庫と言われる三陸の魚介類をふんだんに使った岩手県の特産品、『三陸海宝漬(岩手中村屋)』をご用意いたしました、どうぞお召し上がりください。 こちらは、イクラやメカブ、シシャモの卵を特製だれに漬け込み、ウニをトッピングした三陸の珍味です。 そして三陸地方ではマスやタラが今年は豊漁で、津波の被害が心配されたウニ漁も順調だということです。 お酒好きの浜さん、このお味は?
(浜)喜びのあまり、むせてしまって大変でございますが、これ(お茶)が茶碗酒でないところが残念でございます。
(御)じぇ、じぇじぇ~
●慰安婦・風俗
(御)浜さん、「慰安婦は必要だった」発言をどうお考えになりますか?
(浜)唖然とすることが多々ある昨今でございますが、これは唖然を通り越して顎が外れる感じです。 不見識というのはその通りですが、(橋下氏は)いろいろなこと発言されていて、「当時はどこ(の国)でもやっていた」というのも発言の中に入っております。 これがまた驚くべきことで、皆がやっていたから良いのか?、皆でやれば悪いことも悪くないのか?、その辺の認識のレベルの低さ、浅薄さは筆舌に尽くし難いというほかはない。
(御)「どこでもやっていた」は問題提起とも言っていますが?
(浜)こういう問題提起をする人がいるから日本が名指し的な批判をされるのだと思います。 この問題は色んなところで出てまいりますけれども、「心から悔いている」とか「本当にこんなことを過去にしでかしてしまった」という痛烈なる、痛みというか胸の疼きのようなものが、日本の政治家たちから滲み出てこないから日本に非難が集中するのだと思います。 まさに、こういう人たちがいるということが、日本が集中攻撃を浴びることの要因だと思います。
(御)慰安婦問題は「強制連行したとみられていることが、日本が批判を受けている理由だ」と橋下さんは言っているわけですが、外国の批判はそこにあるのですか?
(浜)そうでなありません。感覚・心情として「こういうことがおぞましい」と思えないという姿勢、人間性の低さ、何かが欠落している、そこに問題があるのであって、「強制連行してなければいいのか?」という問題になってしまうわけで、そんなことではなくて、「仮に色んな国が同じようなことをやっていたとしても、自分たちは決してそういうことはやらない」という心情があって然るべきところ、心構え、知性の低さ、人間としての尊厳がどこにあるのかということに対する認識の欠落が問題で、その問題が滲み出てくることが(海外の批判を)おびき寄せてしまっているのです。
●米兵に対する風俗活用発言
(御)この発言、どう思われますか?
(浜)品性の下劣さを露呈しているとしか言いようがないです。 言われた方(米軍普天間基地司令官)がびっくりされたのは当然だと思います。 本当にそういうことを考える(橋下市長の)ような人が地球上にいるとすれば、それこそ私は銀河系の外に引っ越さなくてはなりません。 驚くべきことで、教育を最初から施し直されないとだめですね。
●韓・中・米が怒っている ~・~ 略 ~・~
●与党内の歴史認識問題 ~・~ 略 ~・~
●GDP↑急円安!急株高!
(御)急な円安の進行、浜さんはどう捉えていますか?
(浜)円安の進行に関して言えば、生活圧迫という面があります。 企業も輸入コストが上がるという問題があって、それを何とか相殺してコストを抑え込もうとすれば、企業は実は賃金を抑えなければいけないことになるかも知れない、という落とし穴が円安政策にはある。 それはそれとして102円台突入というような見出しもありますが、これはすでにして円安が危険水域に入ってきたのではないかと思います。 どんどん「囃して円安」というよりは、円がいつ紙くずになるかわからないから円からは逃げておこうという、円からの逃避の動きも出ていると思います。 経済の力学から言えば何の根拠もない歯止めなき円安の中で、為替市場が大混迷に陥っている、というその兆しが早くも見えているのではないか。 チーム安倍としてはこれを「どうだ!」というように言っている風情がありますが、彼らに物事がわかっていればこの辺で心配をするべきところだと思います。
(御)浜さんに怒られることを覚悟で言いますが、株価が上がるとか業績見通しがよくなることはそれ自体、なんとなく良いことではないか?と
(浜)その、“なんとなく”が危険なのです。 “なんとなく”に踊らされることを我々は回避しなければいけないわけで、けれどもここまで形振りかまわず円を下げる・株を上げるという事をやっていれば、それに煽られてしまうのです。 今まで我慢していたのですからある意味当然ですが、願望・昂揚感に餓えている人々の弱みに付け込んでバブルを作っていく行為は犯罪的です。 御厨さんまでが「これは良いじゃないか!」とおっしゃるようなところまで来てしまう、これは著しく由々しく危険な状態になっているわけで、もっと厳しくさらに厳しくやっつけていかなければいけないなと意を新たにした次第です。
(御)恩恵を受ける人と受けられない人、ある種、二分論的な区分けができてしまっています。
(浜)恩恵を受けているのはごく一部の人たちで、そういう人々は風に乗って高額商品を買ったりするから、消費が伸びる!“と言われる構図になるわけで、バブルを限りなく浸透させることによって地に足の着いた一般の人々のデフレ的な痛みを覆い尽くすというか、隠蔽しまくり切る方向にも思えますね。 惑わされてはいけません。
●長期金利が上昇
(御)金利が上がることで住宅ローンが借りにくくなる? また、国債を売って他の金融商品を買う動きがあるが?
(浜)そら見たことか?って感じです。 チーム阿部がバブルを煽り、株などリスク資産に向かってカネを誘導しているわけで、当然国債からの買い替えは当たり前の経済の動きです。 それを抑え込むことができると思っていたところ、彼らの驚くべき経済力学無知が表れていると思います。 こうなれば「国の借金が増えて大変だ!」ということで、どんどんどんどん日銀は政府のための金貸し業に徹して、国債を必死で買い捲らなければならなくなるわけで、チーム阿部の下における日銀はもはや中央銀行ではなくなっていて、ひたすら御用銀行と化しています。 こうなると、経済運営は滅茶苦茶になりますし、国の借金を何とかするためだけに金融政策が行われることになり、我々の生活は滅茶苦茶ですよ。 ですから、人々の生活や経済のまともな回り方を犠牲にして相場を買い支えているような、猛烈なる本末転倒政策に陥りかけている、これが長期金利の急上昇に表れています。
(御)金利上昇による国の借金の利払いはどうなるのでしょうか?
(浜)絶対に、どうしても長期金利は上げさせてはいけないというチーム阿部の至上命題の下で日銀は動いていますが、それでも上がっていくということになれば世界中の誰の目からも「日本は破たん状態に陥る!」と見えてくるわけです。 借金の利払いの膨らみも大問題ですが、だれも日本国債を持たなくなる、辛抱強い日本の投資家さえも日本国債から、そして日本円から逃げていく。 予想外に早く、その兆しが長期金利の上昇に見えてきています。
●今、これだけは声を大にして言っておきたい
(御)予算成立後の国会論戦に何を期待するか
(浜)国会論戦に期待することになれば、(野党第一党の)民主党に語りかけるしかない。 「しっかりせよ、目を覚ますべし!」とい言葉がありますけれども、目を覚まして何をするのかと言えば『打倒・妖怪アベノミクス』。 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」いうわけですけれども、いかなる枯れ尾花であるかということをとことん暴きつくす。 そのためにしっかり勉強して力強く妖怪退治に挑んでいただきたい。
うんざりしています。どうか先生のような素晴らしい
方が全国に放射能みたいな毒をまかないでほしい。
先生の話が正しいとしても謹んでもらいたい気持ちでいっぱいです。
この毒をまいて、飲んだ人がいます。
私は、食べました。
当分、いや、10年はこの壇上から退場してもらいたい。