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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(51) グローバルビレッジ(地球村)

2009年03月01日 | 浜矩子語録
●妖艶なエコノミスト・浜矩子は、朝日新聞朝刊「聞く」欄への連載を次のように締めくくった。
~・~・~
保護主義の懸念が広がっています。企業だって、トップが団結を呼びかけ歯を食いしばって経営再建にあたる。地球経済だって同じはずです。
グローバルビレッジ(地球村)のような発想がほしい。グローバル化の時代、仕組みだけ整えても運営はできない。
精神論ですが、心意気、魂、人間らしさが出てこないと輝きは増しません。
デュマの「三銃士」に「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という言葉があります。人間の一段の浄化が求められているのです。 ~・~・~

●2月18日、碧南商工会議所主催の新春経済講演会で、『危機に立つ世界経済 どうなる日本』の講演を終わった浜矩子は聴講者から次のような質問を受けた。
<<< 各国が、生きるか死ぬかというときに、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という共通認識は持てるのか(甘いんじゃないか)? >>>
会場には「そうだそうだ、そんなこと出来るわけない!!」という空気が流れた。

しかし、浜矩子は、明快に答えた。
~・~・~
保護主義というのが「自分さえ良ければ病」の最たる現れであると思います。
世界中で保護主義に走れば間違いなく雇用を維持することはできません。
自分の雇用を維持しようとして保護主義を行うわけですが、皆が保護主義を行なえば、確実に世界の雇用は崩壊いたします。
真剣に雇用を維持しようとすれば、保護主義は絶対にやってはいけません。
その辺を、G20なり、G7で確認してゆく必要があります。

要するに、自分のところ(会社、国)の雇用さえ守れれば!という発想を皆が持ったとたんに(合成の誤謬の落とし穴にはまり)世界中の雇用は崩壊する、という考え方を為政者達が見据えれば、保護主義に陥ることはない。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」を共通認識として持てるか?これはまさしく彼ら(為政者たち)に突きつけられたチャレンジであり、地域共同体、企業においても然りだと思います。

私がこういうことを申し上げますと外務省の人たちなどは「絶対そんなことできるわけがない、国々には国益というものがあって国際会議などは国益と国益のぶつかり合い、交渉の場であり仲良しグループではないのだから、そんなこと成り立つわけがないでしょう!!」と、必ず言われます。
ですけれども、そんなこと言っているうちに、皆で「一蓮托生で奈落の底」まで逝っていいのか?という話になるのです。
狭い範囲では「国益さえ守れればいい」という姑息なところを超えていくという知恵を21世紀の人類は持たないとグローバル時代が持っているプラスの側面を決して引き出してゆくことはできないのです。
認識の次元を21世紀に相応しい発想の体系に変えてゆく必要があります。
(申し上げていることは)20世紀的「国益を守るために交渉する」という発想からは出てこない世界(地球村)ですが、しかしながら我々は実際21世紀に住んでいるわけですから、新しい知恵の体系が必要であり、こういう考え方を早く為政者達が持つことが、決定的に必要なのです。

「然らずんば死か?」というところでありますから(為政者たちに)大きく変えて貰わなければなりません。

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1 コメント

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Unknown (斉藤大法)
2009-03-01 16:53:21
この通りだと思います。

グローバルな時代だからこその今回の不況の大津波なのである。
それは当然ながらこれまでのような国家を守るという発想に固執する限りは克服出来ない、ということを意味する。

既に経済システムは、グローバルの時代へと流れてしまっているのであるから遅ればせながら人類の精神もそれを支え間違いのないようにコントロール出来るだけのものに進化しなれければならない。

世界村というような発想なくしては、この時代の壁を乗り越えることは出来ない。そのためには、人類が精神的にアップする必要がある。

そのためには何をすべきなのか。
『温古知新』
古の叡智に学び修得し新しい時代へ開こう。

さすれば憂いは取り除かれ、むしろ真に喜ばしい時代を迎えることが出来るだろう。何とか共にこの苦境を乗り越え頷きあえる時を迎えたいものである。自分達のために子供達の未来のために・・・・・・。

それが為し得なければ残念ながら、最悪の報いを受けざるを得ないということになろう。

私どもは、このことの解決について
経済システムの変容と価値観の転換と結論づけた。

いずれにせよ、言うは易く行うは難し、である。

しかし、この困難事をワークすることは、恐らく今世紀最大級の人生の意義と言っても過言ではない、と思われる。




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