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黛信彦の時事ブログ

北方領土 東シナ海ガス田

2008年02月12日 | 政治・政局
  昨年12月1日、北方4島の返還を求める根室市民200人などのデモ行進が銀座~日比谷公園を練り歩いた。
こう伝えた翌日付産経記事によれば、日露のビザなし交流事業で煩雑に渡航している、北方4島に住むロシア人の意識が急激に変わってきているという。今までは北方4島をロシア領土と主張する強硬派は一握りのリーダーであったが、「問題解決を次世代に託す」「4島はナチスと組んだ日本からソ連が開放したものだ」という発言をする島民が、特に今回の交流で顕著になってきたというのだ。
  強い国家を目指すプーチン大統領の「第二次大戦の結果、4島のロシア主権が確定した」との意向が4島のロシア人住民にも浸透したようである。
  このように、北方4島は、ロシア人住民の意識変化で既得権化し、4島一括は勿論、2島先行返還も困難が予想されるようになった。
ここで、日本としての最重要問題は、領海領土に関する教育が充分でないという点だ。
  前述産経新聞の記事によれば、北方領土返還要求デモを見物している人にインタビューすると、「銀座を闊歩する女性達からは「詳しく知らない」「関心がない」との返事だった」いう。
このデモ、12月1日は、昭和20年に根室市長がマッカーサー元帥に4島返還を求めた記念の日と言うことだが、参加者の一人は「私達の目の黒いうちに」と語った。

  さて、対中問題である。東シナ海ガス田問題を放置すれば、北方4島と同様に中国の既得権に負けてしまう。
日中間懸案のガス田問題で、安部晋三前首相と中国・温家宝首相は昨年4月の会談において、昨秋までに解決を模索する合意をした。しかし、事務レベルで進展がないなか12月、高村正彦外相が訪中し楊潔篪外相と協議したが主張の隔たりは大きく、政治決断の必要性を共有したにとどまり、福田康夫首相の訪中時の首脳会談で決着(政治決断)を目指すことになった。しかし、ここでも協議対象にならず、結局は間もなく来日予定の胡錦涛国家主席と福田首相のトップ会談まで先送りされている。
  ここで日本が弱腰外交にとどまると、東シナ海の海底ガス田及び日中領海問題も、中間線を主張する日本が沖縄トラフを主張する中国の砲艦外交に屈することになり、中国の既得権化が進行し、沖縄本島から中国戦艦や漁船が望めるようになってしまう。 

  ついでに言えば、拉致問題も同様で、このままでは忘れ去られてしまう可能性がある。

  これら3点の解決には時間がかかるけれども、国民が忘れないために、きちんと教育することが政府の課題で、報道することがマスコミの義務である。

「北方領土問題」交渉のハードルは、断じて下げるな―田久保忠衛(杏林大学客員教授)(1)(PHP研究所) - goo ニュース

東シナ海ガス田が奪われる日-対等な日中関係は喧嘩なしでは築けない-中川昭一(衆議院議員・自民党)(1)(PHP研究所) - goo ニュース
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