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黛信彦の時事ブログ

郵政新社長内定者は『官僚の代名詞』

2009年10月23日 | 政治・政局
日本郵政の新社長内定者が官僚出身の齋藤次郎元大蔵(現財務)事務次官になったことを、22日付5大紙は「まさか」の驚きと憂慮をもって見ている。前日の社説では「西川氏の勧奨辞任はやむを得ない」とした毎日・読売も同様だ。

以下、22日付5大紙社説
■タイトル
▲朝日:郵政新社長―民から官へ、逆流ですか
▲産経:郵政新社長 「脱官僚」の看板は偽りか
▲日経:元次官に郵政託す「脱官僚」
▲毎日:郵政社長人事 「脱官僚」と矛盾しないか
▲読売:郵政次期社長 意外な大蔵次官OBの起用

■驚き
▲朝日:西川氏の後任は官僚の代名詞のような事務次官OBの斎藤氏だというのだから驚く。政治主導で決めたこととはいえ、「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」とした鳩山政権の政権公約の理念に背くのではないか。
▲産経:大蔵次官といえば官僚中の官僚だ。斎藤氏の起用は政権公約で「脱官僚」「天下り根絶」を掲げる鳩山政権の方針と明らかに矛盾する。
自民党の大島理森幹事長が「どういう一貫性があるのか」と批判するのも当然だ。
 平野博文官房長官も記者会見でこの矛盾を突かれ、明確に答えられなかった。政権を取ったら「脱官僚の解釈も変わった」では国民は納得できない。二重基準だといわれても仕方あるまい。
▲日経:人事は適材適所であり、元官僚を除外する必要はない。とはいえ、この人事は官僚出身者の天下りを排除する民主党の従来の方針や行動と矛盾する。鳩山首相は「斎藤氏は退官から14年もたっている」と話したが、その説明では納得できない。
▲毎日:いったい、この人事はどう受け止めればいいのだろう。驚きとともに、鳩山政権への不審の念がわく。
▲読売:民主党は野党時代、日銀総裁人事で財務省OBの起用に強く反対し、長期間にわたる総裁空席の事態まで招いた。それが今回、一転して大蔵OBの起用に踏み切ったことで、一貫性を欠くとの見方もある。

■憂慮
▲朝日:24万人の大所帯である日本郵政グループが、株式会社の形は維持されても、実態は官業へと後退するのではないか、と心配でならない。
▲産経:郵政グループのかじ取りが、民間出身者から官僚OBに移ることで改革に大きくブレーキがかかるのは間違いない。
▲日経:政権の意に沿わない民間出身の西川氏を任期途中で追い出し、大蔵次官経験者を三顧の礼で迎え入れる。そんな組織が民間会社なのか。郵政民営化を撤回し、官業に戻すなら、そうはっきり説明すべきだ。
▲毎日:(東京金融取引所)社長としての実績には、05年7月の外国為替証拠金取引(FX)の公設市場創設があるが、トラブル続発を受けた政府が規制を設ける一環として働きかけたのが実情で、斎藤氏の手腕とは言いにくい。本業の金利先物取引は低迷したままだ。この間、郵政問題について公の場で目立った発言はない。自民党に煙たがられた政治的センスや剛腕は10年以上前の話で、健在かどうかは不明である。
▲読売:ただ、従業員20万人を超す巨大企業を率いるだけに、手腕が問われるのはこれからだろう。
 斎藤氏は、21日の記者会見で、経営方針などについて、「正式に就任した後で話したい」と述べるにとどまった。

■小沢臭い
▲朝日:不思議なことに、民主党内に目立った反発は出ていない。斎藤氏は細川政権下で新生党代表幹事だった小沢一郎・民主党幹事長と組んで国民福祉税構想をかつぐなどした盟友である。今回の人事にそうした背景を感じる人もいるだろう。
▲産経:斎藤氏は平成5年の細川護煕(もりひろ)首相時代の事務次官で、民主党の小沢一郎幹事長とは親交が深い。同政権が打ち出して挫折した「国民福祉税」構想の立案者とされている。だが、民間企業の経営手腕については未知数だ。
▲日経:小沢氏との関係に配慮した面もあろう。だがこれでは、鳩山政権が売り物にする「脱官僚」路線との食い違いに対する疑問を晴らせない。
▲毎日:細川連立内閣時代、新生党代表幹事だった小沢一郎氏と連携した「国民福祉税構想」に失敗する
▲読売:民主党の小沢幹事長との親交の深さでも知られている。

■郵政社長は民間人であるべきか
▲朝日:政権交代した以上、公約に沿って郵政改革を抜本的に見直し、郵便局網の公共性重視に軸足を置いて軌道修正することは、うなずける。それでも、将来の国民負担を避けるための経営改革を断行し、同時に民間との公平な競争を確保するという民営化の基本原則は守られるべきだ。
そのためには、民間出身の優れた経営者の下で組織を活性化させることが必要条件ではあるまいか。
▲読売:適材適所であれば元官僚といえども、起用をためらう理由はない。民主党が人材活用の手法を転換したのなら歓迎である。

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1 コメント

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民主党の渡り人事 (道草)
2009-10-23 20:50:40
鳩山由紀夫がいかにごまかしの言い訳をしても、斎藤次郎は明らかに天下り・渡りである。
天下り・渡りを問題にしてきた民主党が自ら天下り・渡りをさせるわけであるから、鳩山由紀夫は責任を取るべきである。
民主党は異様な特異体質であり、亀井静香や千葉景子などのアキレス腱が多い。
鳩山・亀井・斉藤の社会主義国営の郵便局は決して使わず、代わりにコンビニ、ヤマト運輸、銀行及び証券会社等を利用しよう。
そして、官営郵政を衰退させて、預金が国債の購入に使われないようにしたい。

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