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黛信彦の時事ブログ

鳩山氏は詐欺の肉屋か。「牛頭馬肉」×「羊頭狗肉」○

2009年10月07日 | 5大紙社説
故人から献金を受けたと思ったら、実際に献金を受けた人の記載ガ漏れているなど、鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の帳簿はめちゃくちゃのようだ。
また、原口一博総務相が代表の政党支部の政治資金収支報告書で寄付の記載漏れが発覚し、藤原良信参院議員の資金管理団体が建設資材会社から事務所と光熱水費、人件費の無償提供を受けていることが分かるなど、民主党の「政治とカネ」を巡る発言と実態はかけ離れている。

中国春秋時代の名宰相となる安嬰(あんえい=安子)が加冠を前にして斉の霊公に「牛首を門にかけて馬肉を内に売る」と諫言したことが南宋時代の禅書『無門関』で「羊頭狗肉」と表現が変わったけれども意味は全く同じだ。
しかし、鳩山首相は「牛頭馬肉」はいけないが「羊頭狗肉」は構わないと、平然と言っているように感じる。
鳩山首相は詐欺の肉屋なのだろうか? 

■7日付産経新聞は第1面に、次の内容で鳩山由紀夫首相「政治とカネ」を巡る発言を書いた。
●平成14年3月14日付、夕刊フジのコラム。加藤紘一氏秘書の脱税容疑で
「言うまでもなく、秘書の罪は国会議員の罪である。特に金庫番秘書ならなおさらである。(中略)自分のためにも早く出処進退を明らかにされた方がよい」

●同年4月11日付、同コラム。小泉純一郎氏のファミリー企業の口利き疑惑で
「日ごろ、他人には疑惑が生じたら本人が進んで解明に努力すべき、といっているのだから、自分に降りかかった火の粉は自分で進んで払うべきである」

●同年5月2日付、同コラム。鈴木宗雄氏の秘書逮捕で
「自分は以前から鈴木議員に辞職を求めてきたが、(中略)議員の分身といわれている会計責任者の逮捕は、議員本人の責任であり、改めて強く求める」

●平成15年7月23日付、メールマガジン。土井たか子氏の秘書による秘書給与流用事件で
「私は、政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば『あれは秘書のやったこと』とうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。(中略)秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」

●平成21年9月16日、首相就任会見。自らの政治資金虚偽記載問題について
「国民に心配をおかけしたことをおわびしながら、私なりに修正、訂正した。もっと説明を尽くす努力をしていきたい」

●同年10月5日、記者団に自らの政治資金虚偽記載問題を問われて
「捜査当局が調べる段階で影響ある発言は避けねばならない。私が申し上げるより、当局が調べて事実を国民の皆さんに情報提供し明らかになるだろう」

■5大紙も、日経を除く4紙が7日までに社説で論評した。
●朝日新聞(社説10/6)鳩山献金疑惑―捜査を待たず自ら説明を
首相はきのう、記者団に「捜査に影響がある発言は避けなければならない」と語ったが、捜査を理由に口をつぐむのではなく、積極的に説明責任を果たすべきだ。一方、東京地検特捜部には、相手が首相であっても適正かつ公正な捜査を尽くし、国民の納得できる結論を出してもらいたい。

●産経新聞【主張10/4】首相虚偽献金 疑惑を晴らす責務がある
あまりにも杜撰(ずさん)な処理が目立つ。虚偽記載に関して「個人献金を多く見せるため」という当初の説明もその後揺らいでいる。次々と表面化する疑惑は、国民の政治不信を強めており、明確かつ納得できる説明が求められる。
原資は自己資産だからヤミ献金とは違う。首相の姿勢からは、そんな問題軽視の印象すら受ける。

■毎日新聞(社説10/7)「故人」献金問題 首相は逃げずに説明を
自民党は今月下旬に召集予定の臨時国会で、この問題を追及する構えだ。一方、政権側は、臨時国会は審議する法案を減らし、極力短期間で終えたい意向という。新年度予算編成を優先させるというのが理由だが、献金問題も避けたいからではないかとの見方も出ている。仮にそうだとしたら「国民目線」の看板が泣く。東京地検が適正な捜査を進めることは当然だが、首相も逃げずに対応すべきだ。

今回の政権交代で、多くの国民は政治とカネの問題についても「チェンジ」を期待したはずだ。こうした問題から国民の信頼が崩れていくということを自覚する必要がある。

■読売新聞(社説10/4)架空個人献金 首相は改めて説明すべきだ
・年間5万円以下の個人献金については、個人名を記載する必要がない。08年の団体のこうした匿名献金は2668万円にも上る。だが、報告書には匿名分の訂正はない。本当にそうなのか。
・偽装が発覚しやすい実名分に、故人の名前まで使って架空献金を計上していたのに、内訳が分からない匿名分に虚偽記載が一切ないのは不自然ではないか。
・04年以前の架空献金の有無も明確でない。また、首相は否定しているが、架空献金の原資がすべて首相本人の資金なのかどうか。
・首相の元秘書が、首相の資金を別人からの個人献金と偽って報告した動機もよく分からない。首相は「個人献金が少ないので、それが分かったら大変だと思ったのではないか」と説明したが、到底納得できるものではない。
・さらに重大な問題は、総務省が6月末、架空の個人献金者について交付した所得税控除の証明書を返還するよう指導したのに、首相の団体が応じていないことだ。証明書が使われていれば脱税だ。
・首相が役所の指導を無視するようでは、政府に対する信頼は維持できない。首相は早急に証明書を返還させるべきだ。

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