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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(94) 円の暴落は地球経済にマイナス

2010年02月26日 | 浜矩子語録
妖艶なエコノミスト・浜矩子が22日、ヒルトンホテル大阪の昼食講演会で“新たな夜明けか、更なる闇か?”を演題とした語録である。
主催は関西カナダビジネスアソシエーション(KCBA)、大阪商工会議所が共催し、香港上海銀行(HSBC)がスポンサーだった。
本編は、講演後の4人の質問者に対する浜矩子の最後の応答語録である。

唯一の日本人質問者である男性が次のように問うた。
「日本の財政についてお尋ねします。ネットの金融資産は1千兆円、対して負債は850兆円くらい。伸び代(のびしろ)のない中で、日銀は0・1%の低金利で3ヶ月の潤沢とした資金を提供するとのことですが、実際には金融面で借り手がない。
日本の金融財政政策は八方塞がりではないのか?この点について、浜先生のご見解をお伺いしたい」

浜矩子が明快に答えた。
~・~・~ 「全く同感でございます」と言えばそれがすべてだという感じがいたしますけれども、そう言う他はないと思います。
金融については、そもそも、こんなに長い間に亘って実質0金利を継続せざるを得なかったというところに問題があるのであって、金利が0に張り付いて動かない、これはもう、まともに機能している経済ではないとしか言いようがありません。
リーマンショックのような問題が起きれば、それに対する対応力がないのは明らかなのでございます。その一方で財政については、今のようなご趣旨の状況です。

財政が伸び代のないところまで来てしまうに当たっては、そしてその問題を分析するにあたって、しばしば言われることは「日本の財政問題は基本的に問題ではないのだ」、なぜ問題ではないかといえば、「日本の国債はあらかた日本人が持っているからである」と言われるわけでございますが、
こんなナンセンスな言い方はありません。これは要するに「身内は『借金返せ!』とは言わないだろう」というふうに踏んで、やりたい放題の借金三昧を日本国政府がやっているということでございますから、こんなことが許されるはずがないのであって、事実上破たん国家であるといわざるを得ない状況だと思います。
ですから、ここはきちんと立て直して行く、金利はまともに動かす。

そもそも日本の金利が0に張り付いてしまったが故に日本から世界にカネが出て行って、カネ余り状態を作り出し、そのカネ余りを背景にリーマンショックが起こったとも言えるので、ちゃんと金利が動き、まともなレベルにちゃんと動く金利、そしてまともな財政節度を取り戻さない限り、まさに「永遠の暗闇」ということになりましょう。

そんな状況がずっと続いて行けば、ドルが大暴落するのが先か?円が大暴落するのが先か?という競争になってしまいますが、今の状況からすれば円の暴落のほうが先に来てしまうかも知れません。
それは非常に問題であって、本来ならばもっとドル安という格好で調整が進まないと地球経済にとっては駄目だと思いますが、ご指摘のような八方塞がり状態が続いて行けば、実は世界から、円が見放される方が先に来てしまう。そのように考えています。 ~・~・~
以下次編

浜矩子語録目次Ⅲ

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