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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

まとめて変身譚

2008年01月22日 | 本のこと
さて、ここのところなぜか立て続けに読んでいる変身譚。

西代表はフランツ・カフカの「変身」。

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この本の装丁はちょっと怖いんですけどね。
話自体も朝起きたら巨大な虫になっていたという感じで
恐ろしいから合っているか。

つい昨日まで一家を支える大黒柱的存在だったのに
巨大な虫になってからは、家族から疎まれるばかりの主人公。
だんだん人間らしさがなくなっていくことを
本人が怖がっていないところは、人間として寂しいとも感じるけど
そのほうが楽だよねとも思う。

深刻な認知症についてあまり知識はないけど
「変身」の主人公ザムザの状況と彼に対する家族の対応は
認知症のお年寄りを抱えたおうちの問題のようだわ。

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東の変身譚代表は中島敦「山月記」。

進士にまでなってしまった超優秀な李徴(リ・チョウ)。
官を辞してからは詩人を目指したものの、芽が出ないまま
なぜか最後は虎になってしまうというお話。

「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」のせいで虎になってしまったと
反省しているにもかかわらず、虎になってもこの点は健在だった。

さんざん反省しているけどしきれていない李徴は
虎になってしまったけれど、実はとっても人間臭い虎でした。

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