ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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2021年衆院選を振り返る

2022-10-31 17:35:18 | 過去記事

衆院選2021

衆院選の開票が進んでいます。どうやら、下馬評ほど共闘野党の議席は伸びないようで……与党はある程度議席を減らすものの、過半数は維持、与党の議席が減った分は維新が躍進ということに......


過去記事です。
ちょうど一年前に行われた衆院選について書いています。

この選挙結果についてもいろいろ書きましたが……最近あきらかになっている宗教団体のことを考えれば、だいぶ見方も変わってきます。

自民党と旧統一教会のつながりというのは、ずっと前からいわれていたことではありますが、まさかここまでだったとは……という話が次々に出てきていて、どうやら、選挙の結果にもかなりの影響を及ぼしていたようなのです。
選挙に勝つのも、背後に宗教団体の組織票がかなりの力で作用していたということになると、もう政策がどうこうという話ではなくなってきます。選挙で適正に民意を反映させることの難しさを感じずにはいられません。
結局、組織票ではない票で分母を大きくして薄めていくしかないということになるわけですが……



『科学忍者隊ガッチャマン』

2022-10-29 21:12:52 | アニメ

今回は、アニメ記事です。

前回このカテゴリーでは、『デビルマン』について書きました。

そこで、デビルマンは今年で誕生50周年と書きましたが……
そのデビルマンと同様、今年で誕生50周年を迎える名作アニメがあります。

それは……
『科学忍者隊ガッチャマン』。

いわずとしれた、タツノコプロを代表するアニメ。
「誰だ、誰だ、誰だ~」の主題歌は、不朽のアニソンアンセムとなっています。

後のSFアニメや特撮もふくめたヒーローものなどに大きな影響を与えたといわれ、『ガッチャマン』自体も、現在にいたるまで数十年にわたって続編や実写映画、スピンオフ作品などが作られてきました。日本アニメ史に燦然と輝く名作といっていいでしょう。

タツノコプロのYoutubeチャンネルから、その第一話の動画を載せておきましょう。

【科学忍者隊ガッチャマン】 第1話 「ガッチャマン対タートル・キング」 ≈

1978年には、テレビ版を編集した劇場版が作られましたが、そこでは、東宝が誇る巨匠・岡本喜八監督が制作総指揮となっています。(ただし、名前を貸しただけで現場には一切タッチしていないともいいますが)

じつは私もテレビ放送エピソードは数話しか見たことがないんですが……この劇場版で、一応大まかなストーリーはつかめることになっています。

劇場版の音楽は、故すぎやまこういち氏が担当。
また、『ガッチャマン』のキャラクターデザインには、当時タツノコプロに在籍していた天野喜孝さんがタッチしていました。
いわばドラゴンクエストとファイナルファンタジーがコラボしているようなものであり、この点をとってもものすごいことなのです。

ストーリーとしては、正義のヒーローであるガッチャマンが悪の組織ギャラクターと戦うという非常にシンプルなものですが、なにしろ、この頃のアニメは熱い。絵柄もくどい感じですが、それに負けないぐらいに物語も濃厚です。
あまり見ないのでわからないんですが、最近の漫画やアニメは、ここまで“正義”に熱くなれるのか……そんなことも考えます。正面から正義を語り、熱くなれた時代……そんな時代のアニメともいえるんじゃないでしょうか。


ちなみに……

意外な雑学として、子供のころの忌野清志郎がよくタツノコプロに遊びに行っていたという話があります。
清志郎には画才もあって、子供のころに漫画を描いてタツノコプロに持って行って見てもらうことがあったんだそうです。こうして忌野清志郎もからんでくるということで、ますますレジェンドということになるのです。



椎名林檎の名曲を振り返る+α

2022-10-27 20:17:03 | 過去記事

椎名林檎 - 自由へ道連れ

  今回は、音楽記事です。 音楽カテゴリーでは前回東京事変について書きました。そこからのつながりで、今回は椎名林檎さんについて書きましょう。 取り上げ......


過去記事です。
椎名林檎さんについて書いてます。


椎名林檎さんといえば、最近ちょっと話題になりました。

リミックスアルバムの特典グッズが赤十字やヘルプマークに似ているということで、発売が延期されるという……

椎名林檎というアーティストには危うさも感じる……といったようなことを書きましたが、こういうのがまさに危うい部分なわけです。


ちなみに、今回の件では過去にMVでナースのコスプレなんかをしてたことも取り沙汰されました。その「本能」の映像を。

椎名林檎 - 本能


今回の一件で、ふと、東京事変の「群青日和」という曲を思い浮かべました。

東京事変 - 群青日和

  演技をしているんだ
  あなただってきっとそうさ
  当事者を回避している

歌詞の一節です。

  答は無いの?
  誰かの所為にしたい
  ちゃんと教育して叱ってくれ

今回の件でちょっとひっかかるのは、椎名林檎さん本人からのステイトメントがないというところ。
当事者を回避している、誰かの所為にしたい……そんなふうにもいわれかねません。
今回騒動になったグッズの件にどこまで椎名林檎さんが関与しているかはわかりませんが、なんらかの説明はするべきだったのではないかと私は思っています。

しかし、こういうニュースを起す存在こそがロックアーティストなんじゃないかとも私は思ってます。

今回の振り返りの元記事は、コロナ禍初期の自粛ムードが広がる中で東京事変がライブを決行して物議をかもしたことがきっかけでした。そこから、東京事変、椎名林檎、という一連の記事になっていったわけです。

その最初の記事では、コロナ禍で音楽業界関係者がプロアマ問わず苦境に陥っている状況や、結局のところライブハウスへのバッシングは日本社会が“不要”とみなしたものをスケープゴートに仕立てているだけなのではないか……といったことを書きました。
そんなふうに、物議をかもす行動の背後にあるものを考えることで、いろんなことが見えてくる。それが、ロックンロールというものかもしれない。そういう意味では、前にちょっと騒動になったということで振り返り記事を書いた川本真琴さんと通じる部分があるんじゃないかとも思います。

音楽スタイルも、たどってきた道もまったく違う二人ですが……リアルを見せてくれるという点では共通しているように見えるのです。

椎名林檎さんのキャリア初期に、「ギブス」という歌があります。

椎名林檎 - ギブス

この歌のなかに「カート」と「コートニー」という人名が出てきますが、これはいうまでもなくカート・コバーンとコートニー・ラブのこと。

いっぽうで、川本真琴さんは「カートコバーンと両想いになりたいガール」という歌を歌っています。

【LIVE】川本真琴 Makoto Kawamoto カートコバーンと両想いになりたいガール Kurt Cobain To RyouOmoi Ni Naritai Girl

まあ、カート・コバーンについて歌ってる人なんていくらでもいるでしょうが……しかしこの二人の場合は、単に伝説的なロックンローラーの名前を出してみた、というようなことではないと思うのです。


ついでに、椎名林檎さんが大物アーティストたちとコラボした楽曲の動画を。


トータス松本さんとのコラボ「目抜き通り」。
人生という仮の舞台で、死に先駆けて一瞬の今を生きる――そんな哲学かもしれません。

椎名林檎とトータス松本 - 目抜き通り

宇多田ヒカルさんとのコラボ「浪漫と算盤」。

椎名林檎と宇多田ヒカル - 浪漫と算盤 / Sheena Ringo & Hikaru Utada- The Sun&moon

エレカシ宮本浩次さんとのコラボ「獣ゆく細道」。

椎名林檎 - 「獣ゆく細道」 from (生)林檎博’18

こうした人たちとコラボしているところからも、椎名林檎というアーティストの立ち位置が見て取れるのです。




ウクライナ侵攻開始から8か月

2022-10-24 23:32:17 | 時事


ロシアによるウクライナ侵攻がはじまってから、8か月が経過しました。

状況は、ますます泥沼の様相を呈しています。

最近のロシアは、ウクライナ全土へのミサイル攻撃を行ない、それ以降も、ドローンなどで攻撃を続けているようです。もはや、なりふりかまわずというところでしょうか。
まあ、戦争の行きつくところはそんなものでしょう。
軍事施設だけを攻撃するとか民間人は対象にしないとかいっていても、戦況が悪化すれば、そんな建前はあっさりと放棄されるわけです。

これを受けて、ポーランドではロシアのテロ国家指定を求める集会が行われたそうです。
エストニアでは、実際にロシアをテロ指定国家とする決議がされたとか。
そんな具合で、ますますこの戦争、ロシアにとって得るものはなく失うものばかりが増えていくことになっています。
ダムを破壊するとか、「汚い爆弾」とかいろんな話が出てきていますが、そんなことをやっても、泥沼にますますはまりこんでいくだけです。
いったい、いつまでこれを続けるつもりなんでしょうか……




『デビルマン』

2022-10-22 20:46:20 | アニメ


今日10月22日は、「アニメの日」だそうです。

日本初の国産アニメ『白蛇伝』が公開された日……

ということで、ひさびさにアニメ記事を書こうと思います。

とりあげるのは『デビルマン』。
その第一話の動画を載せておきましょう。ただし、Youtubeに飛ばないと視聴できないようですが……

【公式】デビルマン 第1話「悪魔族復活」 <1970年代アニメ>

アニメ放映は1972年。

すなわち、今年で50周年となります。
そのアニバーサリーにあわせて、Youtubeの東映アニメーション公式チャンネルで全話期間限定配信ということをやっており、私はそれをほぼ全話観てみました。

原作のバッドエンドは有名ですが、果たしてアニメのほうはどうなのか……という興味もあって観ていたところ、アニメは原作とは違う終わり方になってました。
ネタバレということにもならないと思うので書いてしまいますが、敵ボスとの決着がつかないまま、これからも戦いは続く……みたいなラストです。
最終回は39話。3クール目の終わりということで、ひょっとすると打ち切りみたいな感じだったんでしょうか。
そのあたりの事情はわかりませんが……しかしアニメの最終回は、ある意味で原作に対するアンチテーゼのようでもあり、これはこれで深い印象を残すものでした。


『デビルマン』の原作はいうまでもなく永井豪先生ですが、この方は手塚治虫を強くリスペクとしておられます。

以前宝塚の手塚治虫記念館にいった記事を書きましたが、そこで上映されている映像資料に永井先生が手塚治虫について語っているものもありました。一緒に渡米したことがあるんだそうで……『デビルマン』のヒロイン牧村ミキの「牧村」という姓は『火の鳥』宇宙編に登場する牧村の名からとられたというような話をどこかで聞いたような気もします。
そんな手塚治虫へのリスペクトがあってこそ、『デビルマン』原作のあのバッドエンドがあるのかとも思えます。

アニメ版はそれとは違う終わり方になっているわけですが、これはそもそも、漫画連載とアニメ放映がほぼ同時にスタートし、それぞれが独立した別のストーリーとして展開していったためということがあります。
永井豪作品でいえば『ドロロンえん魔くん』や『キューティーハニー』なんかもそうですが、あの頃の漫画原作アニメは原作とまったく違う話をやっていることが多い印象も。『デビルマン』も、そんな時代に生み出された名作といえるのではないでしょうか。