ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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キンクス再結成へ……?

2019-06-28 21:10:41 | 日記
 
キンクス再結成へ

インターネットのニュースを見ていたら、すごいニュースに出くわしました。キンクスが再結成するというのです。この話題、以前このブログでも一度取り上げましたが……それが実現したわ......
 

去年の今頃、キンクス再結成というニュースがありました。

そういえば、そんな話があったなあ……と、ブログの一年前の記事通知で思い出しました。

しかし考えてみると、続報はありません。 ググってみると、本人たちも「やるとはいってない」みたいなことを言い出しているらしく……だいぶ雲行きは怪しいようです。

やはり、再結成は厳しいということでしょうか……


園田英樹『絶対無敵ライジンオー 五次元帝国の逆襲』

2019-06-25 17:37:54 | 小説
『絶対無敵ライジンオー 五次元帝国の逆襲』という小説を読みました。

前に一度紹介したアニメ『絶対無敵ライジンオー』をもとにした小説です。
著者は、アニメ版でストーリー構成と脚本を担当していた園田英樹さん。二年前にサンライズの公式ウェブサイトで連載されていたもので、それが今年文庫として出版されました。

内容は、あのアニメでやっていたライジンオーの続編――といっていいかどうか、ちょっと戸惑うところです。
そのあたりのことを詳しく書くとネタバレになってしまう可能性があるので、あまり書けませんが……はじめの部分をちょっとだけ紹介しましょう。

物語は、月城飛鳥を主人公とした一人称視点で語られています。

著者のあとがきによると、アニメで飛鳥の声を担当していた声優の岩坪理江さんが引退したことを惜しむ気持ちからそうなったということです。

さて――その飛鳥が高校生として同じ高校に通う白鳥マリアと屋上で会話を交わしているところから物語ははじまります。

最近「謎の影」が見えるという飛鳥――マリアと話している最中に、その謎の影があらわれ、そのなかに吸い込まれてしまいます。
そうして目を覚ますと、自分の周りに小学生時代の仲間が。なんと、小学生の頃に戻ってしまっていたのです。
タイムリープなのか……と思いきや、そこから読み進めているうちに、読者の側に違和感が。
この小説の主人公である飛鳥は、ライジンオーのことも地球防衛組のことも知らず、5年3組の他の生徒のことはみんな覚えているにもかかわらず、日向仁のことだけは知らないのです。ということは、タイムリープではなく、パラレルワールドなのか……? この謎をめぐって、二つの世界が交錯しつつ物語は展開していきます。

ライジンオーの設定を踏まえたうえでのかなり大がかりな仕掛けで、中盤からは意外な方向に話が転がっていき、純粋にエンターテイメントとしての完成度が高いと思えました。

園田さんは、かつてアニメのライジンオーを見ていた人たちと、それをまったく知らない今の子ども両方にむけてこの作品を書いたとおっしゃっています。
しかし、私個人としては、やはりオリジナルのアニメシリーズを見ていたほうが楽しめるとは思います。ストーリー的にもそうですが、武内啓さんのイラストで高校生になった防衛組の面々が描かれた口絵がついていて、それだけでも感涙です。さらに『大勇者物語』まで出てきて、懐かしさはひとしおとなります。

作品のテーマも、当然といえば当然ですが、かつてのアニメと共通しているように思えます。

夢と現実のせめぎあいというか……アニメ版を見ていた人なら、あの最終話のリフレインを聞き取ることができるでしょう。
そしておそらく、あれから30年近くの時の流れの中で、自分はいったいどうだったろうか……ということに思いを馳せるんじゃないでしょうか。

夢を大切にしたい。でも、いつまでも夢をみている子供のままではいられない――ライジンオーを見て育った子供たちは、そんな葛藤の日々を過ごしてきたかもしれません。

私なりの回答は、どちらも必要ということです。

たしかに、大人になって現実を見なければならないときもある。だけど、子どもの気持ちをなくしちゃいけないところもある――そういうことです。
いつだか、RCサクセションの「空がまた暗くなる」について書いたことと通じるところがあるでしょう。
現実は直視しなければならないし対処しなければならないけれど、その現実に呑まれてはいけないということです。「これが現実なのさ」とわけしりがおでいうのではなく、どこかで夢想家であり続ける……そう、まさに忌野清志郎です。

と、またしてもキヨシローのほうに話が流れてしまいましたが……
ライジンオーに話を戻すと、今回の小説も、そういうメッセージだと思うんです。

忘れてしまっていた大切なことを思い出したとき、そして自分の理想を信じるとき、それまで見えなかったものが見えてきます。
理不尽な現実に押しつぶされそうになっても、理想を決してあきらめない姿――地球防衛組から、あらためてそんなことを教えられた気がするのです。

というわけで、子供のころにライジンオーをみていた皆さんはぜひこの小説を読みましょう。著者の園田さんがあとがきに書いてるんですが、この小説がきっかけになってライジンオーがリメイクされるなんてこともあるかもしれません。


余談ですが、この本についている著者のプロフィールで、園田英樹さんが佐賀県鳥栖市の出身ということを知りました。鳥栖市は、県こそ違えど、私の住んでいる小郡市の隣町……郷土の偉人でした。

沖縄慰霊の日を振り返る

2019-06-23 19:34:47 | 時事
 
沖縄、慰霊の日

今日は6月23日。沖縄戦終結の「慰霊の日」です。沖縄戦の終結からもう70年以上、沖縄返還から数えても40年以上が経ちますが……沖縄では、基地問題が今なお続いています。......
 

 

去年の沖縄慰霊の日に書いた記事です。

一年たっても、状況は変わらないどころかますますひどくなっている気がします。

辺野古の新基地にしても、軟弱地盤の問題があるにもかかわらずやめないという……本当に安全保障上の必要だというのなら、そんなリスクがあるところに基地を作るべきじゃないと思うんですが。


イランへ報復攻撃寸前…トランプ氏、直前に中止

2019-06-21 15:54:08 | 時事



これはきわめて危険ですね。

一度引き金をひいてしまったら、その先には底なしの泥沼と混沌が待っているでしょう。
冷静な判断をのぞむばかりです。



『サバイバル・オブ・ザ・デッド』

2019-06-18 17:52:40 | 映画
今回は、映画記事です。

このジャンルでは、ターミネーターや、X-MENといった、「いちど設定をリセットしたシリーズモノ」について書いてきました。その流れでロメロのゾンビの話が出てきたので、今回は、ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビシリーズの一作である、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』を紹介しましょう。



ゾンビといえばロメロ、ロメロといえばゾンビ。
「〇〇・オブ・ザ・デッド」というタイトルの映画は世にたくさんあります(本来は違うのに勝手にそういう邦題をつけられているものも少なくないようですが)が、やっぱり、ロメロ監督の手になるものこそ“純正品”というイメージがあります。

ゾンビ映画のセントラル・ドグマともいうべき『ナイト・オブ・リビングデッド』~『ランド・オブ・ザ・デッド』という流れがあったわけですが、『ランド・オブ・ザ・デッド』でこの世界軸はいったん終了。
それまでの流れをリセットして、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』で新たなゾンビ物語が幕を開けます。『サバイバル・オブ・ザ・デッド』はその続編にあたり、ロメロ監督の死去によって、結果としてゾンビシリーズの最終作となりました。

ストーリーは、ゾンビの現象の広がった世界で、軍を離れて野盗集団になった州兵たちが、安全を求めて大西洋の小島に渡るというもの。
その島で、対立する二つのグループとゾンビ軍団も交えた三つ巴の抗争が繰り広げられます。スプラッター描写もかなり発達し、臓物系のグロテスクな映像が満載です。また本作では、馬に乗るゾンビなども新たに登場しています。

しかし、ゾンビシリーズはただのホラー映画ではありません。

先日、ゾンビミステリーとして話題になった今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』を読んだんですが……そのなかでも語られているように、ゾンビには、何かしらのイメージが投影されています。
そのかたちはさまざまですが、ロメロの場合、ゾンビを描くことで、そこから人間があぶりだされるという構造をとっています。ゾンビは恐怖だけれど、では人間はどうなのか? ということですね。それは、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』にいたるまで、ずっとそうでした。
それは、今作でもそうかもしれません。
西部劇をモチーフにしたストーリーは、21世紀の世界をカリカチュアライズしたものともとれます。カウボーイ気取りの大統領がはじめた戦争で幕を開けた21世紀の……
そもそも、世の中にゾンビが蔓延している状況で、人間同士で抗争しているということ自体が馬鹿げているわけですが……その不毛な戦いの果てのラストシーンは、人間の愚かしさを浮かび上がらせています。
この『サバイバル・オブ・ザ・デッド』は、ロメロの遺作ともなったわけですが……ホラー映画史上に大きな足跡を残した巨匠の最後の作品にふさわいしといえるでしょう。