『地獄先生ぬ~べ~』が、今年の夏に再びアニメ化されるそうです。
『地獄先生ぬ~べ~』 本PV第1弾
もとは、原作・真倉翔、作画・岡野剛というコンビによる漫画。
よくも悪くもジャンプ黄金時代の雰囲気を強く残す作品で、後にスピンオフ作品や続編も制作され、今回のアニメリメイクに合わせてか、漫画のほうでも新作読み切りが発表されるとか。
私個人としても、感慨深いものがあります。
前に紹介した『ダイの大冒険』なんかもそうですが、自分が十代のころにリアルタイムで触れていた作品が、こうして数十年を経てリメイクされるというのは、それだけでもこみあげてくるものがあります。
そして、このぬ~べ~という作品は、私がもっと子供のころに呼んでいた名作漫画に対するリスペクトにあふれた作品でもあるのです。
登場人物の一人、まことの名が、楳図かずお先生の『まことちゃん』からとられているという話を前に書きましたが……ほかにも、漫画史に残る名作群へのオマージュが随所にちりばめられています。ドラえもんのエピソードをほぼそのまま持ってきたような話もありました。
ただ、今回のアニメリメイクに関しては、近年のいわゆるコンプライアンス的なところで厳しいと思われる部分も多々あります。
最近のリメイクアニメは大抵どれもそうですが……ぬ~べ~もなかなか強烈です。90年代に一度アニメ化されているわけですが、その当時でも、おそらく問題にされる描写は多々あったものと思われます。ましてこの令和の時代には……ということになってくるでしょう。また、ぬ~べ~の場合はいわゆるお色気的な描写とは別に、オカルト、スピリチュアルといった部分でも問題視される部分があるのではないかと想像され……果たして大丈夫なのだろうかとちょっと心配しています。
ただ、そこで少し考えるのは、果たしてこの十数年ぐらいで進んできたいわゆるコンプラというものの意味です。
“コンプラ”というのは、コンプライアンスという言葉の本来の意味からかなり拡大解釈、ないしは逸脱してきているように思われます。そうしてコンプラが強化されたことで、果たして社会はよりよくなったのか、失われてしまっているものもあるんじゃないか……『ぬ~べ~』の原作をたまに読み返したりすると、そんなことも考えさせられるのです。そのあたりの微妙なところを、今回のリメイクが果たしてどういうふうに扱うのか、そういったところも注目したいと思います。