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ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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ディラン生誕祭ファイナル

2025-05-24 21:33:50 | 日記

5月24日は、ディランの誕生日です。

というのを、ここ何年かやってきましたが……
先日のジュンスカの記事と同様、gooブログの終了により、それも今年で最後ということになりました。
このブログで迎える最後のディラン生誕祭。
ということで、ディラン特集をやろうと思います。ディラン本人ではなく、ほかのアーティストによるカバー動画で、まあ以前同じようなことをやってはいるんですが……しかし今年は、なにしろファイナルなので、錚々たるメンツがそろいました。


ディランといえば、最近の話題はなんといっても伝記映画『名もなき者』。
この映画で若き日のディランを演じたティモシー・シャラメは、当然ながらディランの歌をいくつも歌っています。そのなかから、「時代は変わる」。

A Complete Unknown | “The Times They Are A-Changin'” by Timothée Chalamet


Beckによる、Leopard-Skin Pill-Box Hat。
ボスニア紛争に苦しむ子供たちを支援するチャリティ・アルバムに収録された一曲です。

Leopard-Skin Pill-Box Hat

このアルバムでは、趣旨に賛同したレジェンドたちから指名を受けた若手ミュージシャンがその曲をカバーするというユニークなシステムがとられました。ここでベックを指名したというのは、ディランのセンスが光るところです。


比較的最近のアーティストとして、マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェームズがソロでカバーした If Not for You。

If Not For You

ジョージ・ハリスンやオリビア・ニュートン=ジョンのカバーでも有名な曲。


ディランとほぼ同時代のロックンローラーとして、ジョー・コッカー。
ウッドストックでの I Shall Be Releasedです。ディランの歌というより、ザ・バンドの曲として知られているかもしれませんが……

I Shall Be Released (Live At Woodstock 1969)


ボス、ブルース・スプリングスティーン。
最近トランプ大統領とのバトルでも注目されているスプリングスティーン。ごく最近のライブ音源がアルバムとしてリリースされていますが、そのなかにディランのカバー「自由の鐘」がありました。

Chimes of Freedom (Live in Manchester, May 14, 2025)

以前からちょくちょくライブでやっているようですが、今このタイミングでは、また違った響きがあります。裸の王様を撃つスタンスは、まさにロックンローラーの鑑。トランプ大統領とはとことんまでやりあってもらいたいところです。


シェールによる All I Really Want to Do。
いまの時代にこそ響くという意味では、この曲もそうかもしれません。

Cher - All I Really Wanna Do (The Cher Show, 04/27/1975)


「見張り塔からずっと」。
このブログではいくつかのカバーを紹介してきましたが、ここではPlaying for Changeのバージョンを。
世界中のミュージシャンが参加するプロジェクトで、この動画にはウォーレン・ヘインズや、ドアーズのジョン・デンズモアといった人たちの姿があります。日本からは、パーカッショニストのはたけやま裕さんが参加しました。

All Along The Watchtower (Bob Dylan) feat. Warren Haynes | Playing For Change

PFCは、日本のACのような啓発的意味合いをもつプロジェクトです。
先ほどのベックが登場したチャリティアルバムもそうですが、ボブ・ディランはそういうところでもよく取り上げられるアーティストなのです。


最後に、ストーンズ。
Like a Rolling Stone のカバーです。以前MVを紹介しましたが、今回はライブの動画を。

The Rolling Stones - Like A Rolling Stone (Bridges To Bremen)



ジュンスカの日2025

2025-05-21 20:35:26 | 日記

今日5月21日は「ジュンスカの日」です。

JUN SKY WALKER(S)の記念日……

ということで毎年ジュンスカに関する記事を書いてるんですが、gooブログが今秋でサービス終了するということなので、このブログで書く「ジュンスカの日」記事も、これで最後ということになります。
そういうわけで、今回はファイナルにふさわしく、JUN SKY WALKER(S)というバンドの足跡を動画とともにたどってみたいと思います。



インディーズ時代からの曲「すべて」。
ストリートの空気が漂う一曲です。

JUN SKY WALKER(S) -すべて


代表曲「START」。
この頃が、もっとも時代の流れにマッチして勢いがあったでしょうか。

JUN SKY WALKER(S) - START


寺岡呼人さんの思い出、PARADE。

JUN SKY WALKER(S) -PARADE


ソニー移籍後、1997年の解散前に出したシングル「愛しい人よ」。
この解散前を前半とするならば、前半期最後の曲ということになります。予兆はあったのか、別れを感じさせる歌です。

愛しい人よ

ソニー期は、ジュンスカの歴史の中では苦しい時期だったでしょう。
バンドブームの熱気は去り、音楽の傾向も大きく変化、呼人さんはバンドを去り……というなかで、進む方向を模索していた感があります。実際、この時期の曲はライブでやることもあまりないでしょう。そのなかで輝く一曲が「さらば愛しき危険たちよ」ですが、私はこの「愛しい人よ」も気に入ってました。
前半期最後の曲ですが、そこで歌われていることは後半期の活動につながるものだとも思います。



21世紀に入り、再結成した新生ジュンスカの一曲目といえる「青春」。

JUN SKY WALKER(S) -青春


散発的な活動から、本格的に再始動したアルバム『LOST&FOUND』。
そのタイトル曲です。

LOST & FOUND

2009年に忌野清志郎さんが亡くなりましたが、この知らせを受けてジュンスカのメンバーは急遽集まったといいます。自分たちもいつまで続けられるかはわからない、できるうちにできるかぎりのことをやろう……という話をしたそうです。LOST & FOUND は、まさにそういうスタンスを表現した曲といえるんじゃないでしょうか。


最新曲「レジスト」。
まさに今日、動画が公開されていました。

JUN SKY WALKER(S) 『レジスト』Official Music Video


今年のジュンスカは、初の海外公演としてオーストラリアでのライブという話もありました。
ギターの森純太さんが喘息からくる肺炎で参加を断念というトラブルもありましたが……まあ、歴の長いバンドでは、その手の話もままあることでしょう。


最新曲「レジスト」は、抗うということです。
ジュンスカの場合、デビュー当初こそ時代の流れが追い風になりましたが、それは数年のこと。90年代なかば以降からは、むしろ時代の流れに抗わなければならない状態だったでしょう。そしてジュンスカは、押し流されてしまうことなく、もう長いことそれをやってきたわけです。
gooブログの終了というのも一つの時代の終わりを示すものでしょうが、ジュンスカはまだリングにとどまり続けています。その姿勢に最大限の敬意を表したいと思います。


『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』

2025-05-13 22:09:02 | 映画

前回に引き続き、ゴジラ映画記事です。

今回取り上げるのは、順番にしたがって、ミレニアムシリーズの第3作にあたる、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』。


『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』 | 予告編 | ゴジラシリーズ 第25作目

本作は、外部監督を起用した作品の一つ。
平成ガメラで知られる金子修介監督がメガホンをとっています。

この金子監督という人は、東京学芸大学の出身で、私の先輩にあたる方です。
私が学芸大に入学したときに、入学式で講演を行ったという縁があります。その講演でゴジラ愛について語っておられ、いつかゴジラ映画を撮りたいとおっしゃっていましたが……数年後にそれを実現されたわけです。これによって、金子さんはゴジラとガメラの両方でメガホンをとった唯一の監督に。その金子監督のゴジラ愛もあってか、本作はミレニアムシリーズ最大のヒットとなりました。


ミレニアムシリーズの通例として、この作品も、シリーズの他作品とは独立した世界となっています。
前提とされているのは第一作のみであり、それ以後のゴジラ作品はすべてなかったことに。
ただし、ハリウッド版ゴジラはあったことになっているらしいですが、これに関して、作中であれはゴジラではないみたいことも語られています。アメリカではゴジラと言っているが、日本の学者は認めていないとか……このくだりは1998年のハリウッド版GODZILLAをディスっているようでもあります。エメリッヒのゴジラはミレニアムシリーズでたびたびネタにされているということを以前書きましたが、これもその一つでしょう。

で、この作品では、およそ半世紀ぶりにゴジラが日本を襲撃するということになります。

そのゴジラを迎え撃つ怪獣として、私が三大スターと呼ぶ怪獣のうち、モスラとキングギドラの2体が登場。もう一体バラゴンも出てきますが、タイトルにも出してもらえないのはマイナー怪獣の悲哀でしょうか……
ゴジラ、モスラ、キングギドラ(とバラゴンも)がそろうのは、実に『怪獣総進撃』以来のこと。まず、このキャスティングが好成績につながったのは確かでしょう。
これは、金子監督のゴジラ愛ゆえかと思うところですが……そういうことではないようです。
監督のゴジラ愛はむしろマニアックな方向に向かっていて、シリーズ中でもマイナーな怪獣を出したいと考えていたとか。しかし、東宝サイドが難色を示し、スター怪獣を出すということになったらしいです。まあ、結果からみれば、その狙いはあたったといえるでしょう。



ストーリーとしては、キングギドラが人類の味方という仰天の転回がポイントでしょう。
本作におけるキングギドラは、モスラやバラゴンとともに、大和の国を守る「護国聖獣」という存在になっています。
本作のゴジラはかなり凶悪で、キングギドラ、モスラ、バラゴン、さらに人類の兵器が束になって、ようやくなんとかするレベルなのです。

そのストーリーのみならず、外部監督作品として、この作品は非常に特色のある一作となりました。

まず、金子監督のカラーとして挙げられるのは、ほとんど残酷なまでの徹底したリアリズムでしょう。
エンタメの方向に流れない。
怪獣の襲撃によって人が死ぬということが、はっきりと描かれています。
歴代ゴジラ映画をみると、意外と、そういう描きづらいところを隠さずに堂々と描いた作品のほうが成功してると思うんですが、本作もその一つかもしれません。結果、ミレニアムシリーズにおいては異色といえる、骨太なゴジラとなりました。
系統としては、最新作の『ゴジラ -0.1』に近いでしょう。
あの作品と同じように、『大怪獣総攻撃』では、戦争の脅威を一つのモチーフにしています。
たとえば、防衛軍としてゴジラを迎え撃つ立花准将(宇崎竜童)がかつてのゴジラ襲撃を回想するシーンがありますが、このシーンは戦争を描いているようにみえます。戦争映画の空襲のシーンといっても通用するでしょう。あるいは、ゴジラ襲撃時に原爆を思わせるキノコ雲が出てくるというシーンもあります。そういえば、『-0.1』でも、ゴジラの火炎放射を原爆に重ね合わせるような描写がありました。そう考えると、『-0.1』のラストは、ひょっとしたら『大怪獣総攻撃』へのオマージュなのかもしれません。


金子監督のカラーといえば、音楽もそうでしょう。
本作では、ガメラの音楽を担当していた大谷幸さんを起用し、金子ワールドなゴジラに仕上げています。
ただし最後は、ゴジラのテーマから怪獣大戦争マーチ。ここはやはり、ゴジラシリーズへのリスペクトとしてはずせないところでしょう。この伊福部音楽を経て、この映画におけるテーマ曲にシフトしていきます。


最後に、キャストについて。
本作では、天本英世さんが出ています。また、ゴジラシリーズ常連として上田耕一さんも。
その他ゲスト的な感じでは、佐野史郎、松尾貴史、温水洋一、津川雅彦、近藤芳正、笹野高史、村田雄浩、角田信朗、篠原ともえ……といった各氏が登場。また、モスラ登場シーンでは、いくらか小美人の風情をたたえた前田愛・亜紀姉妹の姿も。これは、前田愛さんが金子監督のガメラで主演をつとめた関係でしょう。あと、ゴジラフリークでかつフジテレビとの関係ということでか、前作に続いて笠井信輔さんも登場。これらの方々は佐野さんをのぞけばほとんどワンカットしか出てきませんが、なかなか豪華です。

……ということで、『大怪獣総攻撃』は、スタートでちょっとつまづいた感もあるミレニアムシリーズに勢いをつけた作品といえるでしょう。そして次作では、ゴジラシリーズにおけるもう一体のスターであるメカゴジラが登場することになるのです。



『ゴジラ x メガギラス G消滅作戦』

2025-05-02 20:59:53 | 映画


今回は、ひさしぶりの映画記事です。

今更な話ですが、gooブログがサービスを終了するということになり、ブロガーのみなさんも、もう引っ越し作業を進めているという方が結構いらっしゃるようです。
私はどうするか今のところ決めていませんが……そういえば、このブログではゴジラシリーズの映画に関する記事というのをやっていたということを思い出しました。だいぶ書きましたが、まだ記事を書いていない作品がいくつか残っています。そのうち書けばいいやと思っていたわけですが、ブログのサ終という期限ができてしまったので、そうもいっていられなくなりました。一応やりかけのことではあるので、これからgooブログが終了するまでの間に、ゴジラ映画シリーズを完結させておきたいと思います。

というわけで……前置きが長くなりましたが、今回とりあげるのは、シリーズ通算24作目、いわゆるミレニアムシリーズの第二作にあたる『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』です。

『ゴジラ x メガギラス G消滅作戦』 | 予告編 | ゴジラシリーズ 第24作目

監督は、手塚昌明さん。
第二期ゴジラで助監督などをつとめ、ミレニアムシリーズではメインの監督となっています。ミレニアム・シリーズ6作中、3作は、この方の手になるものです。



ミレニアム・シリーズは、それまでの設定からかなり自由に制作されるという特徴があります。メカゴジラ(機龍)が登場する二作を除けば、前作との連続性はまったくありません。第二期シリーズが一つの連続したストーリーになっていたこととは対照的です。ミレニアムシリーズの一作目にあたる前作『ゴジラ2000』では、まだそのあたりが明確ではありませんでしたが、『ゴジラxメガギラス』ではその特徴がハイレベルに働きます。
まず、第一作より後の作品をなかったことにしたうえで、これまでのゴジラ映画で描かれていない襲撃が語られ、パラレルワールドのような独自の「ゴジラ史」を前提として話が展開するのです。
なかでも驚かされるのは、ゴジラの襲撃によって日本の首都が大阪に移転しているという設定。だいぶ攻めてきた感じがします。

攻めの姿勢は、メガギラスという新怪獣にも表れているでしょう。
新怪獣を出したVSモノというのは結構チャレンジなんですが、この作品は果敢にそこに挑みました。
ただ、メガギラスは、まったくの新怪獣ではありません。
かつて東宝が制作した映画『空の大怪獣ラドン』に登場したメガヌロンという生物がもとになっています。


攻めに出た姿勢自体は評価したいと思います。
しかし……それがうまくいったかというと、イエスということは難しいでしょう。

平成ゴジラ以降、新怪獣とのVSモノといえば、まず『ゴジラVSビオランテ』がありますが、あの作品と同様、やはり観客には今一つ響かなかったように思われます。
私個人としても、メガギラスという怪獣はいま一つぱっとしないですね。
思えば、対戦相手が昆虫怪獣である作品は、ことごとくこけている気がします(モスラはのぞく)。いくらでかくとも所詮は虫という弱々しさ、あるいは小物感のゆえでしょうか。
端的にいえば、存在感があまりない。
それも手伝ってか、ウルトラマンの一エピソードを観ているような気がしてきます。
いや、べつにウルトラマンが悪いわけではないんですが……
ウルトラマンのように、毎週やっている特撮ヒーローもので出てくるぶんにはこれでいいでしょうが、ゴジラ映画でゴジラとサシでやりあうには、迫力不足が否めません。

ウルトラマンということでいうと、これはミレニアムシリーズ全般にいえるんですが、どこかテレビの特撮ものを観ているような感覚があります。
メカや着ぐるみのデザイン、あるいは質感の問題なのか、設定とか演出の問題なのかよくわからないんですが……これに関しては、アマゾンのレビューを見ても、「ウルトラマンみたい」という意見が複数あり、私だけの感想ではないでしょう。

あともう一つ、この作品で説明しておくべきことがあるとすれば、サブタイトルになっているG消滅作戦でしょう。
これは、ディメンション・タイドという兵器を使ってゴジラを消滅させるという作戦です。小型のブラックホールを発生させて標的を消滅させるというなかなか無茶な兵器となっています。この兵器をテストしてみたら、時空のひずみが生じてそこから古代生物であるメガヌロンを呼び寄せてしまうということに……このメガヌロンが、先述したとおりメガギラスとなり、ゴジラと戦うわけです。

最終決戦の舞台はお台場。
なぜお台場なのか。
フジテレビがかんでるから……といってしまえばそれまでですが、せっかく首都大阪という設定にしたのに、お台場決戦ではそれが生かされないのではないかと。
この映画を見ていると、なにかそういう、徹しきれていない感じが終始つきまとってきます。ミレニアムシリーズの二作目ということで、まだ方向性を模索しているということなのか……その方向感のなさは、おそらく興行成績にもつながっているでしょう。この作品は、いまひとつの成績で終わり、これでやはり新怪獣は鬼門ということになったのか、これ以降の作品はスター怪獣路線となり、新しい怪獣は基本的に出てこなくなるのでした。