ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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2018年もあとわずか

2018-12-31 18:16:42 | 日記
2018年も、いよいよ終わりを迎えました。

振り返ってみると、やり残したことや、こうしておけばよかったなあ……と思うことが多い一年でした。
まあ、なかなか思うに任せないことも多いですが、来年はもう少しろんなことをやれたらいいと思います。

では、来年もまた、よろしくお願いします。

母校への挨拶を振り返る

2018-12-28 23:03:58 | 過去記事
過去記事の振り返りです。

昨年、出版の件で母校に挨拶にいったときのことを書いています。

母校に挨拶にいってきました。
本日、母校に挨拶にいってきました。鉄パイプをもってお礼参り……とか、そういう話ではありません。今さらですが、拙著『ホテル・カリフォルニアの殺人』刊行のことで、挨拶にうかがっ......


Gloria Estefan, Christmas through Your Eyes

2018-12-25 22:13:23 | 音楽批評
今日は、12月25日。

クリスマスです。

平成最後のクリスマス……せっかくなんで、このブログでも、クリスマスにちなんだ曲について書こうと思います。

去年のクリスマスは、イーグルスの曲をとりあげましたが、今年はもう少し本格的にクリスマスっぽい感じで行きたいと思います。
ということで、グロリア・エステファンの Christmas through Your Eyes です。

この歌は、多くのクリスマスソングとちょっと違って、母親の立場から子どもに向けて歌う内容になっています。


  あなたに会うまでわからなかった
  自分が失くしてしまったものを
  大人になって
  疑いの目で世界を見なきゃならなかったの

  もう一度 夢をみるチャンスをちょうだい
  もう一度あなたの幼い心を
  感じるチャンスを
  たった一度だけでも そうさせて

  あなたの目でクリスマスをみたい
  何もかもがあの頃のままで
  もう一度 世界が自分のものだった子供の頃に戻って
  クリスマスを クリスマスをあなたの目でみたいの


美しいメロディに、グロリア・エステファンの澄んだ歌声。そして、クリスマスソング定番の、子どもたちのコーラス……グロリア・エステファンという人は必ずしもクリスマスのイメージがフィットする人ではないと思いますが、この歌は、詞の内容にも見事にあったクリスマスソングとなっています。


たしかに、クリスマスぐらいは、白い雪のようにきれいな世界を見ていたいものです。

しかし同時に、それだけではいけないとも思います。

大人になって 疑いの目で世界を見なきゃならなかった……そういう側面は、あるんです。
残念ながら、世界はきれいなものばかりでできているわけでもありません。大人は、疑いの目で世の中を見なきゃならない時もある。子どもの未来のために。それは、大人の責任です。以前RCサクセションの「空がまた暗くなる」の記事でも似たようなことを書きましたが……そういうことを真剣に考えてしまう、考えざるをえない、そんな平成最後のクリスマスでした。

KISS, Detroit Rock City

2018-12-23 22:59:17 | 音楽批評
今回は、音楽記事です。

前回は、クイーンと同じ1973年デビューのバンドとしてエアロスミスのことを書きましたが……この1973年は、KISSのデビューした年でもあります。そこで今回は、このHR/HM界のレジェンドについて書こうと思います。

クイーン、エアロスミス、キス……というこの3つを三大バンドなどといったりもするようですが、この3つに共通しているのは、もう音楽という枠を超えた存在になってるということですね。
特にKISSは、その強烈な見た目もあって、バットマンとかスパイダーマンとかそういったものと同列の存在になってるらしいです。

そんなわけで、後のアーティストに与えた影響も大きいですね。

日本でいえば、なんといってもX-JAPANでしょうか。
あとは、たびたびこのブログに登場するRCサクセションも影響を受けてます。デビューはRCのほうが先ですが、以前も書いたとおり、フォークグループだったRCサクセションがハードロックバンドに生まれ変わるときに、KISSの影響があったのです。この点については、忌野清志郎自身が後にインタビューで語っています。

そういう観点からすると、RCで清志郎がやっていたメイクも、KISSをイメージしたものだったんでしょうか。
そんなふうに考えると、KISSというバンドはすごいな、と思わされます。
いや、これだと結局忌野清志郎がすごいという話になってますが……まあ、私じつはKISSとかの方面にはあまり詳しくないもので。

タイトルに掲げたデトロイト・ロック・シティは、とりあえず彼らの代表曲としてあげたものです。
デーロデーロデーロデーロ……というリフが印象的ですね。
ウィキで調べたところによると、KISSのコンサートにむかう途中で事故死したファンのことを歌った歌なんだそうで……この悪趣味な感じは、ストーンズの Let It Bleed みたいなことでしょうか。
また、今でこそKISSの代表曲という扱いですが、発表当時はあまり売れなかったといいます。このあたりは、クイーンのボヘミアン・ラプソディに通ずるところがあるのかもしれません。

あと、せっかくなんで、KISSに関するちょっとしたトリビアを。

その一。
かのマーティー・フリードマンは、一度KISSに加入しないかというオファーを受けたことがあるそうです。本人がテレビでいってました。もっとも、身長制限に引っかかって結局実現しなかったそうですが……

その二。
『デトロイト・メタル・シティ』という映画化もされた漫画があって、これがデトロイト・ロック・シティ をもじったものなのは周知のとおりですが、そのまま『デトロイト・ロック・シティ』という映画もあります。これははっきりとKISSを題材にしていて、KISSのコンサートを観に行こうとしていたキッズたちがママにチケットを捨てられて……というストーリーです。

……割とどうどでもいい話ですね。
というよりも、そもそもKISSそのもののの話じゃない?
まあ、そこは、あまり詳しくないということでご勘弁を……

Aerosmith, Baby Please Don't Go

2018-12-21 15:59:32 | 音楽批評
今回は、音楽記事です。

最近このブログでは、クイーンについての記事をいくつか書いてきました。

そこからのスピンオフで、今回は、クイーンと同じ1973年デビューのレジェンドバンドであるAerosmithについて書きたいと思います。

エアロスミス……と聞いたら、世の人は何を思い浮かべるでしょうか。
映画の主題歌になった I Don't Wanna Miss a Thing でしょうか。あるいは、ハードロックの傑作Fallin' in Love でしょうか。それとも、Run DMC との共演でも知られるWalk This Way でしょうか。

この記事では、 Baby Please Don't Goを挙げたいと思います。

この曲はHonkin' on Bobo というアルバムに収録されています。
2004年に発表されたこのアルバムは、ブルースの名曲をカバーしたもので、Baby Please Don't Goは、その第一弾シングルでした。

このアルバムは、エアロスミスが自らのルーツに対するリスペクトを表明した作品だと思うんですね。

デビュー当初のエアロスミスはストーンズのパクリみたいなことをいわれてましたが、実際のところ、彼らはブルースを出発点にしていて、レッド・ツェッペリンなんかを強くリスペクトしています。一時期、スティーヴン・タイラーがツェッペリンの新たなボーカルになるなんて噂があったほどです。

以前も書きましたが、ロックの根底には、白人が黒人音楽のマネをすることからくる屈折したコンプレックスのような感情がひそんでいます。
黒人のように演りたいけれど、黒人のようには演れない……そこでどうするか、というところがあるんですね。

で、Honkin' on Bobo を聴くと、スティーヴン・タイラーが、じつに奔放にブルースの名曲を歌い上げてます。

なかでも、Baby Please Don't Go は、アルバムのハイライトでしょう。
この曲は、「史上もっとも演奏されたブルース」ともいわれてるそうで、ロック界でもヴァン・モリスン率いるゼムやAC/DCなどがカバーしてきたというマスターピースなのです。

歌の内容は、牢獄にとらえられている囚人が、恋人が去っていくのを心配している……というもの。それで、「ベイビー、行かないでおくれ」というわけです。
囚人の立場から歌う歌は、“プリズンソング”などとも呼ばれ、ブルースやロックに流れ込んでいった音楽類型の一つです。「辺境にあるもの」の音楽としてのブルース、そしてロック……そういう意味でも、 Baby Please Don't Go は、ブルースを象徴する一曲といえます。

それが、このアルバムでは、まるでエアロスミスのオリジナル曲であるかのように聴こえてきます。ブルースをもとにしつつ、ハードロック風味がきっちりとはまってるんです。
黒人音楽を白人がやることからくる葛藤……その一つのソリューションが、この Honkin' on Bobo ではないか。そんな気さえきてします。
そこまでいうと、さすがにほめすぎでしょうか……