SAGE meetingによる推奨事項 WHO Stragetic Advisory Group of Experts in Immunization(SAGE) on Nov 2013(スライドはWHOのHPより引用)
- 定期接種において3-4回のOPV接種に加えて、IPVの1回接種を生後14週以降に行う
- 現地の疫学情報を勘案してスケジュールは流動的に計画できる(VAPPの好発時期等)
- 感受性者を減らし、ポリオの撲滅に向けて加速するため、全ての流行国はIPVを導入する計画を2014年末までに確立する
ポリオ撲滅計画(endgame)について
- 2013-2018年までのWHOの承認あり(55億ドルを投入)
- 野生株ポリオウイルス3型(WPV3)の症例は10カ月以上報告されていない(アジアでは18カ月以上)
- 一方で感染が報告されている地域は昨年の2倍以上
- 宗教、紛争、地域等の理由でワクチンを接種してもらえない人が150万人以上(パキスタンには50万人以上)
- ソマリアでの流行は過去の流行と同様の流行曲線であり、低いレベルでの流行が数年続く可能性あり
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IPV導入に関する課題
- WPV2は既に撲滅状態であり、tOPV使用によるワクチン株由来のポリオウイルス2型(VDPV2)の流行に対する対策を行う必要あり
- 今後2価のOPV(bOPV)を導入したいが、世界の人口が2型の免疫を保有しなくなることでVDPV2大流行やWPV2の再燃が懸念される
- そこで、bOPVを導入する前に3価OPV(tOPV)を使用している国でも2015年の第4四半期までに少なくとも1回のIPV接種を勧めたい
- IPVの接種タイミングは遅らせた方が免疫原性が良いとのデータあり(約15Wで初回接種で50%程度の陽転率)
- 導入目的はワクチン関連性麻痺(VAPP)の予防ではないこと、途上国ではOPV1回目の接種でのVAPPの報告はむしろ複数回接種に多いこと、追加接種による反応はOPVよりもIPVの方が抗体上昇率が高いことから、IPVの1回接種は生後14週以降に行う(DPTとの混合であれば生後3か月以降)
- IPV導入による費用負担と対策についてはUNICEFとGAVIがリードする
- 1回接種あたり2.5USドルのワクチン費用を1.0ドルまで落とす交渉、endgame後には0.5ドルまで落としたい考え
- 皮内注射は少量で免疫原性が良いとのキューバでの報告があるが、現時点では研究をさらに進める方針(予算に問題が生じた場合や流行が起こりIPVが不足する場合には採用する可能性あり)
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ポリオウイルス2型の流行に対する対策
- また2型PVが流行した際の1価OPV(mOPV2)を準備しておく必要性あり(500Mを予定)
- PV2については、notification, surveillance(AFP), stockpile, Response, Travelersの5つの柱で流行を抑制する
- 具体的には流行の発覚後48時間以内のmOPVの緊急使用と渡航者に対する渡航制限を含めたIPVの追加接種の推奨
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IPV導入後の国におけるポリオウイルスの流行について
一方で、イスラエルの環境中に野生型ポリオウイルス1型(WPV1)が検出されていることに関するレポートがあり。
イスラエルでのIPVの接種率は95%と高いとされるが、腸管免疫がないために環境中のウイルスの広がり、キャリアの報告、周辺国への広がりもあり。
イスラエルでのIPVの接種率は95%と高いとされるが、腸管免疫がないために環境中のウイルスの広がり、キャリアの報告、周辺国への広がりもあり。