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破傷風と基礎 [tetanus toxoid]

2015-03-17 | Vaccine 各論

自然感染での免疫原生効果は低く、ワクチン接種が必要

暴露後の予防接種
・傷がきれいな場合、または小さい場合
- 3回以上のワクチン接種歴あり
  →最後の接種から10年以上の期間があれば1回の追加接種のみ
- 3回未満のワクチン接種歴、もしくは接種歴不明
  →3回のワクチン接種(破傷風グロブリン注射は不要)

・上記以外の傷の場合
- 3回以上のワクチン接種歴あり
  →最後の接種から5年以上の期間があれば1回の追加接種のみ
- 3回未満のワクチン接種歴、もしくは接種歴不明
  →3回のワクチン接種+破傷風グロブリン注射

3回以上の接種歴があれば破傷風発症のリスク低下
一般的に10年毎の追加接種が推奨されるが、50歳までは定期接種後の追加接種は不要とする意見もある
50歳を超える年齢での追加接種は、免疫原生の低下を考慮して複数回の接種を検討する(Vaccines 2008 5th Ed.Stanley A. Plotkin)

Prevention and management of wound infection
Guidance from WHO’s Department of Violence and Injury Prevention and Disability and
the Department of Essential Health Technologies

Tetanus vaccines: WHO
position paper – February 2017
 (日本語)

各国の外相による破傷風予防の対応方針(米国豪州英国


 

破傷風曝露後予防のための機会を逃した場合 - 米California,2008年1月~2014年3月
Missed Opportunities for Tetanus Postexposure Prophylaxis - California, January 2008-March 2014 (CDC/MMWR 64(09)243-246(2015.3.13))

破傷風ワクチンの導入の結果として,米国において年毎に報告される破傷風の症例数は1930年代および1940年代以降著しく低下している。
しかしながら,破傷風トキソイド含有ワクチン接種を行っておらず,適切な曝露後予防(PEP)を受けていない人においては,散発的な症例が引き続き生じている。
これら症例の規模を調査するため,California Department of Public Healthは2008年1月~2014年3月に報告された全ての破傷風症例をレビューした。
破傷風患者は計21例報告され,5例が死亡した。16例は疾患の発症および診断前に急性外傷の既往があり,9例は外傷に対する治療を受け,9例中2例は適切なPEPを受けていたが破傷風を発症し、1例が死亡した。


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