自然感染での免疫原生効果は低く、ワクチン接種が必要
暴露後の予防接種
・傷がきれいな場合、または小さい場合
- 3回以上のワクチン接種歴あり
→最後の接種から10年以上の期間があれば1回の追加接種のみ
- 3回未満のワクチン接種歴、もしくは接種歴不明
→3回のワクチン接種(破傷風グロブリン注射は不要)
・上記以外の傷の場合
- 3回以上のワクチン接種歴あり
→最後の接種から5年以上の期間があれば1回の追加接種のみ
- 3回未満のワクチン接種歴、もしくは接種歴不明
→3回のワクチン接種+破傷風グロブリン注射
3回以上の接種歴があれば破傷風発症のリスク低下
一般的に10年毎の追加接種が推奨されるが、50歳までは定期接種後の追加接種は不要とする意見もある
50歳を超える年齢での追加接種は、免疫原生の低下を考慮して複数回の接種を検討する(Vaccines 2008 5th Ed.Stanley A. Plotkin)
Tetanus vaccines: WHO
position paper – February 2017 (日本語)
破傷風曝露後予防のための機会を逃した場合 - 米California,2008年1月~2014年3月
Missed Opportunities for Tetanus Postexposure Prophylaxis - California, January 2008-March 2014 (CDC/MMWR 64(09)243-246(2015.3.13))
破傷風ワクチンの導入の結果として,米国において年毎に報告される破傷風の症例数は1930年代および1940年代以降著しく低下している。
しかしながら,破傷風トキソイド含有ワクチン接種を行っておらず,適切な曝露後予防(PEP)を受けていない人においては,散発的な症例が引き続き生じている。
これら症例の規模を調査するため,California Department of Public Healthは2008年1月~2014年3月に報告された全ての破傷風症例をレビューした。
破傷風患者は計21例報告され,5例が死亡した。16例は疾患の発症および診断前に急性外傷の既往があり,9例は外傷に対する治療を受け,9例中2例は適切なPEPを受けていたが破傷風を発症し、1例が死亡した。