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モーツァルトCDの風景7:西方への大旅行

2011年09月14日 | モーツァルト
 第三回目の「研鑽と才能披露の旅」に向け、1763年6月9日モーツァルト一家はザルツブルクをあとにした。
ウィーン旅行の際に購入した自家用馬車で一家は旅に出たのである。この旅には従僕のS.ヴィンターが同行した。
 今回はドイツ各地、ベルギー(当時はフランドル)、フランス、イギリス、オランダそしてスイスにまで及び、ザルツブルクには1766年11月29日に戻るという、約3年半にも亘る旅となるのであった。
この旅行はモーツァルト親子が経験した最大規模の旅行となり、俗に「西方への大旅行」と
称されている。モーツァルトは7歳でこの旅行に出発し、故郷ザルツブルクに帰着した時には10歳と10ヶ月になっていた。

<パリ>



メレヴィル城と庭園(フランス)
16世紀に建てられたマナーハウス。18世紀の庭園芸術の傑作。
しかし、一部壊された城を1709年王のメレヴィル侯爵ピエール・デルペシュが再建、息子のジャンがホテルデュパンの塔やヴィエーユ寺院のルネッサンス様式を習って窓や西正面の玄関を飾る。
1784年投資家のジャン・ド・ラボルトは南北の翼を改築しようとして、その庭園の設計からやり直した。

<モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番K.467・ロンドK.382他 ピリス(P)、グシュルバウアー指揮/リスバン・グルベンキアン財団室内管弦楽団 (ERATO WPCC-5273 輸入盤)>
「ピアノ協奏曲 第21番」は第二楽章の絶妙な美しさで知られる名作。名演が多く選択に迷う。
「コンサート・ロンド」はK.175のピアノ協奏曲終楽章をウィーンでの再演時に親しみやすく華やかさを盛り込んだもの。


現在のメレヴィル城

<ロンドン>


ロンドン:ラネラーのトロンダの内部
(Interbi della Rotonda di Ranelagh) 1754年
18世紀イタリアを代表する景観画家カナレット、英国滞在期の著名な傑作『ロンドン:ラネラーのトロンダの内部(ラニラのトロンダ内部)』。
当時、最も賑わっていた行楽庭園のひとつである≪ラネラー・ガーデン≫内へ建てられていたトロンダと呼ばれる円形建造物の舞台・社交施設の内部が画題とされている。
 描かれた10年後に同時代のモーツァルトがこの施設で演奏をおこなったことも知られてる。
画面中央の大支柱を中心に、円状に形成されるトロンダの内部では、当時の最新の流行を取り入れた衣服で着飾った人々が優雅に会話や音楽を楽しんでいる。画面右側に配される音楽演奏者用の席では、今まさに演奏がおこなわれている様子である。

<モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番K.488・第24番K.491 カーゾン(P)、ケルテシュ指揮/ロンドン交響楽団 (DECCA 452 888-2 輸入盤)>
「ピアノ協奏曲 第23番」は全体に流麗極まりなく、嬰ヘ短調で書かれた第二楽章の美しさはたとえようがない。私の特に好きな曲。
「ピアノ協奏曲 第24番」はこの分野の頂点に立つ名作。当時の聴衆の理解を越える表現の深さがある。この曲は現代のピアノと大編成のオーケストラがふさわしい。

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