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ストラヴィンスキーの歌劇「夜鳴きうぐいす」 かつて観たことがない演出

2011年09月09日 | クラシック音楽

 9月3日のNHK-BSプレミアムシアター、ストラヴィンスキー:歌劇「夜鳴きうぐいす」を予約録画していたので、見てみたら人形浄瑠璃のスタイルを取り入れた、あまりの斬新さとすばらしさでびっくり仰天。
こんなオペラ公演なんて、かつて観たことがないほどだ。
なんと舞台の前に大きなプールがあり、出演者は腰まで水につかり演じている。
また出演者ひとりひとりは文楽人形ほどの人形を操りながら演じているのである。
人形の操り方も見事だし、もちろん本職の歌の方もすばらしい。
有名な「春の祭典」の作曲家のオペラであり、生き生きとしたアリアの数々。
セットも衣装も人形も色彩豊かで、それが音楽と妙に溶け込んでいるかのよう。
日本の若手指揮者である大野和士がタクトを振っているのも注目である。


第1幕海岸
歌手がそれぞれ自分と同じ人形を操りながら歌う
 
エクサン・プロバンス音楽祭2010 歌劇「夜鳴きうぐいす」
合唱:リヨン国立歌劇場合唱団
管弦楽:リヨン国立歌劇場管弦楽団
指揮:大野和士
(フランス プロバンス大劇場・2010年6月、7月)

 あらすじは、
中国の皇帝が、森に住む美しい声で鳴くウグイス(ナイチンゲール)を宮廷に招き、聞き惚れる。
ところがある日、宝石に飾られた機械仕掛けのウグイスが贈られ、皇帝はそちらに夢中になり、ウグイスは去ってしまう。
その後、皇帝は重い病にかかり、死を前に美しい歌声を聞きたいと願うが、機械仕掛けのウグイスはとうに壊れてたまま。そこに美しい歌声が…あのウグイスが戻って歌っている。死神も歌声に聞き惚れ、去っていく。
皇帝は生き返り、ウグイスは時々やってくるようになる。

ウグイスとは、サヨナキドリ (小夜啼き鳥)、ナイチンゲールのこと。
別名がヨナキウグイス(夜鳴鶯)という。
アンデルセン童話「ナイチンゲール」が台本のもとになっている。 


第2幕宮廷
プールに船が動き機械仕掛けで羽を動かしたりする
右手奥に指揮者大野和士のうしろ姿が見える。オーケストラ・ピットは演じ手達の奥に陣取っているのだ。


第2幕宮廷
日本からやってきた使者。歌舞伎のこわもてのようだ。


第2幕宮廷
中央:夜鶯(オリガ・ペレチャトコ)右下:皇帝の人形とその歌手(イリヤ・バニク)


第2幕宮廷
日本の皇帝から贈られた機械仕掛けの鶯(中央)に満悦の中国皇帝(右)


第3幕寝室
巨大なガイコツの寝室。ガコツの手足が動き喋りだしたりと奇抜な舞台。
皇帝は重い病にかかり、死を前に美しい歌声を聞きたいと願うが、機械仕掛けのウグイスはとうに壊れたまま。


第3幕寝室
そこに美しい歌声が…あのウグイスが戻って歌っている。死神も歌声に聞き惚れ、去っていく。
皇帝は生き返り、ウグイスは時々やってくるようになる。

45分という短い時間があっという間に過ぎ去ってしまった実に楽しい舞台であった。
ロベール・ルパージュの演出の色彩豊かで奇抜で洗練された舞台に圧倒された。

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