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私のモーツァルト愛聴曲⑩:歌劇「フィガロの結婚」 K.492

2006年07月08日 | モーツァルト
この歌劇は、モーツァルト29歳ウィーンで作曲。モーツァルトの歌劇には喜怒哀楽が織り成す人間味に溢れた魅力があるが、その中でも「フィガロの結婚」は当時の封建社会への痛烈な批判を盛り込んだポーマルシェの戯曲に、モーツァルトは数々の美しい旋律と登場人物の重唱・場面展開と音楽の変幻自在さを盛り込んだ。
フランス革命3年前に皇帝の許可を取り付けて作曲し初演に漕ぎ付けたことを考えると、普通ではありえないことが起きたと言えるし、モーツァルトだからこそ、ありえない事を成し得たとも言える。
旋律美に溢れたアリアを選んでみると、
第6曲”自分で自分がわからない”(ケルビーノ)
第9曲”もう飛ぶまいぞ、この蝶々”(フィガロ)
第10曲”愛の神よ、照覧あれ”(伯爵夫人)
第11曲”恋とはどんなものかしら”(ケルビーノ)
第19曲”スザンナは来ないかしら、楽しい思い出はどこへ”(伯爵夫人)
第20曲”そよ風に寄せる(手紙の二重唱)”(伯爵夫人とスザンナ)
第27曲”とうとうその時がきた、恋人よ早くここへ”(スザンナ)
などが上げられる。
私は中でもスザンナが歌う第27曲”とうとうその時がきた、恋人よ早くここへ”と、苦しむフィガロをからかうように、真の愛への憧憬を込めて歌う・・・大好きなアリアである。オペラの中心にいるのは常にスザンナであるが、何故かスザンナがひとりで歌うアリアはこの1曲だけであとは重唱である。それだけスザンナと他の登場人物とのからみが多く、スザンナの演技が見所のひとつとなっている。
私がこのオペラを好きになったのは1993年佐藤しのぶの伯爵夫人役の舞台だったと思う。その後、モーツァルトのオペラの魅力にはまり、「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」など観たりした。
余談になるが、2004年10月23日(土)新国立劇場で「愛の女庭師」を観劇していたその時に”新潟県中越地震”が発生し、客席でゴーという音と天井と舞台の袖がゆれて驚いたが、舞台上では何事もなかったように演じ続けていたのには感服した思い出がある。

私の愛聴CD:ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ<ARCHIV POCA-1088/90>
ターフェルのフィガロとハグリーのスザンナが好感。スザンナ役のハグリーの演技がすばらしいのはDVDでないとわからないが。ガーディナー指揮の演奏も心地よい音色ときびきびした演奏である。

(写真はウィーン国立歌劇場階段室<2006/1>)




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