今日、3月1日は黒部川の渓流釣りの解禁日です。イワナ、ヤマメが対象魚種に指定されています。他にも数年前からサクラマスの釣りができるようになりましたが、こちらは資源保護の関係で、抽選で遊料券が交付されています。たしか、40名ですね。
サクラマスはよく知られている富山名産「ますのすし」の原料に用いられています。ヤマメとは同じ魚ですが、ヤマメは一生を川で過ごすのに対して、サクラマスは海に下り、大きくなって川に戻ってきます。桜の季節に戻ってくるのでサクラマスの名前で呼ばれるそうです。地元では、マスとしか呼ばないこともあるようです。
ちなみに、サケとマスの違いをご存知ですか?サクラマスもサケ、サーモンの仲間です。もともとこの種類の魚は白身の魚ですが、海でエビなどの餌を食べることで身が赤くなります。名前にもタイではなくても何々タイと呼ばれるように区別はないのですが、どこかサケの方が立派なイメージがあるせいか、ニジマスを海面養殖したものを最近は「サーモントラウト」とか呼んで、「サーモン」という名前でお寿司屋さんでも人気ですね。
ニジマスも黒部川では放流されていますが、産卵による再生産はないようです。ですが、夏頃には大きくなったニジマスがかかることもあって釣り人には大変興奮する一尾になります。
イワナは川ごとに顔が違うと言われるほどに地域差の大きな魚で、いくつかの種類があります。黒部のイワナは、2800mの日本最高所に生息する魚類として知られています。かつては、川を渡ろうとするとイワナを踏んで困ると言われた時代もあったそうで、山に入って魚をとり、それを焼きがらしという状態まで焼き込んで里で売った川漁が成り立っていました。焼きがらしは燻製に近いものですが、ゆっくりと火を通すせいか頭から尾まで、独特の甘さをともなって大変美味しいものです。今でも、そうやって食べさせる山小屋もあるようですね。川の環境の変化であふれるほどの魚はいなくなりましたが、黒部の激流に適応した頭が小さく、ヒレが大きい、全体に白っぽい魚体は、黒部イワナと名前を付けたいほどに特徴的です。
この川漁師たちが使ったのが、テンカラと呼ばれる毛針。えさと違って繰り返して使えるのが便利なところですが、竿よりもはるかに長い糸を巧みに操り魚を引き出す技術には驚かされます。
今は、釣りという遊びの人が多いわけですが、竿釣りでは、餌釣りだけでなく、金属片などを投げるルアーやテンカラと同じように毛ばりを使うフライフィッシングなども盛んです。
実は、雪解け前の今の時期は川の水温もあまり低くなく、雪解けが始まる時期よりも釣りやすいと言われています。
今夜も、宇奈月温泉は花火です。
雪遊びをして、釣りをして、おいしいもの食べて、温泉に入って、花火を見て。そんな黒部川の楽しみはいかがですか。
渓流釣りの情報は、
黒部川内水面漁業協同組合へ。