モーツァルト@宇奈月

湯の街ふれあい音楽祭 モーツァルト@宇奈月
scince2010年秋。毎年9月に音楽祭を開催しております。

温泉噴水です

2013年06月23日 | 日記

宇奈月温泉は今年で開湯90周年。

実は、このお湯は、上流8キロメートルほどの黒薙温泉から引かれているんです。源泉は、96度から98度の高温泉。川原から吹き出す天然湧出の温泉です。

その温泉は江戸時代の初めに発見されていたんですが、山深いので大規模な開発には向いていません。加賀藩の政策もあって江戸時代の終わりまで隠し湯だったそうです。その湯量の豊富さに目を付け、桃原と呼ばれた台地にお湯を引くことで温泉街を作りだしたわけです。

それ以前にも、もう少し下流で温泉を開いたのですが、お湯を送る管のことや湯温の低下が激しくて、結局うまくいきませんでした。電源開発の進行といっしょに鉄道が現在の宇奈月温泉まで延びたことで、桃原を適地と定めて、開発を進めました。

懸案だったお湯の温度は、源泉のお湯に水を混ぜることで水圧を上げ、結果的に桃原までの送湯時間を短縮して湯温低下を防ぐという知恵にたどり着きました。

現在も、長い導管を使って険しい山肌を切り裂き、断崖を掘り抜いてお湯がやってきます。木管の時代もあったのですが、温泉街に展示してありますので、ぜひ、ご覧ください。この導管の敷設にからんで、法律の勉強をされる方には大変よく知られた「宇奈月事件」というのもあるんですが、それはまたいずれの機会に。

このお湯一つにも、歴史や知恵、人々の思いが詰まっているんですね。