日本中で一番多くの人がさわったことのある楽器と聞くと、年配の方ならハーモニカ。複音式のハーモニカもありますが、戦後、小学校の学習に取り入れられた短音式ハーモニカ。メトロノームの機能もありましたね。
余談ですが、ドレミファソラシドのラシのところだけ吸吸となっていますね。あれも、どこかでそういうことになっていたわけでなく、戦後の教育課程の編成と共に決めたのだそうです。
それから、デスクオルガン。音楽室に並んでいました。机にも、オルガンにもあるというやつです。それが、鍵盤ハーモニカにつながります。ハーモニカですが、吸うのが大変ということもありますし、いろんな楽器がありますが、吸うなんてのは、ハーモニカくらいですので、その特殊性を抜いたということもあるそうです。もっとも、ブルースハープなんていうハーモニカは吸うことを巧みに音楽表現に生かしていますが。
次は、リコーダーでしょうか。小学校ならソプラノリコーダー。中学になると、少し大きいアルトリコーダーだった方もあるでしょうか。体位が向上するので大きい楽器というわけではなく、もちろん音域に違いがあります。脚本家の三谷幸喜さんは、リコーダーが吹けたら吹けるといわれてサックスを奨められたと何かで書いておられましたが、その位にポピュラーな楽器で、そのことが逆に入門用のような印象を与えていることがあります。
しかし、最近では安価できれいな音が出せて多彩で多才なリコーダーが、そのやさしい響きと共に見直されています。バロックなどもそうですが、ポピュラー音楽などでもけっこう使われるようになっていて、ジャズの名曲をリコーダーで吹いてしまうというのも動画投稿サイトにたくさん転がっています。
もちろん、モーツァルトの演奏には、とても親和性がありますね。
アンサンブルパレットさんは、そういうリコーダーアンサンブルの演奏を聴かせてくださいました。音域に合わせたさまざまなリコーダーにも興味が行きますね。
この日は、一番低音域のバスリコーダーの調子が悪くて使えなかったとあとで聞きましたが、リコーダーアンサンブルのすばらしさを十分に堪能させていただけました。
リコーダーの演奏を聴いたあと、自宅でリコーダーを探して、数十年ぶりに弾いてみたという方がありました。リコーダーがそれだけ身近で、多くの人にとってやさしい、肌に優しい風のような音色をもっているのでしょう。
やさしいモーツァルトをありがとうございました。