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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

豪雨の後の飯縄山では、高山植物のお花畑が輝いていた(妻女山里山通信)

2012-08-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
MORI MORI KIDSに飯縄山トレッキング・フォトルポをアップしました。お花畑とパノラマ写真をご覧ください。

 飯縄山は、長野市民の山。都民ならたいてい高尾山(高尾山薬王院は飯縄大権現を祀る)に登る様に、長野市民ならたいてい一度は登る山。ほとんど学校の遠足でですが。1917mなので「低いな」なんて言われますが、長野市のほとんどの場所から見える山なので(長野市街中心部からは見えない)、親しみを持っている人が多い山です。

 今回は、次男が保育園の年長の時に登って以来なので12年ぶりの飯縄山登山でした。前回は南面の一の鳥居から往復したので、今回は中社から、西登山道(中社尾根)を登り、帰路は瑪瑙山から怪無山へ下るというループのコースを組んでみました。

 戸隠の中社の右手にある「うずら屋蕎麦店」を右に入ります。しばらく行くと左手に戸隠スキー場の中社ゲレンデが見えてきます。その駐車場へ車を止めます。駐車場下の広い舗装路を歩き、「神告げ温泉」、「チビッコ忍者村」を過ぎてメノウ橋を渡ると登山口。落葉松、白樺、ブナの森を登って行きます。

 樹林帯を過ぎ、お花畑に出た頃に山頂付近が真っ黒な雲に覆われ始め、豪雨になりました。仕方なくカエデの木の下で休憩。様子を見る事にしました。雷が鳴るかもしれないので、下手に動く事もできません。

 20分位待ったでしょうか、雨は止む気配もなく激しくなる一方。山頂から男性がひとり下りてきました。これは無理かなと引き返そうと30mほど戻ると、ほとんど降っていません。アレッと空を見ると、まるでシャワーの様に雨の境界線が見えます。山頂付近のみ雨雲に覆われているようです。北西の空には青空も見えます。

 しばらくすると、雨雲は南東に去り、全くなかった視界も開け、眼下の飯綱高原や善光寺平も見えてきました。お花畑の花達は雨に洗われ光っています。こうなると花の撮影タイム。なかなか前に進めません。ようやっと登り始めると、道は南登山道と合わせ、急登をこなすと飯縄大権現の鳥居と祠前を通り南峰広場に着きます。

 雨で水たまりのできた鞍部を10分ほど歩いて登り返すと飯縄山山頂です。信大教育学部の学生に引率された小学校3、4年生がたくさんいました。あの豪雨の中を登って来たそうです。いい経験になったでしょう。周囲をヒョウモンチョウやキアゲハが舞う中で昼食。

 一時間少しで瑪瑙山に向かって出発。ノリウツギの森を急下降します。鞍部について登り返すと瑪瑙山1748m。ここからは戸隠連峰の絶景が一望できます。今回は雲で見えませんでしたが、北アルプスのスカイラインも堪能できます。

 瑪瑙山先からはゲレンデを下りて行きますが、いつも目の前に戸隠と高妻山の絶景が望め、それは気持ちのいいものです。このループコースは、左回りをおすすめします。ゲレンデはセイヨウノコギリソウのような帰化植物も見られますが、花の宝庫です。

 怪無山への分岐で左の森へ下り、谷の分岐で用水に沿って美しい木漏れ日の森をトラバースすると、15分ほどで中社ゲレンデの上に出ます。眼下の駐車場に戻ると登山は終わりです。用水は、幅1mもない小川ですが、なんとヤマメかイワナと思われる魚影もありました。

 飯縄山は山岳信仰の多くの場合、白狐に乗った剣と索を持つ烏天狗形で表され、五体、あるいは白狐には蛇が巻きつくことがある。一般に戦勝の神として信仰され、足利義満、管領細川氏、上杉謙信、武田信玄など中世の武将たちの間で盛んに信仰された。特に、上杉謙信の兜の前立が飯縄権現像であるのは有名。(wiki)

 飯縄権現については、現存最古銘の飯縄神像は永福寺の神像です。応永十三(1406)年の南北朝時代頃には信仰として確立していたのでしょう。しかし、室町頃には、魔法、外法といった捉えられ方がされ始めていたという史実もあります。烏天狗ということから、古くは秦氏のように古代ユダヤから持ち込まれた信仰とも考えられます。我々が思う以上に、古代から人は世界を動いているのです。

 日本でも豊臣秀吉の国替えでは、信州川中島の武将一族は、上杉景勝の会津転封(てんぽう)に伴って家族家来諸共移り住んでいます。戦国時代の川中島合戦では、戦後甲州から多くの農民が移住させられました。古くは日本人もポリネシアから海を越えて来たり、雲南や中国大陸や半島から来たわけです。放射能で汚染された東北関東から、やがて人々がディアスポラ化し世界へ出ていく日もそう遠くないのかも知れません。




◉追記
『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。もちろん飯縄山も詳しく紹介。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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