モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

死んだふりのメッシが…。(CWC)

2009-12-20 | サッカー
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 FIFAクラブワールドカップ UAE 2009は、バルセロナ2-1エストゥディアンテスと、結果だけを見ると順当に思えますが、試合内容は随分大方の予想には反したものとなりました。全試合を通してバルサはエストゥディアンテスの周到に準備された戦術に、本来のバルサらしさを消されていました。特に前半はエストゥディアンテスのハードプレッシャーにほとんどなにもできずじまい。エストゥディアンテスのロングボールがバルサを苦しめますって、次元が違いますがはめられた時の日本代表のよう。

 後半、どう立て直してくるだろうと思ったら、FWを一枚入れてメッシを二列目に下げました。それからが面白かったですね。仕掛けやチャンスメイクもしましたが、実質消えていました。かといってハードプレッシャーにバックパスを繰り返したり、だらだらとボランチの位置まで下がってくるわけではありません。ただいつも見るメッシより運動量が少ないかな、ゴールを狙う執念をひた隠しにしているのかなという印象でした。緊張なのか不調なのか、ちょっと雑なイブラと、孤立しているアンリが目立っていました。巧妙なペドロの起死回生のヘッドで同点。試合は振り出しに戻りました。

 延長戦になってもその雰囲気は変わらず。変わったのはエストゥディアンテスのハードプレッシャーが運動量が落ちて、やや弛んできたこと。それを見透かしてか後半5分。右サイドからアウベスがクロスを送り、それまで死んだふりをしていたかのような猛ダッシュを見せたメッシが、中央でフリーになり胸(ハート)で押し込んでゴール。ブラジル、アルゼンチン代表コンビで試合を決めてしまいました。
 
 あの死んだふりは戦術だったんですかね。今日は自分たちのサッカーができないと読んだら、切れることもなく耐えて相手の弱るのをじっと待ちつつ一瞬の隙を狙う、まるで猛獣のようでした。得意の細かいパスワークで相手を崩し、華麗にゴールを決めるという本来の形を捨てて、最後はロングボールでの勝利。勝ちにこだわる本当にいい見本を見せてもらいました。

 ところでメッシはジンガ(跨ぎフェイント)をしません。あれはブラジル人のものだからでしょうか。人のいないところいないところへ素早く細かいステップでボールを運んでいく。有る意味では、もっとも合理的な理にかなったプレー。とんでもないスピードと、とんでもない正確さが必要ですが。でもお手本にして日本人からもメッシのようなプレーヤーが出る可能性はあるのじゃないかなと思いました。メッシを見た小学生がしっかりお手本にしてくれれば…。そんな日が来ることを夢見てしまいます。

 それにしてもベロン。若い頃は、巧いけれど、やたらハードマークの荒っぽい選手という印象でしたが、実にハートの熱いクールでクレバーな選手だと改めて思いました。エストゥディアンテスは、決して格下ではなかったですね。ただ、メッシがいなかった。
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