あの空も心に。

2011-06-24 19:42:46 | 

未だ余震止まず。

小刻みの縦揺れと同時に聞こえる地鳴りにぞくり。
どうしようもない事とはいえ、やっぱり嫌なものです。

そして毎日毎日、震災の爪あとと不景気な話とお別れと、どみっさんの弱りっぷりを見つついろんなオーダーに答え続けると、牛だってちょっとは疲れるんですよね。

そんな時は。

「想い出だけじゃ生きていけない」なんて事言いますけど。
想い出「だけ」じゃ無理だとしても、想い出は無いより有ったほうがたくましく生きられるんだと思います。
違う?

「いつも心にヒコウキを」。
こんな時こそ思い出してみる。
ゴールデンウィークのあの日の空!あれをね。

♪ある晴れたお昼ごろ熊谷へ続く道。
♪インプレッサwがゴトゴト、牛を乗せてゆく。
♪もしも翼があったならば…

翼が無いなら飛行機に乗せてもらえばいいじゃない。
ほら、パンが無ければお菓子っていうし。
Iさんが牛を招待してくれたし。

「グライダーに乗せてあげるよ」って。
ほ、本当に?!

Iさん。
「ふくしまスカイパークに行くと会える渋いロードスターに乗ってるヒト」です。
(最近はロードスターじゃないけど…)
気づけばMikeさんのおかげでより一層お近づきになれたんですが、乗ってる車からしてピンときた通り、牛のツボのすごくいいトコをぎゅっと押してくれて…こんなヒトが生存してるって、まだまだ日本人も捨てたもんじゃないよねとかなんとか、あんまり書くとアレだからやめとこうw

ともかく、そんなお招きにあずかったら馳せ参じるに決まってるじゃないですか。

それは5月の連休の事でした。
行楽晴れ女な牛らしく、よく晴れた春の空。
熊谷市と太田市の境目の河川敷。
酔い止め(トラベルミン®R)もばっちり、日焼け止めも準備オッケーです。

それでもなんとなく半信半疑のままだったんですが、促されるままに…

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気づけば計器類が目の前。
あの悪夢の3月11日以降、久しぶりの光景です。
結構ゆったりなんだぁ。
牛の印象としては「広い!」でした;
比較対象がおかしい?
そういえばベルトも締め上げなくていいんだ…。

この時点でも「え、いいの?ホントに乗せてもらえるの?」な気分だったわけですが。
Iさんは着々と準備を整えてくれます。

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グライダーって、地上にいるときは傾げてるでしょ?
だから移動の時から飛ぶまでは周りのヒトがまっすぐに持ってくれてるんですよね。
↓こんなふうに。

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牛が乗ったグライダーが、周りのみなさんに支えられてる間の感覚が…何ていうんだろ、「お嬢様どうぞお乗りください」的な気分!(笑)
今回お世話になったこちらは学生さんが練習してる所なので、体育会系の若い力が素晴らしいです。
勝手がわからないので見てるだけでしたが。
正直、牛にも学生時代と呼べるものがあったら人生もっと楽しかっただろうな、と思ってしまいました。
牛、学生時代も無くはなかったけどあの頃も社会人だったしなぁ…。(遠い目)

いやいや、自分の歳に気づいてる場合じゃありません。

グライダーは自力では離陸できないので、飛行機に牽いてもらうかワイヤーを繋いでウィンチで巻き上げるかして飛ぶんですが、ここではワイヤーでした。
(このワイヤーの巻き上げも牛的ツボにはまりまくりだったんですが、長くなるのでそれは置いといて。)

グライダーの離陸ってどんなかなぁ?と思ってる間に、あ、曳かれた!と思った次の瞬間、既に視界は空…ワイヤーを外す瞬間もあっという間で、かこんと音がした後に「もしかして今?」と思ったほど。

え?モウ飛んでる~!

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とととっ、飛んでる!エンジン無いけど飛んでる!
すっごく静かに飛んでる~!

牛、グライダー初体験!
ずっと憧れてたんだ。
こんなに音が無いんだ。
前席のIさんとも普通に会話ができる!
(牛の比較対象は常にPittsなので何もかもが新鮮…!)

どうして飛べるのか不思議。だけど、両側に伸びてる長い長い翼を見てるとなんとなく納得するのがまた不思議。
ああ、牛は今、風に支えられている!
思ったより揺れない。Iさん曰く、これでも揺れてるほうだって。

そして、Iさんが牛を誘ってくれた理由はここにもあったに違いない。

そう、熊谷市と太田市の境なんです、ここ。
太田市といえば。
決まってますよね。

群馬県太田市と言えば!
富士重工の工場があるのですよ!
うぎゃーーーー!聖地ですよ聖地!

Iさんは牛に説明しつつもぐるぐると旋回し続けて、鳶を見下ろしながらどんどん高度を上げていきます。
程よく上がった所で目指すは当然…!

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ぎゃ~!あったぁぁぁぁぁぁぁぁ!
(なんという汚い画像…;)

群馬県太田市スバル町っ!
そう、そうなんです!
富士重工の群馬工場!
こっ、ここでっ、ここで六連星が研ぎ澄まされて大量に生産されてるのだぁぁっ!

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あぁぁあぁあぁ~!(壊)
なんか涙出てきた。
工場見学行く前に上空から見学することになるなんて!
今、頭の中が戦前から現代までの時代背景が走馬灯のように(以下略)
インプレッサw、おまえのドライビングエモーションはここで詰め込まれたのかい?
牛もここで作られたい!
え?何かおかしい事言ってる?!
ならいっそこのまま総合太田病院に搬送されてしまいたいぃっ!!
(設立当初は「中島飛行機太田製作所付属太田病院」だったんですね。)
欲しいなぁ診察券。(←?)

Iさんの、眼下に広がる景色の解説付きの素敵フライト。
素敵です…素敵すぎます…。
こんなに幸せでごめんなさい。

幸せなんです。

が。

お約束が…(苦笑)

Iさんは飛んでるあいだじゅう、酔って気持ち悪くないかとか飴くれたりとか気を使ってくれてたんですよね。
牛は酔い止め飲んでるし大丈夫♪ 全然平気~♪と余裕かましてたんですけど。

あ、れ?

そういえばPittsに乗せてもらってたときも、同じところを同じ方向に旋回し続けてると若干気持ち悪かったんだっけか。
何度か乗せてもらってるうちに多少慣れてはいたけど。
だけどグライダーはゆっくり、ゆったりとGがかかる。
Iさんのすばらしき操縦でヒラリヒラリと、とても華麗に優雅にそれでいて力強く飛ぶグライダー。
それが心地よかったはずなんですが…ぁ。

ぴ、ぴっつとぜ ん ぜ  ん゛  ち゛   が   う゛ぅ… orz

牛:「Iさん…今のGがキモチワルかったです…」

言いたくなかった。
ずっと飛んでたかった。
黙ってたら、きっとIさんはもっと楽しい事してくれたんじゃなかろうか。
これってパラグライダーでアクロやってもらったときと同じじゃん…うわーーーーーーん(泣)

…間もなく、適切に降ろしてもらいましたとさ。

その後、Iさんが飛ぶ景色とお日様と風を、インプレッサwのリアカーゴで逆さに転がりながら堪能したのでした。

Iさん、楽しかったでーす!
感謝。感激。雨降らず。
もし、もしもモウ一度乗せてもらえるチャンスがあるとしたら、牛はトラベルミン®Rを倍量飲むつもりです。
ええ、手のツボに円皮針だって刺しますとも。
だからいつかまた、乗せてくださいねー!

そして牛が覚えている風景をモウ一つ。

このIさんというヒト、2010年10月に開催された全日本曲技飛行競技会スポーツマンクラスで優勝という経歴があるのですが…あの日の朝、ふくしまスカイパークには、それは美しい2重の虹が出てたんですよね。

その虹の根元にいたのは…

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Iさんだったのでした。

キレイだったなぁ、あの朝。


2 コメント

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私にも翼をください (sabi)
2011-06-25 23:40:24
(T_T)
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>sabi さま (牛。)
2011-06-26 00:32:41
残念ですが牛も無いのであげられません。
あるのは妄想力と脳内自己投薬の技術だけなんですが…これらが必要ならまずはコインランドリーからはじめましょうか。

あ、今なんだか自分にがっかりした。
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