応急救護講習いろいろ。

2008-08-27 14:09:28 | 健康・病気

幸いなことに牛は今まで、生きるか死ぬかの瀬戸際に立ったことはそれほど多くない。
(「それほどない」というのは、全く無いというわけではないという事だ。)

もとよりあっちにいったりこっちにいったりあれもこれもそれもやってみたい性格である。
車やバイクに乗ってれば(歩いてたって)交通事故にあう可能性がある。
海水浴に行けば水難事故にあう可能性もあるし、馬に乗ってれば落馬する事もあるだろう。
乗馬なんて「早めに落ちといたほうがいいよぉw」と言われてたけど、幸か不幸かまだ落馬したことが無い。
(相応のスピードが出るようになってから落ちるより、トロトロ走る初心者のうちに落ちといた方が怪我も軽くて済むという理論だが…。)

しかし、近しい人がそのような目にあったり、新聞に掲載されるそのようなニュースを見ていて少なからず思うのである。
牛がほぼ無事に生きているのは、ほんの少し何かのタイミングがズレているだけなのではないかと。

普通に生きてたってリスクはある。
ましてやドライバーなら。ライダーなら。
自分のみならず、目の前で他人の事故の目撃者になるかもしれない。
そういう理由から応急救護には大いに関心を持っている。
だいたい人間というのは、自惚れたり怠ったり過信したりしがちな生き物で、平穏に暮らしている間には、よもや自分がそのような事に見舞われるとは思わないものだ。
そこがツボなのである。
「わかっちゃいるけど」的な墓穴。
いくらでもあいているその穴を、普段から埋めようとする努力が大事に違いない。

断っておくが、不幸にも事故や事件で命を落としたり、怪我や病気になってしまった方々やその関係者に、ここで何らかの責任を問うつもりは微塵も無い。
むしろ、幸運にもそのような状況に陥ることが無かった者こそそこから学ぶべきであると、牛は自らを戒めたいのである。
そしてもしも、そういう牛の想いに賛同してくれる人がいるのなら、ぜひ方法の一つとして参考にしていただければ幸い。

心配蘇生法に加え、最近普及してきたAED(自動体外式除細動器)の取り扱いを含む、一次救命処置のための講習をピックアップしてみた。

消防署の応急手当講習会(仙台市HP
いちばん手軽に参加できるのが消防署の講習会。
宮城県仙台市の場合、各区の消防署で火・金・日曜の9時、13時に開催される。
7日前までに日程調整・申し込みが必要。無料。
日中の受講が難しい場合、相談すれば夜間にも開催してもらえる様子。

日本赤十字社の救急法基礎講習(日本赤十字社宮城県支部)
宮城県支部の場合、年間6回程度、県内の各地域で開催される。
日程によって受付開始日があって、申し込みが必要。有料で1500円程度。

L.S.F.A.(ライフサポーティングファーストエイド)
有限会社マスターワークスという民間の会社が提唱している応急手当のプログラム。
「LSO(ライフセービングオルガニゼーション)」「モータースポーツライフセービング機構」としてご存知のかたもいるかも。
有償(2500円)の講習で、年に2~3回東京都内で開催される。
L.S.F.A.にも対象別に種類があり、「Driver's」「Children's」「BasicSkills」に分かれている。
牛は思い立った頃にちょうど受講するチャンスがあったので「Driver's」に参加。牛が個人で気軽に参加できる有料の講習としては、このあたりが限度…。

日本ACLS協会 ハートセイバーAEDコース
もともと医療従事者を対象とした二次救命処置をメインに行っている組織の様子。
一般の人でも参加できるのがハートセイバーAEDコース、有料で9000円。
そのわりに半日というのは、あらかじめ「教科書を熟読」した上で参加するのが前提になっているからだろうか。
残念ながら宮城県内での年内の開催は見当たらない。(今後追加されるのかな?)

MFA JAPANのメディック・ファーストエイド®
MFAジャパン株式会社の応急救護プログラム。
料金はインストラクターやトレーニングセンターによって異なるらしい(使用機材や会場、規模による違い)。
宮城県の場合、有限会社マザーズタッチという保育者の育成を行っている会社がトレーニングセンターとなっている様子。
人数によって異なるが、ベーシックプラス(AEDを含む)だと、29400円~25200円。

他にもあるだろうけど、医療従事者向けに特化している日本BLS協会や、水難系に特化している日本ライフセービング協会などは、今回は割愛。

各プログラムやコースによって、処置を行う対象を成人から乳幼児まで含むものと、コース別に分かれているものがある。
特に、乳幼児を対象にしたものは、一般家庭のお父さんお母さんに興味を持ってもらいたいところ。
SIDS(乳幼児突然死症候群)に対して、とりうる最初の手段って心配蘇生法だろうし。

加えて、メディック・ファーストエイド®の「アフターショック」というプログラムも注目しておきたい。
事件事故に関わる以上、それはもしかしたら通常考えうる範囲を超えた状況かもしれない。そういう状況に置かれた被害者だけでなく、救護者側のメンタルケアというのは、最近になってようやく話題にのぼるようになったのでは。

さて、ここ1年、この手の話題になって牛が言われたこと。
「実際には役に立たないよ」
「むしろ素人は手を出さないほうがいい」
「自分が助けてもらえるわけじゃないでしょ」
「実際に子どもを育ててたらそんな講習参加するヒマ無いよ」
上っ面批判的だけど、そこに事実や現実があるのも理解できる。

間違えちゃいけないのは、何も知らない、やらないうちから言う事ではないということ。
知って初めて、何をやって何をやらないかを考えるべきだという事だ。
牛の衝動はいつも単純である。
牛の大切な友人や家族が、もしも目の前でブっ倒れた時に、「最初の5分間」を何もせずただ黙って見ていたいかということ。
何かしなくちゃと思ったときに「やっちゃいけないことをやらない」ために。
牛だって助けてもらいたい。だから先に自分が助けられるように。
そして、不幸にも誰かを亡くしてしまった時に、その後を無力感と後悔に苛まれて生きていくのは、嫌だ。

牛父が吐血して倒れたのは病院内だった。
もしそれが自宅だったら、牛はどうしていただろう。