L.S.F.A. forDriver's を受講してきました。

2007-07-10 23:48:07 | 健康・病気

牛は頻繁に車やバイクに乗るし、近頃は馬にも乗るようになりました。
当然、事故のリスクは常についてまわります。運良く、自分が事故にあわなかったとしても、さまざまな状況に出会うわけで―つまり事故現場に居合わせてしまう事があっても不思議ではありません。

もし、目の前で事故がおきたら。
赤の他人とは限りません。家族かもしれないし友人かもしれない。もしかしたら、一緒にドライブやツーリングに出かける仲間かも。
…その時、牛に何ができるだろう。あわてふためいて、何にもできないでいるのはどうだろう。せめて、自分に何か出来ることがあるならそれをやりたい。
そしてもし、牛自身が事故に遭って負傷した時、誰が助けてくれるだろうか。

7月7日土曜日、L.S.F.A. Driver's…いわゆるライフセービングで、ドライバーやライダーを対象とした緊急時の応急手当を目的とする講習会を受講してきました。
今までは、モータースポーツの関係者のみが対象だったようですが、今年(2007年)からはガイドラインが一部改訂になり(Life Supporting First Aid Basic Skills Fourth Edition)、さらに一般の人も参加できるようになったんだそうです。
会場が都内なので迷いましたが、こういうのは思い立ったが吉日。なかなか気がつかないものだし、他の用事と抱き合わせにして、思い切って参加することにしました。

都内某所。
朝9:30から16.30まで、休憩は挟むもののテキスト・DVD視聴・実技の繰り返しで内容みっしり。
自動車学校その他でも、応急救護について学ぶ機会が無かったわけではないけれど、もうだいぶ前。そうとは思っていたものの、応急救護の考え方も、最近はより効果的なものへと変わってきているのだなと強く実感しました。

とはいえ、決して難しくなったわけではありません。逆に、「一般市民ができる範囲の事、それをいかにあわてす、確実にできるか」という、現実的なものになっている感があります。
大きく変わっているのは次の点。

  • 呼吸の有無と、脈があるか確認→現在のガイドラインでは「呼吸の有無の確認」のみ。
    呼吸がなかったら心停止、または間もなく停止する可能性が高い。だったら下手に手間をかけるよりもすぐに人工呼吸を開始して、呼吸が入るかどうかで判断した方が早い」という観点。
  • 心臓マッサージ時、肋骨をたどって圧迫する位置を決める→これもシンプルになりました。「胸の線をむすんだ中心の胸骨を圧迫する」
    コレ本当に妥当だと思います。昔教わったときにも考えました。人工呼吸と心臓マッサージを何度も繰り返すのに、いちいち服の上から肋骨を辿るってどうなんだろうと。
  • 人工呼吸2回→心臓マッサージ15回で1セット→これは「人工呼吸2回、心臓マッサージ30回」に。
    とにかく心臓動かすのが先決なんでしょうね。

その他、人工呼吸の吹き込み方も、いっぱいに吹き込まずに、わずかに胸が上がる程度でよい、と変わってました。
吹き込みすぎる事で、肺ではなく胃に空気が流れ込み、胃の内容物が逆流して気道閉塞につながってしまうのを防ぐためだそうです。

講義では、負傷した人を発見したところから、呼びかけ、全身の状態の確認のしかた、心肺蘇生、AEDの使用方法までを、実技まじえて行いました。
参加者は12名程。
2~3人ずつ組んで、負傷者役と救護者役とコーチ担当になって繰り返し。
手順を頭で考えるとワケわからなくなるので、流れを体で覚えます。

中でも興味津々だったのはAED(自動体外式除細動器)の取り扱い。
近頃はいろんな施設に設置されてます。
心停止している場合には、迅速にAEDを使用することで、命をとりとめる確立が格段にあがるんだそうです。
Img012Img011

使用したのはトレーニング用ですが、 実際に通電しない意外は実物と同じ。
大きさは30×30cmぐらいです。
上の画像左のようなバックをあけると、画像右のように本体とパッドその他が入っています。
1人が心肺蘇生を行ないつつもう1人がAEDの準備をします。
訓練用の人形を使って、実際に装着、通電の操作も行いました。
下の画像のようにパッドを装着するんですが、その作業を行っている間にも、心肺蘇生は続けたままです。
Img005Img006_1

とはいえ、実際事が起きて、その場に応急処置が可能な人がどれだけいるのか…AEDは、経験があっても無くても、電源を入れると音声ガイダンスが流れて、その通りにすれば扱えるようにはなっています。(が、初めてではきっと戸惑うのでは。)

講義を受けた後に思ったこと。
1度講習を受けたからといって、完璧に理解できているわけじゃないのだ。
定期的に、繰り返しやっておかないと、すぐ忘れてしまうに違いない。

深呼吸の後「大丈夫ですか?私は応急手当ができますのでお手伝いさせてください」…実際に、誰か人が倒れている時に、この言葉が言えるだろうか。
牛が倒れているときに、誰かこの言葉をかけてくれるだろうか。

救急車を呼んだとして、早くて5分、交通事情が悪ければ8分、もしかしたらそれ以上かかります。
肝心なのは最初の5分。その間に、医療従事者ではない自分に、何ができるのか。
応急処置をしたとして、それで必ず助かるわけじゃない。
出来ることなんて、ほんの少しの応急処置だけだ。
そしてグローブが無かったら。吹き込み用具が無かったら。
出来ることなんて、ほとんど無い。

だからこそ、ほんの少しができるように。

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牛が今回受けたのは、
モータースポーツ・ライフセービング機構(LSO)のL.S.F.A Basicに準拠した、「CPR&AED -Training 認定コース」です。
「FIRST AIDER with CPR&AED Training」もありますが、こちらはモータースポーツ従事者(オフィシャルとか)を対象にサーキットなどでやってるみたいです。
ヘルメットを脱がせたりするのはFIRST AIDERのほうでオプションとしてやるみたいです。
オフィシャルじゃなくてもどこかで受講できないかなぁ。

LSFAは、乳幼児やこどもへの対処に特化した「for Children's」や成人を対象とした「Basic」があります。
Life Supporting First Aid