monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

芥川龍之介の詩

2009年07月17日 | 読書日記

 相聞 三

また立ちかへる水無月の
歎きを誰にかたるべき。
沙羅のみづ枝に花さけば、
かなしき人の目ぞ見ゆる。

 沙羅の花

沙羅のみづ枝に花さけば
うつつにあらぬ薄明り
消なば消ぬべきなか空に
かなしきひとの眼ぞ見ゆる

    (「芥川龍之介全集 第九巻」(岩波書店)より)