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monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

初雪

2011年11月08日 | 日本古典文学-和歌-冬

今朝はなほまだ霜枯れと見ゆるまで初雪うすき浅ぢふの庭(新後拾遺和歌集)

消えのこる霜かとみえて浅茅生の草もかくれぬ今朝のはつ雪(草庵集百首和歌)

庭のおもの真砂の上はみえわかで草ばにしろき今朝の初雪(俊光集)

霜がれのみぎはに立てる葦づつのひとへばかりに降れるはつ雪(夫木抄)

明けわたる峰の榊葉(さかきば)霜八(や)たび置くかとみれば雪ふりにけり(新続古今和歌集)

山川のこほりもうすき水のおもにむらむらつもる今朝の初雪(続拾遺和歌集)

高嶺(たかね)には消(け)ぬがうへにやつもるらむ富士のすそ野のけさの初雪(風雅和歌集)

はつみゆき降りにけらしなあらち山こしの旅人そりにのるまで(夫木抄)

めもはるに花かとぞみる霜枯れの草木もわかずふれる初雪(永久百首)


初雪の降らばと言ひし人は来(こ)でむなしく晴るる夕暮れの空(新拾遺和歌集)

霜の上にふるはつ雪の朝ごほりとけずもものを思ふころかな(拾遺愚草)

身をつめばあはれとぞ思ふはつ雪のふりぬることもたれにいはまし(後撰和歌集)

ふればかく憂さのみまさる世の中をしらでぞつもる庭の初雪

(2009年12月30日の「初雪」の記事は削除しました。)


霙(みぞれ)

2011年11月06日 | 日本古典文学-和歌-冬

かきくらししぐると見れば風さえてみぞれになりぬ浮雲の空(風雅和歌集)

降る雨のおとばかりして夕暮れにつもらぬ雪はみぞれなるらし(文保百首)

雪ならばかからましやはうちはらふ袖もしをるるみぞれ降るなり(六百番歌合)

天(あめ)の下ふるとはすれどはかなきは庭にたまらぬみぞれなりけり(永久百首)


霰(あられ)

2011年11月05日 | 日本古典文学-和歌-冬

あられふる真木の板屋のかたびさしおとにたててぞ冬は来にける(為家卿藤川題百首)

時雨にも木の葉にも似ず音たてて霰はしるき板びさしかな(藤河五百首)

はなすすき枯れ野の草のたもとにも玉ちるばかりふるあられかな(新後撰和歌集)

かきくらし霰ふりしけ白玉をしける庭とも人の見るべく(後撰和歌集)

ささ竹の大宮人の袖のうへにかざしのたまと降るあられかな(新後拾遺和歌集)

玉の緒のみだれたるかと見えつるは袂にかかる霰なりけり(道命阿闍梨集)

あられ降り玉と見れどもひろひおきてこころのごとく貫(ぬ)かば消(け)ぬべし(家持集)

道たえて人もたづ ねぬまきのとに冬の夜すがら霰おとなふ(堀河百首)

さゆる夜のまきのいたやのひとり寝にこころくだけと霰ふるなり(千載和歌集)

夜をさむみ霰たばしる山ざとは苔のむしろに寝覚めをぞする(堀河百首)

冬の夜のねざめにきけばかたをかのならの枯れ葉に霰ふるなり(風雅和歌集)

真柴ふくやどの霰に夢さめて有明がたの月を見るかな(千載和歌集)

(2009年12月2日の「霰(あられ)」の記事は削除しました。)


2011年11月04日 | 日本古典文学-和歌-冬

草の葉にむすびし露のけさみればいつしか霜になりにけるかな(続後撰和歌集)

すがの根もうつろひかはる冬の日に夕霜いそぐ山のした草(冬題歌合)

笹の葉のみやまおろしはさえくれてひと夜のほどにむすぶ霜かな(新千載和歌集)

日影(ひかげ)来(こ)ぬときはの山の下柴はとけずや霜のまたむすぶらむ(為家五社百首)

笹分くるたもとに風は音さえてしられず結ぶ野べの夕霜(新拾遺和歌集)

庭ふかき朽ち葉がうへも白たへに古枝(ふるえ)にこほる萩の朝霜(隣女集)

草がれのかど田の原のいなぐきにさらでもたてる霜ばしらかな(宝治百首)

(2009年11月29日の「霜」の記事は削除しました。)


冬の朝(あした)

2011年11月03日 | 日本古典文学-和歌-冬

高砂の尾上(をのへ)のかねの音(おと)すなりあかつきかけて霜やおくらむ(千載和歌集)

霜こほり衣手(ころもで)いたくさゆる夜(よ)の竹の葉しろくあくるしののめ(如願法師集)

霜こほる門田の面(おも)にたつ鴫(しぎ)の羽音(はおと)もさむきあさぼらけかな(続後撰和歌集)

今朝のまに降りこそかはれしぐれつるのちせの山の峰の白雪(新後撰和歌集)

鐘の音(ね)に今や明けぬとながむればなほ雪ふかし峯の白雪(続千載和歌集)

はしたかの尾上の雪の曙に真柴(ましば)をはらふ袖のさむけさ(新千載和歌集)

さびしさはいつもながめのものなれど雲まのみねの雪のあけぼの(新勅撰和歌集)