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菖蒲の花を飲んで-高祖の生い立ち

2006-08-06 22:59:22 | 十八史略を読む Ⅲ
十八史略を読む-Ⅲー143-梁1-菖蒲の花を飲んで-高祖の生い立ち



梁の高祖武帝、姓は蕭(しょう)、名は衍(えん)。斉室の遠縁に当たる。母の張氏が、あるとき庭先に菖蒲が花開くのを眼にした。だが、ほかのだれもこれに気づかない。瑞祥だというので花を摘んで飲んだところ、やがて武帝が生まれたという。




武帝は、英明で学識優れた人物だった。
東昏候即位の年、南雍州の長官として襄陽に駐屯していたが、内乱の起こることを見通して内密に軍備を整え、輩下に多数の勇士を招聘しておいた。またその一方では、竹材木材を檀渓の谷間に沈め、茅を刈り取って山のように積み蓄えておいた。




このため、兄の蕭懿の死を聞くや、ただちに東昏候討伐の旗をかかげて軍を動員し、檀渓にかくしておいた竹木と茅で軍船を艤装し、たちどころに戦闘態勢に入ることができた。
かくて一年ののち国都建康を陥れ、やがて禅譲を受けて梁朝を開いたのである。




「十八史略 Ⅲ 梟雄の系譜 :徳間書店、奥平卓、和田武司訳、1987年7月七刷」から




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