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第16回ゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクール・ファイナル

2024-06-22 16:43:15 | 音楽夜話(クラシック)
6月20日


第16回ゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクール・ファイナル


02:30-05:03 19.30-22.03 Espace2


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番 sz.95
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16


ダウマンツ・リエピンシュ Daumants Liepiņš(ピアノ)(1)


ドミートリー・ユーディン Dmitry Yudin(ピアノ)(2)


イリヤ・シュムクレール Ilya Shmukler(ピアノ)(3)


パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
2024年6月8日 チューリヒ、トーンハレ




ピアノ協奏曲3曲のコンサートなんてめずらしいなと
思いながら、深夜録音した。
よくよくプログラムを検索していくと、
「第16回ゲザ・アンダ国際ピアノコンクール」とでた。
ファイナルの演奏会だった。それで・・・。


5月30日~6月8日1次(36名)・2次(12名)セミ・ファイナル(6名)
・ファイナル(3名)というくくり。
課題曲もきっちり主催者側で決められていたりして、既定のプログラムを
用意させてそこで抽選して演奏。プログラム数も結構多く、格式のある
コンクールのようだった。コンテスタントのコンクール・サーキットも
あるようだけれど、日本からも進藤実優、吉田茜、尾崎未空、久末航、
黒田哲平、小林海都、各氏が出場。




第1ラウンド
PART1
スカルラッティーの課題のソナタのなかから1曲
バッハの平均律第2巻の前奏曲とフーガから
(前奏曲とフーガセットで)1曲。
スカルラッティーかバッハのどちらか1曲。


PART2
ベートーヴェンの課題のソナタ12曲中から、
候補3曲上げ、当日はその中の1曲。
PART3


ショパンの練習曲集Op10(第1~12番)
         Op25(第1~12番)


リスト:パガニーニによる大練習曲 S.141(第1~6番)
リスト:超絶技巧練習曲 S.139(第1~12番)
候補3曲上げ、当日はその中の1曲。


/参加者はオーディションの90分前に、オンライン応募で
選択した作品の中から各部分ごとに1曲ずつ、演奏する3曲が通知される。
/演奏順は自由ではない(パート1→3の順)






第2ラウンド


A大規模曲 B小規模曲 C自由選択曲5分程度。
リサイタルプログラムを3つ用意し当日はそれから1つ。


ピアニストがレパートリーにするであろう曲が
満載で、ここに上げるべくもないけれど、
色々コンクールの規則があり、コンテスタントも
用意が大変な様子が見て取れる。
第2ラウンド2日目に久末 航さんが残り、
セミ・ファイナルにすすんだ。36人中の12人に
残り、セミファイナルの6人にも名を連ねたのは
すばらしい。このコンクールでは日本人優勝者は
出ていないというコンクールらしい。


セミファイナル モーツァルトの協奏曲
課題中2曲用意し、その中の1曲を審査員が選択し当日演奏。
モーツァルト・セミファイナル進出者(6名)[演奏日]
Daumants Liepins, 29 (LV) [6.3] No17
Wataru Hisasue, 29 (JP) [6.3]  No 9
Dmitry Yudin, 23 (RU) [6.3] No24
Liang Dai (A Bu), 24 (CN) [6.3] N024
Kate Liu, 30 (US) [6.4] N020
Ilya Shmukler, 29 (RU) [6.4] NO17
コンテスタント使用ピアノはスタインウェイ1択の様だ。


コンクール中審査員のアルゲリッチの誕生日(6/5)あり
会場で祝った。
審査委員長の名に、リコ・グルダとあった。フリードリッヒ・グルダを
父に持つ50歳台で委員長を務めている。ピアニストであり、
裏方の仕事もこなしている。ショパン・コンクールはパスしても、
このコンクールはまだ骨があると考えるのか、アルゲリッチの参加は
やはり重みがあるように思う。


Daumants LiepinsのNO、17
セミ・ファイナルの初めは明るく輝かしくではないけれど、
何かこの曲のツボを抑えたような的確な演奏に思えた。
かたいわけでもないけれど、緩いわけでもない。
ある意味ちょうどよい感じが伝わる。


久末さんの9番「ジュノーム」を聴いてみる」。
ほんの気持ちあっさりしているかなとも思うけれど、
審査員はどうとるか。客席は割と受けていたが・・・。


Dmitry Yudinの No24 9番の後の24番はいいくじ引いたかも。
短調から始まるもののモーツァルトの陰りなどもうまく弾きこなしていた
感じもあり、ある意味曲に寄り添いつつ弾きこなしていたと思う。
オケと指揮がいい演出していたかも。
2楽章が落とし穴か。気を抜かないで行けた。


2日目。
Liang Dai の N024
しっとりと始まった24番。モーツァルトは簡単に聞こえて奥が深いと思う。
このようなコンクールでも、落とし穴はある。そこにあるかわからないのが
怖いところ。普通に弾けて当たり前。その上を目指さないと表現者として
問われる。音楽家としてこれからやっていくにしても、いばらの道の
様な感じもする。1音1音に心を込めて。作曲家に奉仕・・・。
終楽章で少しミストーンがあったかも。残念。もう少し拍手があっても
いいのでは・・・。


Kate Liu,の N020


曲の広げ方はいいと思う。温感もあるし、何がそぐわないのか
よくわからないけれど、モーツァルトは音を転がすだけでは
ダメなのかもしれない。少し粒があれてるかな・・・。
終楽章微妙に早いかな。緊張感と引き換え。終演後、ブラヴォー飛んだ。
多分今回お初。頑張った感がある。


Ilya Shmuklerの NO17
オケとの音の合い方は一番なのではないか。粒たちもいい。
モーツァルトが安定して聞こえる。まとめ方もやはりうまかった。
ブラヴォー2人目。


チャットに
「Even the orchestra sound more casual than yesterday」
とあった。オーケストラの音も昨日よりカジュアル(くつろいでとか
気軽というような意味か)に聞こえというコメントがついていた。
矢張り聞いた感じそうとらえる方もいたようだ。


そして、上のファイナルの記事に行くことになる。


ということはファイナル進出は


Daumants Liepins:ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番ト長調Op58
Dmitry Yudin:バルトーク・ピアノ協奏曲第2番SZ,95
Ilya Shmukler:グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16


の3人となり、演奏後の優勝者発表は、


1位 Ilya Shmukler +観客賞+モーツァルト賞
ハンガリーラジオ局芸術班特別賞


2位 Daumants Liepins
Dmitry Yudin
今回は3位なしの1位2位二人という結果。


久末航
リスト/バルトーク賞、ベートーヴェン賞


Daumants Liepins氏の4番の協奏曲は、調性の明るさを味方にして
良く健闘していたと思う。
Dmitry Yudin のバルトークは、難しい技巧もあるだろうけれど、
作品としてのまとまりの良さを求めていたのかもしれない。
バランスはよかったように思う。
グリーグはいろいろなところで弾き込んだのだろうと思う。
完成度も高い様に聞こえた。




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