4名の従業員の膀胱がん。福井地裁、福井市の三星化学工業の安全配慮義務違反を認定し、賠償命令をくだしました。会社は謝罪と賠償をおこなうべきです。
また、福井県は誘致した責任があり、会社に判決を受け入れ、誠意をもって対応するよう働きかけるべきです。
● 共同通信・・「三星化学工業(東京)の福井工場に勤務していた従業員ら男性4人が、ぼうこうがんを発症したのは化学物質への安全配慮義務を怠ったためだとして、会社側に計約3600万円の損害賠償を求めた訴訟で、福井地裁は11日、慰謝料など計1155万円の支払いを命じた。
判決理由で武宮英子裁判長は、化学物質「オルト―トルイジン」が健康被害をもたらす可能性があることを、会社側は遅くとも2001年には認識できたと指摘。その上で、作業服の着用を従業員に徹底させる義務を怠るなど、会社側に安全配慮義務違反があったと判断した。
三星化学工業は「判決内容を確認する」とのコメントを出した」
●福井県労連twitterより
膀胱がん多発の三星化学工業の安全配慮義務違反を問い、損害賠償請求した事件の判決の記者会見をおこなっている。義務違反を認定して、損害賠償の支払を命じた判決が下った。謝罪どころか、未だに膀胱がん発症すら認めない、裁判資料の閲覧制限を要求し裁判の公開性を阻害するなど、異常な会社だった❗
●私も2016年2月県議会で取り上げました。
■福井市の工場で膀胱がん多発
次に、労働災害に関して質問いたします。
染料や顔料の原料を製造する三星化学工業の福井市白方町にある福井工場で、従業員ら5名が膀胱がんを発症した問題について質問します。
同工場では、40から50代の男性5人が膀胱がんを引き起こすとの指摘があるオルト-トルイジンを扱い、2014年から15年に膀胱がんと診断され、労災を申請しております。オルト-トルイジンは、国際がん研究機関の発がん性リスク一覧にも掲載され、世界的にその危険性は周知されており、ヨーロッパなどでは使われておりません。このような危険物質が、労働者にその危険性が知らされないまま、県民の被害が拡大したことに怒りを禁じ得ません。発がん性物質を規制していないずさんな日本の政府の対応の問題、そして企業の責任が厳しく問われなくてはなりません。
私は、福井県に対し、今回の労働災害事件について、福井県庁の対応を問い合わせました。ところが、福井県は労働災害への対応は、国が一元的に所管しているため、福井県では調査、対応は行っていないと回答してまいりました。福井県が造成した工業団地テクノポートで、福井県が誘致した企業によって県民にがんの発症という重大な労働災害が起こったというのに、福井県が知らぬ存ぜぬで済ませようとする態度は許されません。何のために企業誘致を進めるのか。県民が、その企業によって健康被害を起こしてもいいのかという、行政活動の基本が問われるではありませんか。とにかく企業であれば、ブラックだろうが何だろうが構わないというのでしょうか。わかっているだけでも5人の福井県民にがんが発症した大事件であります。
そこでお尋ねをいたします。労働災害は、労働過程が安全であれば、基本的に防げるものです。そもそも福井県として、誘致した企業がどういう製品を製造する会社なのか、その製品またはその製造過程で、今回のように発がん性物質など危険物質を扱う工程はないのかどうか、もし扱う場合には、労働災害を防ぐ予防措置がどのようにとられているのかという基本的な調査、確認の措置を怠っていたのではありませんか。県の見解をお尋ねいたします。
また、アスベストの被害でも明らかなように、被害者はその工場の労働者だけに限られないおそれがあります。今回の工場でも、発がん性物質が舞い上がる中で換気装置を動かしながら作業をしていたそうであります。ということは、発がん性物質が広く工場の外に排出されていたと考えるのが妥当ではありませんか。アスベストによる肺がん認定では、工場から数キロの範囲で因果関係が認定されております。
県として、直ちに国とも協議し、近隣の事業所の労働者を含めて、一定の範囲で膀胱がんなどの発症事例があるのかないのか、ほかの地域と比べてその発症割合が高くなってはいないのかなどを念のために調査することを求めます。県民の命と健康を守る立場から、迅速な対応を求めますが、見解をお尋ねいたします。
◯産業労働部長(田岡卓晃君) 私からは、三星化学工業福井工場における膀胱がん発症の問題につきまして2点お答え申し上げます。
まず、県が誘致した企業がどういう製品を製造する会社か確認をしたのか、発がん性物資など、危険物質を扱う工程はないか、労働災害を防ぐ予防措置がどうとられているかなどの基本的な調査、確認についての御質問でございます。
三星化学工業につきましては、昭和62年にテクノポート福井に立地した際に、染料、顔料の中間物を製造する企業であることを、提出された書面により確認をしております。その上で、県は、この立地企業に対して、地域社会の発展に貢献することを求めるために、立地協定を締結しております。事業所の中での安全操業のために、労働基準法、消防法などの関係法令を遵守し、万全の予防及び防止措置を講じるよう、確約をさせております。加えまして、事業所の外に扱われる物質が排出されることなどによる公害の発生の防止につきましても、同様の趣旨のもと、公害防止協定を締結しております。
労働災害への行政の対応につきましては、特定の物質の取り扱いや予防措置を含め、労働安全衛生法等の関係法令に基づいて、厚生労働省が立入調査や措置命令などの権限を一元的に有しております。県としては現在、国がこの事案について調査に着手しておりますので、その推移を注視してまいります。
2点目といたしまして、これの関連で近隣事業所の労働者を含む一定範囲において、膀胱がんなどの発症事例がないのか、他地域と比べ、大気中の発がん性物質の割合が高くなっていないのか、調査が必要ではないかとの御質問でございます。
事業所の中での対応として、現在、厚生労働省は、労働安全衛生の観点から、同じ化学物質を扱っている全国57の事業所に対しまして、暴露状況、発症の時期、発生原因などについて調査を行っていると聞いております。まずは、その推移を注視してまいります。
また、事業所の外への影響の対応でございますけれども、県におきましては、公害防止の観点から、取り急ぎ昨年12月24日に、環境政策課の職員が現地にて、排ガスは排ガス処理施設により処理していること、粉じんは、フィルターにより処理していたことを確認をしております。また、排水は、テクノポート福井浄化センター──下水道でございますけれども、下水道へ排出をされており、廃油は産業廃棄物処理業者へ処理を委託していることをあわせて確認をしております。
●再質問
◯16番(佐藤正雄君) 公害防止協定、三星化学との関係ですが、公害防止協定に基づいて立入調査もしたということですけれども、実際、膀胱がんが発生した作業環境で換気扇を回して外へ出ていたというようなお話もお聞きしているわけですが、そういうことはなかったということを、県は確認しているかどうか、このことを1点お尋ねします。
◯安全環境部長(櫻本 宏君) まず1点目、公害防止協定に基づいて、昨年12月24日に安全環境部の職員が現地に調査に入っております。その際には、この施設内の排ガス処理施設、あるいはフィルターが適正に設置され、稼働していたことを調査、確認しております。また、さらに、これは平成25年8月でございますが、同じ公害防止協定に基づいて職員が立入調査をしていまして、これは抜き打ちで行ってございますけども、こうした公害防止施設が適正に稼働していたことを確認しているところでございます。
また、福井県は誘致した責任があり、会社に判決を受け入れ、誠意をもって対応するよう働きかけるべきです。
● 共同通信・・「三星化学工業(東京)の福井工場に勤務していた従業員ら男性4人が、ぼうこうがんを発症したのは化学物質への安全配慮義務を怠ったためだとして、会社側に計約3600万円の損害賠償を求めた訴訟で、福井地裁は11日、慰謝料など計1155万円の支払いを命じた。
判決理由で武宮英子裁判長は、化学物質「オルト―トルイジン」が健康被害をもたらす可能性があることを、会社側は遅くとも2001年には認識できたと指摘。その上で、作業服の着用を従業員に徹底させる義務を怠るなど、会社側に安全配慮義務違反があったと判断した。
三星化学工業は「判決内容を確認する」とのコメントを出した」
●福井県労連twitterより
膀胱がん多発の三星化学工業の安全配慮義務違反を問い、損害賠償請求した事件の判決の記者会見をおこなっている。義務違反を認定して、損害賠償の支払を命じた判決が下った。謝罪どころか、未だに膀胱がん発症すら認めない、裁判資料の閲覧制限を要求し裁判の公開性を阻害するなど、異常な会社だった❗
●私も2016年2月県議会で取り上げました。
■福井市の工場で膀胱がん多発
次に、労働災害に関して質問いたします。
染料や顔料の原料を製造する三星化学工業の福井市白方町にある福井工場で、従業員ら5名が膀胱がんを発症した問題について質問します。
同工場では、40から50代の男性5人が膀胱がんを引き起こすとの指摘があるオルト-トルイジンを扱い、2014年から15年に膀胱がんと診断され、労災を申請しております。オルト-トルイジンは、国際がん研究機関の発がん性リスク一覧にも掲載され、世界的にその危険性は周知されており、ヨーロッパなどでは使われておりません。このような危険物質が、労働者にその危険性が知らされないまま、県民の被害が拡大したことに怒りを禁じ得ません。発がん性物質を規制していないずさんな日本の政府の対応の問題、そして企業の責任が厳しく問われなくてはなりません。
私は、福井県に対し、今回の労働災害事件について、福井県庁の対応を問い合わせました。ところが、福井県は労働災害への対応は、国が一元的に所管しているため、福井県では調査、対応は行っていないと回答してまいりました。福井県が造成した工業団地テクノポートで、福井県が誘致した企業によって県民にがんの発症という重大な労働災害が起こったというのに、福井県が知らぬ存ぜぬで済ませようとする態度は許されません。何のために企業誘致を進めるのか。県民が、その企業によって健康被害を起こしてもいいのかという、行政活動の基本が問われるではありませんか。とにかく企業であれば、ブラックだろうが何だろうが構わないというのでしょうか。わかっているだけでも5人の福井県民にがんが発症した大事件であります。
そこでお尋ねをいたします。労働災害は、労働過程が安全であれば、基本的に防げるものです。そもそも福井県として、誘致した企業がどういう製品を製造する会社なのか、その製品またはその製造過程で、今回のように発がん性物質など危険物質を扱う工程はないのかどうか、もし扱う場合には、労働災害を防ぐ予防措置がどのようにとられているのかという基本的な調査、確認の措置を怠っていたのではありませんか。県の見解をお尋ねいたします。
また、アスベストの被害でも明らかなように、被害者はその工場の労働者だけに限られないおそれがあります。今回の工場でも、発がん性物質が舞い上がる中で換気装置を動かしながら作業をしていたそうであります。ということは、発がん性物質が広く工場の外に排出されていたと考えるのが妥当ではありませんか。アスベストによる肺がん認定では、工場から数キロの範囲で因果関係が認定されております。
県として、直ちに国とも協議し、近隣の事業所の労働者を含めて、一定の範囲で膀胱がんなどの発症事例があるのかないのか、ほかの地域と比べてその発症割合が高くなってはいないのかなどを念のために調査することを求めます。県民の命と健康を守る立場から、迅速な対応を求めますが、見解をお尋ねいたします。
◯産業労働部長(田岡卓晃君) 私からは、三星化学工業福井工場における膀胱がん発症の問題につきまして2点お答え申し上げます。
まず、県が誘致した企業がどういう製品を製造する会社か確認をしたのか、発がん性物資など、危険物質を扱う工程はないか、労働災害を防ぐ予防措置がどうとられているかなどの基本的な調査、確認についての御質問でございます。
三星化学工業につきましては、昭和62年にテクノポート福井に立地した際に、染料、顔料の中間物を製造する企業であることを、提出された書面により確認をしております。その上で、県は、この立地企業に対して、地域社会の発展に貢献することを求めるために、立地協定を締結しております。事業所の中での安全操業のために、労働基準法、消防法などの関係法令を遵守し、万全の予防及び防止措置を講じるよう、確約をさせております。加えまして、事業所の外に扱われる物質が排出されることなどによる公害の発生の防止につきましても、同様の趣旨のもと、公害防止協定を締結しております。
労働災害への行政の対応につきましては、特定の物質の取り扱いや予防措置を含め、労働安全衛生法等の関係法令に基づいて、厚生労働省が立入調査や措置命令などの権限を一元的に有しております。県としては現在、国がこの事案について調査に着手しておりますので、その推移を注視してまいります。
2点目といたしまして、これの関連で近隣事業所の労働者を含む一定範囲において、膀胱がんなどの発症事例がないのか、他地域と比べ、大気中の発がん性物質の割合が高くなっていないのか、調査が必要ではないかとの御質問でございます。
事業所の中での対応として、現在、厚生労働省は、労働安全衛生の観点から、同じ化学物質を扱っている全国57の事業所に対しまして、暴露状況、発症の時期、発生原因などについて調査を行っていると聞いております。まずは、その推移を注視してまいります。
また、事業所の外への影響の対応でございますけれども、県におきましては、公害防止の観点から、取り急ぎ昨年12月24日に、環境政策課の職員が現地にて、排ガスは排ガス処理施設により処理していること、粉じんは、フィルターにより処理していたことを確認をしております。また、排水は、テクノポート福井浄化センター──下水道でございますけれども、下水道へ排出をされており、廃油は産業廃棄物処理業者へ処理を委託していることをあわせて確認をしております。
●再質問
◯16番(佐藤正雄君) 公害防止協定、三星化学との関係ですが、公害防止協定に基づいて立入調査もしたということですけれども、実際、膀胱がんが発生した作業環境で換気扇を回して外へ出ていたというようなお話もお聞きしているわけですが、そういうことはなかったということを、県は確認しているかどうか、このことを1点お尋ねします。
◯安全環境部長(櫻本 宏君) まず1点目、公害防止協定に基づいて、昨年12月24日に安全環境部の職員が現地に調査に入っております。その際には、この施設内の排ガス処理施設、あるいはフィルターが適正に設置され、稼働していたことを調査、確認しております。また、さらに、これは平成25年8月でございますが、同じ公害防止協定に基づいて職員が立入調査をしていまして、これは抜き打ちで行ってございますけども、こうした公害防止施設が適正に稼働していたことを確認しているところでございます。