みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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あぜくらの集い 鼓の魅力

2005年06月03日 | 能・狂言
 国立能楽堂に於いて生田コレクション展が開催されていますが、それに合わせて、あぜくら会限定の公演「あぜくらの集い〜鼓の魅力」が催されました。(画像は生田コレクション展のチラシです。)
 あぜくら会は国立劇場(歌舞伎・文楽)や国立能楽堂のチケットが優先で買える会です。私は入っていませんが、会員の友達が応募して当たったので、幸いな事にお誘いを受けました。葉書には「指定席のため、必ず出席してください」と命令が。お国からの召集令状なので、背くわけにはいきません(笑)
 その前に、このblogにも来て下さる方二人と銀座で待ち合わせ。歌舞伎座近くの東銀座ナイルレストランにてランチをしました。時々無性に食べたくなるんです、ここのムルギーランチというカレー。

 公演が3時からですが、早くついたので、展示室の生田コレクションを見ました。昨秋の京都の展示会の時よりもお役所関連なのか色はありませんでしたが、(京都は蒔菓子展や、小鼓体験コーナーがあった。)陳列してある小鼓は99点と京都よりも多かったし、大鼓の胴もありました。やっぱりすごいですね。カンナ目もさることながら、蒔絵も美しいです。カンナ目が青海波のものは、ほんと綺麗です!!でも、ここで早く来て正解!と思いました。白衣を着たお姉さんたちが、今日使う小鼓をどんどん持っていったので、その前に一応一通り見たので、早めに来てラッキーでした。まだ人が少ないうち、生田さんからも直接お話を伺えたりして良かったです。その後、公演のお客さんが溢れんばかりに会場を埋め尽くしましたから。でも、やはり鼓というか楽器は音を出してあげてこそ価値が出るものだと思いました。もちろん美術品としての価値もあると思いますが、絵画とは違いますからね。

 会は第一部が小島美子さんと生田さんのお話など主に鼓のお話です。
 鼓は室町・安土桃山時代は烏胴(黒無地)やニスを塗っただけのような素のものが多く、蒔絵が施されるようになったのは、大名のお抱えになった安土末期から江戸時代からだそうです。だから、古いものほど蒔絵と胴の時代が一致しないと。江戸からはほぼ同時だというそうです。
 形状、長さも室町・安土のものはバラバラでした。これも形状が平均化されたのは江戸から。蒔絵も洒落っけ(小鼓の音からタンポポなど)や能楽、万葉集からとった絵が多いということ。
 
 お話の後は、生田コレクションを使った小鼓四流派(幸・幸清・大倉・観世)による実演解説。それぞれの流派から、幸清次郎師、曽和正博師、大倉源次郎師、観世新九郎師が舞台に。大倉流を習っていて、舞台でも大倉流を見ることが多い私はこれが面白かったです!!
 音は流派というよりも人によって違うと思うので、そういう違いは置いておいて・・・調べ緒のかけ方も流派ごとによって違うし、小締に指を通す&横紐に指を通すのは大倉流のみです。幸流と持ち方が違うというのは認識していましたが、知らなかった!!あとプ(低い音、乙の小さい音)の打ち方も大倉流だけ違うのですね。長地という手も流派により全然違うし、私にとっては異文化を知ることができました(笑)
 そして、次は鼓を打ち比べ。まずは源次郎さんが同じ皮で二つの胴を打ち比べました。やっぱり全然ちがいます。その後、四人で一つの胴をご自分の皮を使って打ち比べ。なかなかこういうものは滅多にというか今後見られないであろう貴重な打ち比べでした。これも全然音が違いました。普段使っているものとクセが違うというのもあるらしいです。これも人により、そしてまた皮により左されるのでしょうね。とにかく貴重な打ち比べでした!!!(でも、ややマニアックか?!)

休憩の後は一調、素囃子という演奏です。
一調一声『小督』小鼓:幸清次郎  謡:観世銕之丞
一調『蝉丸』  小鼓:大倉源次郎 謡:辰巳満次郎
一調一声『玉葛』小鼓:曽和正博  謡:武田 孝史
一調『錦木』  小鼓:観世新九郎 謡:浅井 文義
素囃子 『神楽』笛:成田寛人 小鼓:森澤勇司 大鼓:高野彰 太鼓:三島卓

 このように、小鼓メインの会は私にとってはかなりおもしろかったです。そして、誘ってくれた友人は初めての能楽だったのですが、楽しんでもらえてよかったです!私が「源次郎さん、素敵です!」なんて言ってたせいもあると思いますが、友人は「イケメン!」「メンズ雑誌のモデルもいける!」「ピアノを弾かせたい指」と言ってました。改めてレディキラー(?!)な能楽師だなと思いました。(笑)