雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

大義名分 ・ 小さな小さな物語 ( 683 )

2015-03-16 10:06:31 | 小さな小さな物語 第十二部
突然というわけではないのでしょうが、衆議院解散が実現しそうな状況になってきました。
テレビ番組を見ていての感想ですが、多くのコメンテーターや評論家といわれる人などが様々な意見を述べている中で、「この人がこれほど断言してしまっていいのだろうか?」と思わせる発言がありました。政権中枢に相当近いと思われる二人の方が、全く別の番組で年内解散を予測されていたのです。十日以上前のことです。
その時、若干不思議に思いながら見ていましたが、同時に「解散あり」が感じられました。二人とも、そうそう無責任な発言をされない人だけに、あれは、単に予測が当たったのか、解散ムードを醸し出すためのものであったのか、今も判断しかねています。

今週に入って、俄然解散風が吹き荒れて、今では首相の宣言待ちといった感じになっています。
そうなりますと、やはり思っていた通り、あちらこちらから「大義名分」という言葉が聞かれ始めました。
この解散に大義名分があるのかどうか、何を持って大義名分とするのか、などと大見得を切っておられる人が何人もいるようです。
つい先日まで、「うちわ」か「うちわもどきか」などといったレベルの論争に忙しかった人たちから、大義名分云々といった話を聞くのも少々白けてしまいます。

「大義名分」という言葉は、もともとは儒教的な考え方からきたもので、本来は「臣下としての守るべき道義や節度や出所進退などのあり方」を指す言葉ですが、今日では、「行動を起こすにあたっての、その正当性を示す道理や根拠」を指すことが多くなっています。
また、この言葉、特に「大義」という言葉は、幕末の勤王の志士と呼ばれた若者たちが好んで用いたらしく、今日でも、「大義」だとか「大義名分」などと言えば正義の味方のような錯覚を持つ人が多いように感じられます。

まあ、正しくは、衆議院の解散も、消費税率引き上げの先延ばしも、まだ何も決定していないわけですが、それらが正式に決定して選挙戦が始まるまでの間の各政党や政治家の発言や動向をしっかりと見ておきたいものです。選挙中よりも、意外な素顔が見えることが多いからです。
一票の価値が、建前論でいわれるほど重いとは思いませんが、世界中には、まともな選挙が行えない人々が数多くいることを考えれば、やはり真剣な一票をどう行使するか、今から考えていきたいと思っています。

( 2014.11.16 )

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