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根木勢介 さんの記事・・・観光ガイド:人間の魅力、その伝え方 2-1

2013-01-05 | 根木勢介 さんの記事
根木勢介 さんの記事・・・観光ガイド:人間の魅力、その伝え方 2-1
 
 
 観光ガイドでは、人間の魅力について語ることも多いですね。
その時に皆さんは、どのように観光客の方に伝えていますか。
以前、観光ガイドの方法:対比する、と言うことを書きましたが、今回は、
西郷さんと中村半次郎(桐野利秋)を題材に取り上げてみました。
 
◎参考にしたのは、次の本で、その抜粋です。
■人間的魅力の研究:伊藤肇著・新潮文庫より、の抜粋
 
●第一等の資質は、”深沈厚重”(38p)
・・・。
第一に「魅力を出そう」と思ったところで出てくるものではないし、
また、前にも触れたが、それがある人にとっては魅力であっても、他の人は、
「何も感じない」と、そっぽをむくかもしれない。
それでいながら、「魅力がある」ということも厳然たる事実だし、「魅力がない」
ということも、また、厳然たる事実である。
しかも、最後にものをいうのはやはり、魅力である。
ところが、この複雑怪奇な、ややこしい「魅力」を、あえて分析した学者が
いる。明末の碩学(せきがく)、呂新吾(ろしんご)で、その著『呻吟語
(しんぎんご)』の中で明確に三つにわけている。
 
 深沈厚重ナルハ是(こ)レ第一等ノ資質。
 磊落(らいらく)豪雄ナルハ是レ第二等ノ資質。
 聡明才弁ナルハ是レ第三等ノ資質。
 
そしてさらに次のような解説をつけ加えている。
 
 「厚重深沈ナルハ、是レ第一等の資質ナリ。天下の大難ヲ収ムル者ハ
 此ノ人ナリ。剛明果断ナルハ之ニ次グ。其ノ他、浮薄ニシテ、好ミテ
 任ジ、能ヲツマダテテ自ラ喜ブハ、皆、行、逮(およ)バザル者ナリ。
 即(も)シ、諸(これ)ヲ行事ニ見(あら)ハセバ、施為(セヰ)、
 術(すべ)ナク、反(かえ)ッテ以(も)テ事ヲ僨(ヤぶ)ル。
 此等ハ只(た)ダ談論ノ科ニ居ルベキノミ。
 
●善悪を越えて生死を共に・・・(44p)
「深沈厚重」の魅力で思い出す人物がもう一人いる。西郷隆盛である。
・・・。
※伊藤肇さんが、上げている第一等の人物は、他には、良寛さん。
 
●「芋の贈」から「命の贈」へ
 
以下、西郷の心の軌跡をたどってみよう。
 
「唐虞(とうぐ)ノ治、タダ是レ、情ノ一字ノミ。極メテコレヲ言ヘバ、万物
一体モ情ノ推ニ外ナラズ。」
 
唐虞とは、堯(ぎょう)帝と舜(しゅん)帝のこと。堯舜は中国史上、最も
理想的な治世を実現したが、その政治の帰着するところは「情」の一字であり、
さらに敷衍(ふえん)すれば、宇宙の万物を一体とみる「仁」の心も実はこの
「情」を推し及ぼしたものにほかならないのである。
 
 中村半次郎すなわち後年の桐野利秋が若き頃、西郷を訪れて入門を
乞(こ)うた。
その時、半次郎は極貧状態で、師に贈るものとてなく、考えたあげく、自分が
作った芋を持参することにした。
西郷の前へ出て丁重なあいさつをして、やおら、きたない包みを開いて芋を
取り出すと、「貧しいおいどんの土産でごわす」といった。
半次郎のやつ、何を贈するか、と興味深々で眺めていた門下生たちは、それが
芋だとわかると、どっと笑った。瞬間、色をなした西郷が左右をにらみつけて
怒号した。
「半次郎どんは、何の贈もなかとじゃによって、自分で耕してつくったから芋ば
おいに捧(ささ)げるというちょる。こいつは、半次郎どんの丹精をおいにくれる
こつじゃ。こい以上の贈はごわさん。その誠をしらず、ものの高で人間を律する
ようなヤツばらは、おいの門下ではなかじゃ。」
そして、半次郎の方を向くと、「西郷、ありがたくちょうだいつかまつる」と
深々と頭を下げた。
半次郎はこの時、命を捧げるのはこの人以外にない、と心に誓い、以来、その心の
約束を命が終わるまで持ち続けた。
「芋の贈」から「命の贈」となったのである。
 
 
※以上が、「第一等」の資質の魅力、でした。
次回は、「第二等」の資質の魅力、について書きます。
 
 
根木勢介  携帯:090-2825-2069
 
 
 
 
 
  先日、「土佐勤王党コース」をご案内しました。
 
  心配した”やぶ蚊対策”ですが、Yさんお勧めの「シュウ、シュウ」が、
 役立ちました。(Yさん、ありがとうございました。)
 兵庫県芦屋市からの若い夫婦で岡田以蔵のお墓まいりをしたくて勤王党コースを
 選んだそうです。
 (奥さんは、京都出身、奥さんの京都弁が、「心地よかった」。
 京都弁に『クラッ』?!となりました。)
 
 ネット(映像)検索でお墓は、すでに見られていたのですが、実際のお墓を
 見たくなったそうです。
 以蔵ファンの奥さんに引っ張られているのがご主人、そのようなご夫婦でしたが、
 お墓まいりのための線香とお花をチャンとご用意されていました。
 その心がけに感心させられました。
 われわれガイドもこの心・配慮は、必要かな?
 
 以蔵ファンなので、当然(?)司馬遼太郎の「人斬り以蔵」は読まれてました。
 
 土佐勤王党コースを受けた時、以蔵についてどのような「ガイド」をするか、
 悩んでいました。
 ガイドの方法のひとつとして、『対比』があると思っています。
 人物や建物でも、対比できそうな人・物を引き合いに出して「ガイド」を
 する方法です。
 
 以蔵に対比する格好な人は、「中村半次郎」だと思います。
 
 
 ふたりは、①下級身分に生まれ、②真剣勝負にすぐれ、③学問の素地に乏しい、
 ④大物の引立て者がいた。
 しかし、その性格・生き方は一方は、①社交的な人、②劣等感を持たなかった人
 (尊藩、弊藩の誤使用はなしは、有名)、③「テロ」には消極で、
 ④周囲の人に好かれた。
 
 ★半次郎とお龍さん(龍馬)にまつわる話:龍馬研究会の会報に書いたことがあります。
 
  ○利秋(半次郎)、おりょうの寝室を襲う
  私がまだ寺田屋にいた時分ですが、ある日の夕方、桐野利秋(そのころ村上伴左衛門と
  偽名す)が大山実次郎らと共に江戸から来て、寺田屋へ泊まり込みました。
  ・・・。「あなたひとつお召りなさい。暴れたってしようがないじゃありませんか。
  つまりはあなたの器量を下げるばかりですよ。今夜は私がお相手をいたしますから、
  充分召し上がってください。」と恐るる色もなく夜更けまで、人も呑み自分も呑むで、
  利秋らが酔い倒れている隙を窺い(うかがい)、そっと勝手へ下りて、跡仕舞の
  手伝いなどして、己の部屋で寝ていますと、夜中になって襖の外に人のいるようですから、
  何事かと気をつけていますと、突然入って来た人を見ると利秋です。私を捉えて、
  「こら、貴様は今夜は俺の寝室へ来て寝ろ」と恐い顔をしておどしかけると、私は
  せせら笑い、「冗談言っちゃいけませんよ。・・・。」
  ・・・。
  「君、冗談しちゃあいけないぜ。ありゃ土州の坂本の妻だ。君も僕も顔を知らないから
  無理はないが、僕はこの短刀に見覚えがある。・・・。君、とんだことをしたなあ。」
  と言いましたから、利秋はびくりして、色々わびいり、翌日私を中の島へ連れてゆき、
  御馳走をして、
  「どうか昨晩のことは、坂本氏へ内証にしてください。」とほうほうの体(てい)で
  薩摩へ帰ったそうです。
 
   ―以上は、「わが夫坂本龍馬 おりょう聞き書き」一坂太郎著58~59ページより―
 
 
 
「半次郎の映画」(昨年9月大阪などで劇場公開)のDVDを持っています。
私の次男が、この映画の制作に関わりました。
興味ある方には、お貸しします。
 
根木勢介  携帯:090-2825-2069
 
   
  

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