食料・食糧の生産国から日本の我々が消費するまでの「距離」をフードマイレージと言う。
ある日自宅の冷凍庫を開けた。
そこにある魚の冷凍、北欧・フィンランド産の「冷凍鯖」とある。我が家の冷凍庫に遠距離から来たフードマイレージ。
思わず冷凍庫をバタンと閉めた。なんで、世界有数の魚産出国である日本の冷凍庫に「北欧冷凍鯖」なのか?
しかも大衆魚と言われる「鯖」なのである。
高知では、毎日捕獲され市場や個人で消費されているサバ。
「清水鯖」と言う高級魚(めっぽう高い)、があれば、室戸産の「無神経鯖」などと言う高級魚も後を追ってきている。
こんないつでも手に入る大衆魚のサバが、冷凍され遠距離を空輸されてきている。
なんたることか・・・!
しかももっと「腹立たしい」のは、この冷凍鯖がメッポウ旨いのである。
焼き鯖にして少し醤油をたらせば、至福の味を楽しめる。
腹立たしいこの現状を嘆くだけでは何ら解決には至らない。
前回に続いて、マイブームの「地産地消の旨いもの」を紹介する。
中土佐町の小高い丘に黒潮工房がある。
ここの「干物定食」をお薦めする。一夜干し(ひいといぼし)のアジかサバ、それに「くれ天」と一緒にコンロがやってくる。
ご飯に味噌汁、煮物にデザート。
すべて土佐久礼でとれたものばかりである。
なによりもコンロからジワァーっと伝わってくる「炭火」が嬉しい。焼きあがってくる干物の匂いも身にしみてくる。
もちろん、土佐の本場の鰹のタタキもお薦めする。
県外からのお客様を案内する時には、黒潮本陣の露天風呂とセットにしている。
帰り道では、久礼の人たちが栽培し絶品に仕上げた、風工房のイチゴケーキ。
当然、久礼市場の魚菜市場の美味しい魚采を買って魚づくしの夕食至福のひと時を・・・!
(エッセイスト・太田紘志)
エッセイスト・太田紘志 さんの記事
日本の食糧自給率は、カロリーベースで約4割と言われており、世界各国からの輸入に頼っている。
世界各国の食料輸入先を測るフードマイレジーがある。その国がどこの国から輸入したのか?その距離を表す数値である。
この数値によると、日本がダントツの一位である。言い換えれば日本人の胃袋は、全世界の食糧輸入に頼っている事に。
現状を嘆くだけではなんら解決には至らない。
そこで今流行の「地産地消」を登場させよう。
つまり地域の旨いものを紹介する。
ずばり「浦戸定食」である。みませや浦戸の魚類が中心である。
ウツボの唐揚げ・めひかりの唐揚げ・ちりめんジャコ・味噌汁・茶碗蒸し・果物など地元でとれた物ばかりである。
その定食は、国民宿舎 桂浜荘にある。
県外からのお客様が来た時には、桂浜荘の展望風呂とセットでご案内をしている。
隣の県立坂本龍馬記念館・桂浜の坂本龍馬像も加えれば最高のおもてなしとなる。
(エッセイスト・太田紘志)