高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

「胸を張って負け犬になれない者は、勝者にもなれない」

2010年02月21日 02時48分18秒 | ●“私を支える”一言・本・音楽.etc・・・
ネットの世界は、思わぬ出会いを作ってくれます。

それが人であったり、本であったり、音楽であったり。

そして、一言のこともあります。


今日、ネットで調べ事をしていて、こんな一言を知りました。

「ゴールデンラズベリー賞」をWikipediaで検索していてのこと。

ハル・ベーリーが第25回授賞式で、最低主演女優賞を受賞したのですが、その時に出席して語った言葉です。

「ゴールデンラズベリー賞」は通称、「ラジー賞」とも云われ、アカデミー賞の対極にある、その年の最も駄作と評価された映画に贈られる賞のことですが、賞の意味合いからトロフィーを受け取りにくる者はほとんどいないそうです。

第8回でラジー史上初めて、トロフィーが受賞者の手に渡り、その時の受賞者は『ビル・コスビーのそれ行けレオナルド』で3部門受賞したビル・コスビー。

授賞式に出席しませんでしたが、のちに出演したテレビ番組の中で、そのトロフィーを受け取ったそうです。

授賞式でのトロフィー授与が初めて実現したのは、第16回授賞式で最低作品賞・監督賞など7部門を受賞した『ショーガール』のポール・バーホーベン監督。

ハル・ベリーは、2004年公開の『キャットウーマン』で、最低主演女優賞を受賞して出席したのですが、逆にその懐の深さに授賞式参加者から、満場の喝采を贈られたそうです。

そこでの演出がウイットに富んでいて、彼女が2001年に『チョコレート』で受賞した、オスカー像を持参して左手に持ち、右手にはラジー像を抱えて、アカデミー賞主演女優賞を受賞した時の、スピーチをパロディーで演じ切り、涙まで流して見せたとか。

そのことで、聴衆からさらに大喝采を得たそうなんですが、彼女が子供の頃に母親から、「胸を張って負け犬になれない者は、勝者にもなれない」と言われたことが、出席した理由だと語ったそうなんです。

自分の子供が一等賞や、主役ではないと嫌だと騒ぐ、どこかの国の母親達とはえらい違いです・・・

また、こうも語ってます。

「アカデミー賞を受賞したからといって良い作品とは限らないし、逆にラジー賞を受賞したからといって必ずしも悪い作品とは限らない。私はあの役を精一杯演じたし、作品に出演した事も後悔していない。そのことを伝えたかったのよ。」と。

本当の“成功”と云うのは、“失敗”とセットのような気がします。

また、オリンピックネタになってしまいますが、誰かがメダルを獲得すると、必ずと云っていいほど、選手がそれまでの逆境だった頃の事を、マスコミはことさら美談に、仕立てようと思えてなりません。

成功のために失敗が当り前と思えば、ここまで騒ぐのは異様に見えますし、もっと騒ぐべき本質があると思います。

大体、美談はマスコミが騒がなくても、その選手の顔に滲み出て、感じ取る能力は見ている人にあります。

選手は進化しているのに、マスコミがドンドン退化している様に思えてなりません。


美しいものは、騒がなくても伝わるものです・・・
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