サバイバル旅行になった昨秋大変お世話になったリヨン在住の日仏カップルの娘さんが今年の3月に我が家に一週間ほど滞在した。
彼女のお父さんが息子さんと来日したのは2021年の夏で、コロナの規制が厳しいころで、もちろん日本では到着後隔離必須の時だった。
到着日に最悪空港で寝ることになるかもしれないとのことで、男性2人でやってきたのだった。
運よく?空港泊は免れ、無事レンタカーで移動もできて、実家での一週間の隔離(だったと思う)をされてから、奈良へ来られ、その時は彼らの家(貸家にしていたのだが、コロナで空いてしまっていた)そこに滞在されていて、帰国前に一泊わが家にお父さんだけ泊まった。(息子さんは先に帰国)
今年は隔離もなくなり、ブリジットさんと娘さんの2人で来る予定だったのだが、ブリジットさんの外科的手術があり、娘さんのみだった。
彼女は日本の高校を卒業し、4年ぶりの来日とあって、相当楽しみにしていたようだ。
昨年からモード系の専門学校の研修でパリで働いている。
残業はもとより、休日返上になることも多く、「嫌ならやめてくれて結構」というなかなか厳しい研修だそうだ。
彼女がパリに滞在する際、そのアパートについて、どこか知らないかとブリジットさんから私に相談があった。2019年のクリスマスに滞在していたアパートというか、貸し部屋を紹介したところ、長期になると家賃が安くなるので、そこを借りて住んでいる。
私も2021年の春に3ヵ月滞在の夢があったので、もしかしたら貸してもらうことになったかもしれないところであった。
ここは少しパリの郊外だが、メトロ1号線が通っていて、ストの時も自動運転のため、影響を受けないという利点があると彼女も言っていた。また仕事で遅くなる彼女にとって治安がいいことも魅力だと言っていた。
この家は2軒分を一つにしたような家なので、半分を貸家にしていて、半分に大家さんのミッシェルとピエールが住んでいるので、何かあっても安心ではある。ただ欠点もある。キッチンももちろん別にあるが、貸し家の方は簡易キッチンであること、また他の賃借人が入ればその人と共用になる。彼女の場合は、その部屋も友人が借りているので問題がないそうだ。
しかし、大家さんの奥さんはかなりきっちりしているので(元高校の校長)、私が借りた時も言っていたが、「日本人に、そして、できればある程度の年齢の人に貸したい。」と言っていた。つまり部屋をきれいに使ってくれるからということであった。
彼女たちも厳しく注意されることが時々あるとか。
でもパリで(あえてパリといえるくらいの立地)、この料金でというのはかなり難しいので、若い彼女たちにとってそれは目をつぶってもいいくらいらしい。
前置きが長くなったが、彼女の来日時の宿泊先の相談で、もちろん快く「どうぞ我が家に好きなだけ」と申し出たのだった。ブリジットさん曰く、「日本人で本当に例外的」と言ってくれたが、私たちはフランスで友人宅に泊めていただくので、その恩返しをこめての申し出である。
それがたとえ直接お世話になった人でなくてもいいのだ。こうしてお返しさせていただくから、エスカレーターのように一方的に何度もこちらがお世話になる人に対しても恩返しになっていると思うと少し気が楽になる。
それが私たち流の交流ということだ。