夜遅くに向かったところは、アヴィニョンの城壁の内側のアンリ夫妻の親友宅だった。
この夫妻は2018年の春に来日した。しかし他に4人の友人と一緒で6人だったこともあり、
奈良を案内することになっていたが、東大寺の出口を出たところでの待ち合わせだった。
うまく会えるか心配だった。何しろ時間通りに見学を終えて出てくるのかわからないからだ。
案の定、待ち合わせの時間には出てこなくて、かなり待つことになった。が、私たちも慣れたもの?で待っている間に出てきて同じように腰を掛けて休んでいるフランス人に話しかけてみたりして、退屈することなく、待っていた。
アランの6人組は、どの人も感じのいい人だった。全員が南仏の人ではなく、確かアルザスとか他の地方の人たちだった。
(クリックすると写真は大きくなります↓)
東大寺を見てしまった人にどこに連れていけばいいのか、とりあえず二月堂、春日大社から奈良町の方へと歩いた。
クリックすると写真は大きくなります↓)
そのまま京都に戻ると言う彼らを招待することもできず、お茶を一緒に飲むのが精いっぱいであった。和菓子店の離れのようなところで、貸し切り状態。みんなでカキ氷を食べたのだが、喜んでくれてほっとした。
アンリの話によるとご主人のアランは大きな病気をしてかなり危ない状態だったとかで来日時より痩せていると言っていた。
外まで迎えに来てくれたアランは、私に「〇〇」と夫の名前を言った。私が「△△」と言い直すとその時はニコニコ笑っていた。
わからなかったのかな?と思った。
そして中に入っていくと、奥さんのアンヌマリーが待っていた。
私が自己紹介をすると、アランが奥さんのことを「アランだ」 そして自分のことを「アンヌマリー」というではないか。つまりさっきの名前のミスを自分たちの名前を逆に言うことで、わざと言ったんだよ、知っていたよ。と言いたかったのだ。(間違えたことの照れ隠しである)
もう、これだけで、どれほど人がいいかがわかると言うものだ。その後も何度もこんなふうに私たちを笑わせてくれた。真面目な顔をして。
ここの料理は好きなものばかりだった。ブッフブルギニオン(牛肉の赤ワイン煮)をあっさりさせたような牛肉とジャガイモの煮込みに、ジャガイモのグラタン、デザートはタルトシトロン(レモンのタルト)だった。
大病のあとで少し元気がなさそうにも見えたが、一生懸命笑わせてくれ、楽しい時間を過ごせた。アンリの娘婿で感染医として有名な人に紹介して治療をしてもらったそうだ。
アンリも大切な友人ということを強調していた。
お礼に私たちも折り紙レッスンをした。みんな童心に返り、大喜びしてくれた。(奈良でもしたことも私もアランたちもすっかり忘れていたようだ)
いつまでも体を大切にしてほしいと願いたいアランとその奥さんアンヌマリーだった。