ニース駅を11時25分発、マルセイユ着へは14時6分のTERに乗って出発。
TERの一等車は、ずいぶん前にたぶんフランスレイルパスを使っていたころ、モンサンミシェルから使った事があるような記憶がある。
それ以来だと思うが、TGVの座席とほぼ変わらないくらいのゆったりした座席。
値段もそれなりなのがわかる。
乗客もそれなりと言えばそれなりではあった。
通路を隔てた隣に二人の男性が座っていた。彼らは1人はイギリス、1人はアメリカと言っていた。「この列車はアンチーブに停まるか」と聞かれたので、「Yes」と答えたことから、少し話をした。彼らもまた日本に来た事があって、その時の様子を話してくれた。
いい思いを持ってくれていることがわかり、嬉しくなった。
10分余りの短い時間だったが、こういう触れ合いもまた旅の楽しみである。
アンチーブで彼らが下りた後、この1週間後くらいにカンヌ映画祭が行われるカンヌ駅、軍港で知られるツーロンなどを過ぎると、車窓は海辺から葡萄畑へと変わる。
そんな景色を楽しみながら、いよいよヴィルジニが待つマルセイユへ列車は到着。
私たちの車両は最後列の車両だったので、かなり歩いて、彼女の姿をプラットホームの端に確認したとき、嬉しすぎて手を挙げたその瞬間、モノプリで買った3つセットの指輪の1個が線路に飛んで落ちてしまった。「あっ」
でもこれは仕方ない。諦めるとしよう。
彼女と再会の挨拶を交わし、ご主人のミッシェル(ニースとマルセイユ、どちらもご主人はミッシェルさん)が待っている車の方へと向かった。
車に乗るとすぐに彼女はペットボトルの水を差しだした。この辺りの気配りはいつもながら感心する。こういう気配りを経験したのは、この彼女とブルトン人の奥さんのイザベルくらいかもしれない。
このマルセイユでは数日前オリンピック聖火が到着したフランスの最初の地点として、盛大なセレモニーがあったらしい。
そんなこともあってか、前回と家に向かうルートが少し違っていたように思った。
プロヴァンス(ここマルセイユはプロヴァンス地方になる)の名物のお菓子カリソンやフランス菓子のマドレーヌなどを用意してくれていて、荷物を下ろしてほっとひといき。
カリソンは日本人には苦手な人が多いがフランス人は大好きなお菓子↓私も最初は苦手だったが、あまりにもたくさんのフランス人(特にプロヴァンスの人たち)がお土産に持ってきてくれたりするものだから、今は段々慣れてきた。
しばらく休んだ後、ひとつぶだねのエンマ嬢をお迎えに幼稚園へと向かう。
「今日は日本から友だちが来る日」と幼稚園でも言っているそうで、楽しみに登園したとのこと。さて、ワクワクの再会がこの後待っている。