出発の朝、タクシーは、余裕を見て9時半に予約してくれたらしいので、それまでにパン屋さんに行こうと思った。
この近くには美味しいパン屋さんが何軒かある。
一番近いビオのパン屋さんは、あいにく定休日だ。
そこで私はこっそり朝早く私の部屋がある3階の部屋から出て、駅に近いパン屋へ行った。
そこは黒人のムッシュがいつもいる店で、何を買おうか考えていたら、小学生のやはり黒人の子供がやってきた。
学校に行く前に寄ったように思えたので、「どうぞ」と譲った。
その子は「メルシー、マダム」ときちんとお礼を言って、学校へ急いだ。
お店のムッシュもまた「ありがとう、マダム。あの子は学校へ急いでいたので、助かったと思うよ」と、私に対して言ってくれた。
こういうごく当たり前の挨拶のような言葉の大切さを改めて感じ、私はとても爽やかな気持ちになった。
そして、そのムッシュおすすめの「バゲット・トラディション」やマカロンなどを買った。
残念ながらシューケットはなかったが、それはアニーが朝ごはんに用意してくれていて、残りも全部持たせてくれた。
余裕をもって、空港にも到着。WIFIは使えるが、使う人が多いからか、電波は気まぐれだった。
今回は、バスクからパリに戻る時刻を勘違いし、予約していた電車に乗れなかった大きな失敗はあったが、バスクと北マレと呼ばれるこの地区に初めて滞在し、どこに行くにも意外に便利で、徒歩圏で中心地は行けることがわかったり、いろいろな発見があった。
さて、次は2016年のコートダジュールでアンリ夫妻との日々を中心とした滞在を記していきたい。